「切りたいときののぼり」です(その弐)のぼり刃物の釘ごときり飛ばす鋸の目立て!!
金物マガジンVol.4は読んで置いてください。
関西のほうしか出ていないかと思います。欲しい方がいらっしゃれば東の方でも何とか段取りしたいと思います。本誌ではそんな事おっしゃておりますが、それは手にした方一人ひとりが職人さんに対して思う事。
取敢えず、これだ!めん玉とびだしてください。
「ふざけるな~考えられへん!」と言いたいほどに切れます。今まで釘があるかないかドキドキしながら挽いていたのが馬鹿らしく思うほど。
これでも、10回以上は釘をひいてある鋸であるとの事!
考えられません。しかも道が曲がったり、屑が詰まったりもありません。
北洋材の夏目がフカフカの材でこれだけ切れれば、ハッキリ言ってドウツキとか留め挽けます。
縦横斜め満遍なく挽けるのも憎いです。
御存知のとおり、替え刃や普通の本仕込本目立てで釘挽けば一発でお釈迦様になってしまいます。目が飛んでバラバラ!
今日から「ここを挽けば・・釘があるかも?」と言う強迫観念から開放されます!これはとっても幸せな事じゃないでしょうか?
大工さんはそこに釘があると分かっていても、敢えて挑まなければならない時が多々あり、断腸の想いで一本潰して材を釘ごと断ち切る場面が多くこれは救世主ものです。それで「切りたいときののぼり」と言うお題もくにさせていただきました。
鋸には種もしかけもありません、そのにへんにある本仕込九寸の鋸の目を切り返して、のぼりさん独自の耐久性のある刃をつけたまでです。
実際、昨日私が頑張ってしまいましたのでご覧下さい。
私の、馬鹿なチャレンジ精神に火が点きました。もう止まりません。
縦です。非常に罰当たりな行為ですが、「切りたいときののぼり鋸」は難なく叶えてくれました。
しては絶対駄目な事が出来ると言う事に、快感を覚えるはずです。
上にある画像は縦に引いて横から一発ひいて開けた物です。
釘の縦断面は砥石で仕上げたようにビカビカ!
更に、ドウツキ面・線共に、抜群で通常の目の九寸鋸の挽き肌ではありません。
替え刃鋸でこれを誂え、衝撃焼入れを施した物も試作されたとの事ですが、やはり一回しか切れなくて駄目だと言う事でした。
本仕込目立て鋸は、一言で言えば黄昏の時といえますが、このようにとんでもなくすばらしい技術を持った職人さんもいまだいらっしゃると言う事もまた事実。
いつの時代まで、引き継がれてゆくかは分かりませんが、健全に永くあって欲しいと切に願います。
<歴史>
金を切る鋸の昔々のお話です。
錠前破りの泥棒が、錠前を破るのに似た目立ての鋸を使い破っていたそうで、犯行現場に壊した鍵と鋸を忘れていった事で、当時名工と呼ばれた二名ほどの、これを誂えた鋸鍛冶は
奉行所に鋸を作成する事を禁じられたと聞きます。
腕前がずば抜けすぎていた為、鋸作りを禁じられてしまうという、ムチャクチャ理不尽なおはなしでしたとさ。
当時はケラを何度も鍛えて折り返して作った和鉄しかないので同じ鋼材で同じ鋼材を切るということになりますから、大変だったと思います。
それを参考に豊中の目立て職の竹島さんが金きり鋸を再現して、それをたたき台として、のぼり刃物御主人 林さんは、木も一緒に切れる欲張りな鋸の目立てを考案されました。
同じ鋸身でも目立てひとつでこんなに変わるものなのかとは考えても見た事もなく、おもしろいですね!
