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2009年10月13日 Category : 大工仕事

ご無沙汰しております。
図面の件でご質問の件。
一冊で一軒ではなくて何十件といろんな建物の図があります。
これが3冊。
内法や建具を概ねPASSしたもの。天井の凝ったものとかはあったような?
ほかもっとあったのですが、どこにいったのやら???
たくさん画像取りましたので、挙げておきます。
もっとあるのですが、なぜかうまくUPできませんでしたので抜き抜きでどおぞ。
わが国のよく知られた世界遺産クラスから、いろいろ文化財の図面ございます。
仕口はなかったと思います。
ホリモン等の意匠と、特殊な建物のカナばかりから隅の展開および、コロビモンの投げまでムフフな絵があります。
古代から近世までいろいろな建物の寸法つきでありますから、時代ごとのシワリ(きわり)の変遷や見えないところ。たとえば軒力の処理の仕方等も時勢とご予算の背景までも見て取れて面白いとはおもいます。

図面を引いて、化粧もんの意匠もあったり、木拾いしたりするときには、時代ごとのこういうお手本の図があると、偉大な先人の遺した物をなぞるだけのようなものですからむっちゃ楽チンです。
それで、いかなるお道具様よりも遥かにとおといものと考えており、これを集めて大工のお仲間と製本にするまでとても多くの対価を支払ってきたわけです。
大方は、お偉い先生方へのご機嫌取り?

そんなこんなで転売というのはちょっと問題あり気なので、貸し出しで勘弁していただきたいのです。
青焼きですから、A0スキャナでとれるガッツのある方どうぞ。
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2009年07月08日 Category : 大工仕事

構造材では?
とのことですが、例えば桁組について。
一般的に教科書では背を建物の内に組みます。
化粧桁ならなおさら腹を見せないつらいです。
しかし、土居桁が載ってハネギてこになる場合、背が外を向く使い方があります。
土居桁にかかる屋根材のとても重い荷重が内に押すので、それに抗う力を持たせるよう組むという話。
見栄えがきちゃなくなっても、この利点が大きいという考え方です。

狂いに逆らわず有利に使う考え方の良い例は、"女房を貸しても砥石は貸すな”という諺もこれ。
砥石は使うと狂います。
面が狂います。
中砥以下が特に狂います。
実務では刃先を完璧にまっすぐに研ぐことは余りありません。
材の真ん中がへこんでくるからです。
このへこみRに合うような狂いをきたす砥減らし方を考えて、横とぎ斜めとぎ直角とぎとあらゆる研ぎ方を使って研いで好みの狂いにもっていきます。
各研ぎ方での狂いの指向性や、狂いを固定する研ぎ方について書くと大変なんで、お試しください。
例えば75*205mmのいしのどこがどんだけ凹んでいるか、研いだひとだけが記憶してあり、次はどこをどのように重点的に減らせるかわかっているということになります。
狂うことは仕方がない。ではこれを利用して制するような研ぎ方を考えており、砥石のいわばミクロの狂い地図が人に貸してしまうと変わってしまって台無しになってしまうということをいっとぃるとおもいます。

仕上げ砥石は高価で、道具の花形であり崇拝の対象であるので貸さないというのではなくて、中砥以下を貸すと狂い地図が台無しになって、再び地図を作って覚えるのに多くの手間を取るということになるので、仕事に支障をきたすと解釈します。
これでは女房にお納めする銭も上がったりで恐ろしいことになります。
それで、仕上は、貸してもまぁ何とかなるのですが、中砥はこういう理由でダメデス。
良い子の見習い君が親切心からか、丁寧にも狂った砥石を直してくれたことがあり、参ったしたことがあります。

ひたすら研ぎものを練習させられる理由として狂いにあまり抗おうとせず、仲良く付き合い、願わくば利用して制す考え方も植わってくることも考えられます。この延長に木の狂いへの考え方もあると思います。
もちろん手や勘もかたまります。

親方には、中砥石が減る速さでどんな考え方でがんばっているのか一発で見抜かれているのかもしれません。
中砥は二丁以上もって、狂いに付き合って使うと思いの外長持ちします。


2009年07月08日 Category : 大工仕事

uragou by 330mate.com

裏甲木表木裏どっち?
に関して。
まず、材の背と腹に関して知っておかねばなりません。
以前書いた覚えがあるのでぶろぐ内検索してください。

切り裏は乾燥率の違いで狂う
布裏は丸の型が崩れる製材後、材の中の力関係が崩されるので狂う+わづかな乾燥率

古代や中世瀬戸内のものには裏使いが主
営繕後や近代-現代は、圧倒的に表

裏の理由
材の背と腹をのきぞりに併せて軒線の力の合力とす。
しかし、節が多いし、裏は仕上にくいしきちゃない見栄えは必死。

表の理由
美しい木理を得やすい。

どちらの目線が正しいのかは、施主の思いに従うまでですが、古代人は材の背と腹をよく理解し、狂いの方向を知っているということですから、これを利用して軒線を重力に抗うための力としているということが分かります。
鴨居や無目は断じて木表です。背と腹、美しさ全てが目的に合致してあるのでいつの時代も普遍的に木表。

切り裏の狂いは強く小さな曲率で狂うし、数が多いのでカヤオイに対して辛いということが分かると思います。
表使いのものががっぱり真ん中がすいたり、思いっきり割れているというのを見かけると思いますが、理由はこれ。

