煙硝黒(青)蓮華巣板について

敷き巣板中心で大どれするところの芯に現れます。たとえば大平の煙硝で鏡面仕上げが普通にできるのです。研磨力に優れ、生地も細かいです。
巣板層の弱い鳴滝向田・中山では出ません。
最も化石生物的名残が残った板です。



その根拠は、生物蛋白変性物か嫌気性好硫黄生物の遺物の雰囲気に満ち溢れているものが多いのです。
一般的に、巣板の大どれするところほど筋が少なくなる傾向がありますが、煙硝傾向が強まります。
煙硝とは、読んで字の如く蛋白由来成分として、硫黄分と硝酸や亜硝酸イオン(窒素酸化物)とかの介在するものということで解釈していただいてかまわないと思います。煙硝雰囲気を醸し出す臭気は無論、2億5千年前といわれる生物の蛋白変性物に由来するものであるということに思いを馳せて、古代ロマンに浸りながら研ぎを楽しんでみてください。
さて、よいことばかり書き連ねましたが、
採掘されるまでは、高圧密閉雰囲気の中でいわば最も風の入らぬところにあったものですので、我々の活動する大気圧下でしばらくすると膨張して目も当てられないことになるものもあります。
今度写真とっておきますね!ある意味自分が買った砥石でない限り面白い見物です。
あまりにも、生き物の遺物が残るためか、切断面からヌメリがでたり、塩分の結晶が出たりと、あたかも生もののようです。これらは煙硝の生い立ちを知れば予見できることでしょう。
金属様のきらきらが入っていることが多く、かたまって出ます。
鍛えて飛ばさなければ使い物になりません。
無論よく刃物がさびます。防錆処理おねがいします。
これらの理由で、昔は捨てていた巣板でした。
しかし、よく原石を選別し、よく鍛え上げた物は、素晴らしい力を持ちます。
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