fc2ブログ
2007年10月04日 Category : 野鍛冶様

指名手配の件多くのお問い合わせ頂きありがとうございました。

 今日はすこしだけ、何でもこなされる鍛冶屋さんの御紹介。
今日の包丁の生産過程は、完全分業制であることが其の大半です。
柄付けや仕上げ研ぎまですべてを一貫して一人に職人さんが責任持って誂えられた包丁にはそれだけでもなんとも言えぬ魅力があるものかと思います。

chane_and_old_forged_rail.jpg image by mifuqwai
これを、先日野鍛冶山涌さんに託しました。
播州で頂いたもの。
色々話し合って挑戦していただく予定です。
何に化けるかはお楽しみです。


#1-3積層鋼剣鉈180mm
色々な長さが出来ます。

#4-10 165mm鉄地黒打ち出刃 
山涌さん自ら鋼付け行います。
込みのところで、9mmくらい、切っ先で3mm以上の峰巾
土佐風で、裏は縦鋤きと横押しで裏のラインが平面状にぴしゃりと出て、光の加減でとても美しい輪郭線を浮き上がらせる事ができるのです。
縦押しの手法が出来る職人さんは、包丁成形研摩専門職でもさほどいないとききます。
手鍛接、手鍛造で裏が縦押しの包丁が一体おいくらするものなのか?
びっくりするとおもいますので、調べてみてください。


#11-18 105mm 四層アジキリ包丁 神技ニッケル箔裏鋤き錆知らず!
#14 あごの面取りで、人差し指が痛くなりません!
#18裏隙はニッケル箔上にほどこされ、刃のラインに沿っての裏押し線の直近でなんともいえない霞模様を呈しております。4層で包丁を作る事ができるのは、山涌さんくらいだと思います。
想像して見てください。鍛造時に予め裏の微妙で浅いへこみを造っておかないと、裏隙研磨でニッケル箔を破ってしまいます。鋼が5mm巾でしか付いていないのでこのような紋が出ているわけではありません。ちゃんと峰一杯まであるのです!!!
神技とも言える、自由鍛造技術と裏隙研磨技術を両輪として自由に繰り出す事ができなければこのような作品を世に送り出すことが出来ません。
甲から見て、火造りしっ放し肌のステンレス地金-ニッケル箔-白紙-裏ニッケル箔の順の構成です。
鋼だけ黒く錆気帯びてくるもので、裏を見ていただければ、神技の片鱗を垣間見る事ができるのです。
とんでもない職人さんは確かにいらっしゃいます。
片刃の鋼付けの場合、裏隙がどうしてもよく錆びます。研ぎ減ってくると錆アナに思いっきり出くわしますので、がんばって研いでも何時も刃欠け状態を余儀なくされてしまうという問題を引き起こします。
このような新しい神技は、一気に鋼付けの片刃裏鋤き包丁の悩みを解決してくれます。
職人さんのとんでもない技術が実現させた、革命的製法だといえます。


#19- 五層ステンレス-ニッケル箔白紙割り込み万能包丁150mm
これも低温自由鍛造の賜物で、鋼の上に纏ったニッケル箔が確認できます。
裏隙のある物は、先ほどの四層アジキリ。
撮影する角度で、裏押しのの輪郭線が見えづらくなりますがニッケル箔の切れ目が良く確認できます。


実は自由鍛造バールが本来の得意技だったりします。
和釘も、面白ポンチもお手の物です!

 
 近年分業化が進み、鍛冶屋さんでも、例えば付けなら付けばかり、研磨なら研磨ばかりといった具合で、職人さん一人の手で完結させるといった考えが薄れつつあるのかなと思います。
 

  • 曰く、目指すところは野鍛冶。
    いろいろな道具を、すべて山涌さんお一人の手で誂える事ができます。
    特に包丁関係では、各工程ごとにそれ専門の職人さんがいらっしゃることが多くの実情です。

    昔ながらの、どこの町にもいたような民具から工具・工匠具まで何でもこなせるような鍛冶屋さんになりたいという信念の本に目指し日々努力されていらっしゃいます。
    彼は、まだまだとても若く、先細りと思われるの日本の自由鍛造技術の維持と存続に必ず大貢献してくれる逸材と考えております。

     私も大いに楽しませて頂きながら、色々な道具の意匠図案等相談させていただいております。
    一品物で自由鍛造で鍛えた道具をお探しの場合は是非御相談ください。
     
  • 昔ながらの本物の鍛冶屋さんのあるべき姿を思い描き、鍛接/低温自由鍛造/研磨成形/用途に応じ細分化された熱処理技術/切れ味と美しさを際立たせる研ぎの技術等々、あらゆることに精通した鍛冶屋さんだと思います。

     

  • MOV00035.flv low_temp_forging video by mifuqwai
    低温鍛造の動画。
    最近鍛造品と名打つものでよく鋼が煮えてしまっているものを見かけます。
    鍛接線がぼやけているようなものがその典型です。鋼が軟鉄に還ってしまうような感じです。
    主な原因は高温すぎる環境での鍛造。
    やわらかく仕事が手早く進むのでしょうが、鋼は死んでしまいます。
    出来るだけ低めの温度で鍛えておりますので、手間は非常にかかりますが、良い鋼の組織を実現できやすく、鉄と鋼の境界である鍛説線が明瞭であることが其の良き証明。

    wakuinakiri165cutting.flv wakuinakiri165cutting video by mifuqwai
    材の切り出しから研ぎと柄付け、銘きりまで一貫して山湧さんが責任持ってこなしております。
    分厚い朝刊を丸めてたものを、サクサク切ります
    !
     
    wakuinakiri165cutting2.flv wakuinakiri165cutting2 video by mifuqwai
    もういっちょチラシをサクサク切ります!!

    切れ味動画お楽しみください。
     

よろしくおねがいします

スポンサーサイト



メイン

コメント

●管理人のみ閲覧できます
このコメントは管理人のみ閲覧できます
●疲れてますか中岡様!
お疲れて様です中岡様!
行動力バリバリで 関やらと精力的に行動されてるようでお疲れ様です!
自分が購入したアノ美しい釘〆は もしかして山涌様の神業ですか? あの釘〆は 想像してた以上を超えて美しく 使う気になれません。 部屋のガラスケースに 三枚裏燕と共に 飾っています。勿論 横には巣無し高島銀巣板(いい臭いはしないッ残念)も名古屋ウイロウのように横たわっています『感謝』!!
★中岡様はよく 砥石に 何とかしゅんしゅん と名付けるので 自分は(しゅんしゅん)という種類があるのかと信じていました。 とある砥石屋さんに 尋ねたら それはたぶん 砥ぎの時に そのような音がするからじゃないかな? と言われましたが 当たってますか?当たりですか?
m(__)mヨロシクです!
●Non Title
KENさま。
なかおかです。
お世話になります。
今週は、うろうろしてとてもしんどかったですが、いいものでました!
しゅんしゅんとは、恩師の言うところの煙硝の石のことです。
硫黄分とか硝酸塩が多く含有されるものを言います。いわば職人さん用語です。
道具はつこてナンボです。バンバン使ってあげてください。
まだまだお若いので、メゲレバまた作っていただけます。
宜しくおねがいします。
中岡

コメントする

サイト管理者にのみ通知する

トラックバックURL


トラックバック

|

Copyright c 200x xxxxx. All Rights Reserved.

/for one column -->