布でも高さがないが幅があるのでかなりカヤオイの負担になります。
わざわざ一番玉のアテを裏使いで持ってくるのも、全ては狂わんとす力やアテの持つ強靭な力を軒の力として利用するためです。

材の使い方で、一つ分かることは古代-中世人は、はるか未来の建物にとって最良の使い方。
黒く古色付いてくると節もかわいいし目立たんような気がしますがそれは拝む人の感性次第。
今は、とにかく竣工時綺麗に見えることが大切。

これは、職人さんの想いとは別にあって、施主や例えば応援先の親方によっても好みが違いますから、今回のように二通り以上答えがある仕事では、仕事をする前に必ず先に質問して取り決めておかないと大変なことになります。
びっくりなことは、
シラタをたくさん使えとか実際ありました。これだけは勘弁願いたいものですが。。。。
材の持つ本質よりも見た目重視が流行っているようで、シラタがバリバリ入っている建物を古代人が見てどう思うのでしょう?

布でまっすぐきつくりで、針葉樹の場合背に力が溜まってます。
つんばりの力でこれを切るように手押しして整えると狂いにくくなります。
広葉樹は概ね腹に力でこれを加味して鉋台等気作りします。
このへんは、手押しの説明書とはやり方が違います。
背を押すのはなかなか難しいですが、慣れるととてもまっすぐ押しやすくなります。
特に竿やゴウブチ押しにお勧め。


2009年04月20日 Category : 大工仕事

tag : 白鷹 留め
Tsubakurodome以前の留めは良くすく仕組みに引き続き、削ろう会にいらした大工さんに、動く材でも無難に仕事するにはどうしたもんじゃろ?となぞなぞ。

家に帰ったらお絵かきするということでコレどうぞ。
まづ考え方を、気楽なほうに変えにゃ悩んで毛が抜けてしまいます。
狂うももんは、仕方ないと考えるようにすると、健康に過ごせると思います。
我々の手の届くところで普遍なものは、そうかんたんにはありません。
物理学のエントロピーの概念と同じように、万事は整然から乱雑へと手を加え続けなければ、事が動くのは仕方ないと考えます。
部屋が勝手に散らかったり、覆水盆に還らず などの諺は良い例。
材の狂い、鉋台や、砥石の面の狂いも、完全に抑えることは出来ませんが、ある程度のコントロールと狂いの予測は出来ます。

平たく言えば、自然の成り行きに逆らって制圧する考えか、自然に進むであろう方向を予測して、コレとうまく付き合ったり逆に利用する考え方があって、逆らうのは疲れますということ。
木柄の大きな背挽きのある柱は、特に3面が大きく凹型になって、一般の平鉋では掛かりません。
かといって小さい鉋では埒が明きません。
それで、もう一度大きな電気鉋で通して平滑にするか?それとも??大きな鉋でお付き合いできる方法を考えるか?
軒廻りに用いる材で一番玉のアテだらけの材こそ上であったり、桁組は背を建物の内にするのは、狂いとお付き合いして、逆に利用する賢い例。人間無勢が制圧なんぞは無理です。

 本題、
回りぶち、柱のかきは、ラストの女木以外はキッチリ余裕なしで正味でかきがお勧め。
かきの口だけ面取りして、楔させるようにするのはちょっとしたセコ技。
留めに寄せる力をかけ続けたりするのにも有利。
寸法取りは、どうぶち二本突き当てがお勧め。
コレを馬鹿ぼうにして、柱面もコレに直につける。四面利用すれば二本だけで可能で、最大4本で一部屋出来ると思います。
間違いようがないです。
図の緑のとこをいなしますが、留めの内がすいたときに、容易に寄ることが出来るということです。
しかし、いなしすぎると、転びますから何事も加減が大事?
目地ありは気が向けばきります。 勾配は、頭の増しで1.2こえないこと。
留めの中までの目地の延長は、非常に有利。
すいても真下に行かねば、ほぼわかりません。
ここの加工のみ、とても適当でもかまわんと思います。鋸が入る範囲で適当三角形で十分でしょう。
慣れると1-2分の余分な時間で、ムフフです。
同じ材で仕事してもすきにくいです。


コレは、白鷹先生に頂いたCOPY。
後日追加します。
Master shirataka
2009年04月16日 Category : 大工仕事

tag : 留め 仕口
tome 45 degree
ご質問にかんして、私なりに思うことでお絵かきです。
まことであるか否か知ったこっちゃありません。

木材は丈よりも幅かが縮みやすいという原則はたぶん真ですから、この考え方でいいのではないかとおもいます。
丈でよく動くのは、米ヒバと栂も結構動くと思います。
ヒバで尺杖を作ると地獄行き・・・

ならの平城京の築地塀の工事の思い出です。
石灰を含んだ土を突いて
長い長いカイガタを作ってそのうえに桁とつなぎ梁と棟木を組んでいくという簡単な工事で、60mくらい延々と塀を作る工事です。
さおの丈は正解、でも最後のほうで長さが少し足らんようになって来ました。
米ヒバで、こういうことが起こった記憶があります。

留めにのりをつけておさめる場合、引きちぎるぞ?とありますが、ボンドじゃくりすると実感的に倍以上の接着力を感じます。
糊付け面に溝を掘るだけ。
鑿のかどっことかで、Vの字に簡単に切込みを入れるだけでOK。
以外に強力です。

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