釜地 錬鉄 チェン地 橋梁鉄 ナンゾ?
白鷹先生にお渡しした双頭レールの当時の刻印つきのレールの件などで大変お世話になりました高嶋様がいらっしゃいました。
そのときにいただいた輪切りのもの。
以前先生にいただいたものは、常三郎さんにお渡ししたので、二度目の輪切りゲットです!
ありがとうございます!
今度こそ、わたしの手元に残ってくれそうです。
鉄ちゃん(鉄道マニア)ではありませんが、とても素敵なものであると思います。
左がだるまちゃん形状の双頭レールというもので、1970年代より英国で作られていたもの。
わが国では当時、独自の古代製鉄法しか知られておらず、レール用の鉄をたくさん作るといった技術がなかったわけで、初の鉄道路線である1872年(明治5年)新橋-横浜間のレールや次いで大阪-神戸間のレールがこのレール。
1867年が大政奉還ですから、想いっきり時代劇の世界です。
高嶋様がおっしゃられるには、これはおそらく大阪-神戸間のもので一次大戦中であった大正初期の大阪北区北浜の大阪三越の竣工のためには、この明治初期のレールの廃材を、基礎鉄筋などに転用せざるを得なかったという時代背景があったということです。
しかしこの偶然の出来事の組み合わせは、当時の双頭レールをコンクリートでできたタイムカプセルという興味深い形で平成の世の立替のときまで保管されてきたということになります。
解体する必要のないところも残したまま、工事も進めらたので、また後の世のためのタイムカプセルも温存されているということになります。
右は、私もはじめて見た、東京市電のT型レールと呼ばれるものです。
1910年ころ英国にて製造。面白い溝があります。
だるまちゃんは転んで困るので改良されたTの形になっていったようです。

高級大工刃物の地金に使われるこれらの鉄は、
- 還元剤としてりん・硫黄を多く含む化石鉱物である石炭でなく木炭使用
- 錬鉄の「練」がいうところのパドル法製鉄(櫂でかきまわす)
- 釜地の「釜」がいうところのボイラーによく適した鉄材
- チェーン地の「チェーン」がいうところの錨自体やこれをぶら下げるチェーンとしてよく潮風に耐えた
- 橋梁鉄の「橋梁」がいうところの鉄道の鉄橋など大きな構造物に用いられた
1番の還元剤が純なカーボンである木炭であるということと、2番の製鉄法でかき混ぜながら、空気を送って不純物をよく燃やせるので更に純度が上がり柔らかさと耐食性が増すが、半溶解状態を経て製品化されるので、画像でも確認できるようにムラムラの模様が出たり空泡ができたりしますがこれが更に砥石あたりを向上させます。
3,4,5番で分かるように量産が効いて熱水、塩害、風雨に永い間晒されても、中から錆びず表面のみ錆びるという、現代高炉製鉄にはなしえない利点があります。
それで、同時のチェーンは命が永く、現在でも少し手に入るようです。
現代製鉄が近代製鉄に至らないと言う点があるというのもおかしな話しで、パドル法に回帰してもコストがかかって現実的ではないのです。
それで、錬鉄が銅と同じ値段で取引されるというのも納得な話です。
ましてや、白鷹先生が鍛冶人生を賭して古代製鉄材による1000年の命を持つ釘をSLMC材を通じて復元させたということは、気の遠くなるような話になるのです。
鉄ほどいろいろな種があり、遠い金属はないのかもしれません。
地金について紹介されている語の意味が少しでもお分かりいただければありがたいです。
併せてこんな記事もある!!
高嶋様ともお話しましたがSLMC切り出しお願いしてあります。
気長におまちください。