![revivified iyo bonsai pot[伊予鉢復活]=1](http://farm4.static.flickr.com/3198/3117710523_7ed1121053_s.jpg)
水盤買いなおしました。それにしてもひのきは、まるで育たぬのにもかかわらず、魚は肥えてきました。
食わせすぎかもしれません。
![Iyo orange tree plane block[伊予のみかんの木の鉋台]-1](http://farm4.static.flickr.com/3125/3118538492_433f42ae7d_s.jpg)
伊予のみかんの木で鉋の台を取ってみました。
腹を楔で割ってそこを基準面に木造り。
硬さはシタバ君で粉が出るくらい硬くて、粘りとしなやかさも最強。
寸六薄か寸四までしか取れません。こんな大きさでも50年クラス。
押さえ溝を作った時のクラッシュハイトは多め。
寸八取りは現実的でありません。
雑木や広葉樹材は、背に力が溜まっているので、ここの言うとおりに木造りしてあげると格段にねじれの狂いが出にくくなります。
それで、芯に近いところから割っていきます。
芯に近い=木裏になってくるので、背になります。
背というのは、人間の背中と同じように腰の曲がった様を思い浮かべてみればよいのです。
勿論、反対に腹もあります。材を人格化してみてあげることが出来る場合が多々あります。
最近では表が多くなりましたが、社寺建築で裏甲にキチャナイ節モミソでも木裏をつかうことも多いのは?
これは、時代の古い本格的なものにおおいです。狂いを見越して荷重に反するような反りの力として操る木取り方になります。
木組みは癖組みとおっしゃるとおり、昔の大工さんは偉大なのです。
無目とか鴨居に木表が内法に入る理由は、木理が美しいと言うのもありますが木表が腹になるからです。背を入れると、真ん中が垂れる事になるので建具が引っかかってうごかなくなっちゃいます。
年輪に沿って木造りする場合材は、人間と全くおなじような曲がり方をしますので、木裏と木表は背と腹と呼ばれるところが出来ます。
鉋の刃口は、腹を使っているのがわかります。
針葉樹は、腹側に力が溜まり、ここの繊維方向で引っ張って縮む力が働くことで腹側に曲がる狂い方。
広葉樹は、背に力が溜まり、ココの繊維方向を押して突っ張る力が働くことで背に曲がる狂い方。
更に、木表と木裏では収縮率のちがいでも同じ方向に狂おうとします。
これは乾燥時の短期決戦的に起こりますが、力の溜まっていることでの狂いは定常的に長期間起こります。
これらの事を考えてあげると、いかにして楔で力の溜まっているところを狙って、いうとおりに割ってあげて木造りするとよさそうであるのか予測できます。
狂う場合でも、二次元的方向にしか狂いませんので修正がとても楽なのです。
いかにして、材の中の力の均衡を崩さずに木造りするか考えてあげるのも楽しいものかもしれません。
製材されているものを木造りする場合は、歩留まり優先で目を切っていますので、長尺になるにつれ古代的楔製材に比べるとどうしても不測の狂いが出ます。
ただ、力の均衡の問題が起因するのか?製材後乾燥進行度の違いによるくるいなのか?狂いの原因もある程度知っておかねばならないと思います。
それで、力の溜まっているほうを手押しでまっすぐにならすと、力のたまる繊維を裁つ事になるので木造り後の狂い方がかなり変わってきます。
ひのきとか杉を押すときは、背の真ん中から押していくのが正解。
ただ、熟練しないと難しいかも知れませんが、慣れると短い定盤でも押せますし、一人押しのときなど楽。
この押し方は真ん中から押しますので、当然自重でたわむ寸法も半分になります。
一般的には腹を押すやり方が主流で教科書的ですが、こっちのほうが簡単で、最低仕上がり寸法が両端に出るので安全です。
仕上がり寸法と材種等相談して、押し方も変えて行かねばなりません。
木造りは、ボーイの仕事と言われがちですが難しく、これがうまくいかない場合、後の仕事全てが上手く行きません。いつまでたっても、体力と精神力を最も消費するお仕事の一つです。