手持ちの九寸鋸で使わなかったり、錆びたり、目が飛んで放置してある鋸があれが是非仕立て直して見ては如何でしょうか?リンクから飛んでいけます。
よろしくお願いします。
スレッドテーマ:(´Д`)どンだけー(・Д・):ブログ
金物マガジンVol4 鋸の命を永らう目立て職人 のぼり刃物店主 林さん
金物マガジンVol.4でました。
本誌で登場の目立て職人 林 隆彦さんは、のぼり刃物の主様で、自ら鋸のめたてをされております。この御時勢の絶滅危惧職人です。
大工さんの工程は、"切る"が断然多いのですが、最近丸のことか衝撃焼入れ替刃鋸だ出てきて手鋸を扱う大工さんがとても少なくなって、目立て屋さんも減ってしまいました。
しかしここで言って置きたいのです。手鋸は、しばらく修練が必要かと思いますが、使えれば、留めとかドウツキ、メチきり、ホゾ取りを、墨線さえつけてしまえば最も短い工程と、身のこなし方でかたずけてしまう事ができます。
これは、とても仕事が捗って儲けさせていただく事のできる道具であるという事に直結します。
たとえば、広くない部屋の中で長尺の廻りブチ相手にツバクロ留め仕事に、クソ重たい押し切り持って回って台こさえて、ローラとか馬を調整してチョイ切り機能やらを使って切っている間に、手で挽けばもう終わってます。
材料をぷんぷん振り回したりする事も必要ありません。
何を挽くにせよ、丸のこに頼りすぎな傾向があるのではないでしょうか?
「適材適所」これは材だけではなく道具でも言えると思います。
因みに私は手で持つマルノコ大好きで、好きな道具ナンバーワンです。大断面をまとめた数とかまとまった形状で切りたい時など、できるだけこの状況に持っていけるよう考えます。
心はいつも「まるのこ使いたい」とおもってます。
長尺や重量物のうるさい切断には結局しんどいので使う気にはなれません。
大工はビスをもむの次に一番切る仕事が多く、これを思うところに挽く事ができれば、今後触らなければならないことがなくなるわけですから、捗ります。鑿・鉋の出番がぐっと減ります。
そういったことで鉋や鑿より、鋸が一番気になる道具で、これほど使いがいのある道具はないかと思います。
正直に申しますと・・・鉋の鋼がどうじゃとか薄く削れたとか、鑿は誰が作ってあるので美しいとか、こんなことが仕事の出来高にあまり繋がる訳ありませんからまるで興味ありません。
手の延長と考えることができるような鋸は使われ続け、良い目立て職人さんによってその命を永らえるという関係は不可避であるといえます。良い鋸を持つという事は、良い目立て職人さんとご縁がなければ現実的ではないということだとおもいます。
私は、奈良で習ったので、地方や京都に出たりしたときには目立てで困ってしまいました。
実際、良く「目立て屋さん紹介してと」お問い合わせあります。そのくらい目立ての入用な鋸は使われなくなったということで、日本の大工さんも黄昏じゃないかと思います。
良い鋸欲しいけど目立て職人さんがいないということで替刃を選ぶようになり、これもまた寂しい事です。
もう昨日になるのですが、のぼりさんのことろで看板用に展示させて頂いた砥石を交換させていただくときに、とんでもない鋸を目撃してしまいました!!!
実は、私の住む大阪豊中市内の目立て屋さんの鉄を挽く鋸にヒントを得て、そこに知恵を注ぎ込み今の目になったと聞きました。
木ごと釘まで挽けちゃいます!
今日はここまでですが、明日はわたしの無茶なチャレンジ精神でバカな挽き方を御紹介します。
これもまためん玉飛び出る驚きと感動です!
見てしまえば、現場戦士の方でしたら是非のぼりさんに誂えていただこうという想いになるはずです。
使わないような目の飛んだ、九寸を片手に御期待下さい。
よろしくお願いします。
『闘魂』三代光川順太郎作木釘挽き鋸便利です。
木釘・ビス穴埋めのダボ・大栓継の樫の込み栓などツライチで切りたい!
もしくは定規をあてがって、面から一定の突き出し量で切って、仕上がり肌も鉋いらずにしたいといつも思うはずです。
山奥の文化財の建物の桁を大栓継で継いだもの。
1寸角の、樫の栓です。寸30枚目の導突ピッチですが、サクサクです。
桁は先に鉋で仕上げてあります。
今までですと少しだけ残して切って後から鉋でちまちまでした。
これは革命的!
鉋仕上げのヒノキの肌も傷みません。
種明かしはコロンブスの卵的なものでして、鋸の身の断面が台形になっていて、その中にあさりが納まるようになっています。
それで面を摺らせながら挽いても傷がつきません。
脚立に上って嫌な角度から挽きましたが、よくしなるので面に押し付けながら大胆に挽くこともできます。薄くよく粘ります!!
ビス穴を埋めたダボ引きです。
これも無理な体勢。
片手で撮影片手で仕事なため見にくくて申し訳ありません。
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