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2007年06月28日 Category :

光川さんの一工程省けるスペシャル鋸!!

木釘・ビス穴埋めのダボ・大栓継の樫の込み栓などツライチで切りたい!

もしくは定規をあてがって、面から一定の突き出し量で切って、仕上がり肌も鉋いらずにしたいといつも思うはずです。





山奥の文化財の建物の桁を大栓継で継いだもの。

1寸角の、樫の栓です。寸30枚目の導突ピッチですが、サクサクです。

桁は先に鉋で仕上げてあります。

今までですと少しだけ残して切って後から鉋でちまちまでした。

これは革命的!

鉋仕上げのヒノキの肌も傷みません。

種明かしはコロンブスの卵的なものでして、鋸の身の断面が台形になっていて、その中にあさりが納まるようになっています。

それで面を摺らせながら挽いても傷がつきません。

脚立に上って嫌な角度から挽きましたが、よくしなるので面に押し付けながら大胆に挽くこともできます。

薄板で粘る薄くよく粘ります!!





ビス穴を埋めたダボ引きです。

これも無理な体勢。

片手で撮影片手で仕事なため見にくくて申し訳ありません。


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2007年06月28日 Category :

 道具で一番びっくりして頂けるのが、何と言っても鋸です。
替え刃でなくって、本仕込であるのにもかかわらず、価格が月並み以下だと思いますのでそれなりと思うかもしれませんが、嬉しい期待はずれになると思います。


 私を含め、「もっと早くにこの鋸と出会うことが出来たらと悔まれます。」というご感想を非常に良くいただきます。
そのような結果を収める為には、しかるべき原因があります。
何点か挙げさせていただきましたが、今回の記事もその一つです。


焼きいれ焼き戻しの熱処理後平面研磨と鋸板の中央をすき上げ薄くしたものの板厚と目振りの後のあさりの出を調べていきます。これで左右均等に適切な振り出し量であるか分かるようです。
ダイヤルゲージは最小メモリが1/100mm(10ミクロン)で一周回ると1mm。
メモリには幅ありますので2/1000mm(2ミクロン)くらいまでは十分読めます。
許容公差忘れてしまいましたが、5/1000mm以下であったと思います。
左右ばらばらの振り出し量なら、もちろん誰が引いても一枚だけ刃が飛んだり曲がったなりの鋸道になると思います。
これもまた、肝心どころ。

 更に、世界のミツトヨダイヤルゲージも4ヶ月スパンで、異常ない場合でもうむを言わさず新品交換します。
鋼製のカナバンの周りに結構なかずのお役御免ゲージがありましたので思わずお土産にいただいちゃいました。


 試し挽きは光川さんが一枚一枚確認して、歪を取り直したりしていきます。
槌跡がついているものはその時の名残です。
使ってびっくり!作成風景見てびっくり!でした。




 全てがうまくかみ合い、びっくりしていただける鋸が生まれます。
木工の中で、切るという作業が一番多いものです。
その大部分は、電動丸鋸に取って代わりましたが、墨線一本つけて挽くという手早い身支度で切るという動作がこなせますので、未だ手鋸であるほうが効率的であることも多いです。

2007年06月25日 Category :

 今日は海の向こうのことで、がっくりしたので、ばれないように日本語で独り言です。
中岡は、外国人観光客などがうろうろしているところでお仕事する機会を多く与えていただき、見学の方や質問の受け答えを英語圏のテーブル上にて何度かやり取りさせていただきました。
英語は地球の公用語であるといっても過言ではありません。Netに上がってくる海外の方は自国語が英語でなくても、良く英語で上がってくるようです。


ドドイツとかフランス言語圏カナダ人のかたなどは、聴いても書いてもらってもさっぱりなことが多く、文法もスペルもムチャクチャで、よくよくMiss understand !!お互いになってしまい苦悶でした。


こんな辺鄙な島国のボロボロ建物をわざわざ文明の利器をふんだんに使って見に来るわけですから、頭がくらくらするほど日本にかぶれている方が多く、正直に「こんな虫食いのぼこぼこ壊せばいいのに・・」などと口を滑らせてしまい、随分立腹させてしまったこともありました。
今は、ボタン一発でメールが届きますし、スカルプとやらでお電話もただで出来るので、便利です。世界は広くて近いです!因みにホモの大工さんも世界に多くいらっしゃいます。ちょっとやそっとでは動じなくなってしまった自分がなんだか嫌です。


 本題・・当然、まぁ皆さんまずが好きです。鋼が四の五のおっしゃいます。道具は鋸が一番面白いぞな?といっても聴きません。欲す場合は歪んでしまった大昔の高い鋸でしょうか?
変な鋼を欲しますので、燕鋼に当然興味持ちますが、鋼はあまり光らないし、下手な砥石では刃がつきにくいので、薦めませんといえば、ヤングボーイほどムキになるの傾向あり?ちょっと疲れます。


燕鋼は、少し修練を積めば何とも面白使えるの鋼なのですが、それに満たない場合、まったく使い物になりません。白黒はっきりした竹を割ったような性格の鋼という表現が最も似合う鋼だと思います。そこらへんの微妙なところを英訳で考え、テクニカルターム(専門技術用語)もなるべく適当にならぬよう考えて伝えているつもりですが、言葉の壁というか、刃物文化の違いというのがなかなか埋まる物ではありません・・・向こうの方は光れば光るほどOKとお考えのようです。

やっぱり・・
  I sharpened the blade, it would not take a very good polish. 
「研いでもよぉ~何やめっさ光らへんやないけ!!」
  I own a number of other Japanese planes all made from different steels and compared to my other planes, this plane does not cut well. 
「わし、全部それぞれちゃう鋼で出来とるニポーンのようさんもっとるが、それらと比べてきれませんわな!」


<<米国の方ではないのですが途中カリホルニヤの削ろうかいでむっちり学習してどうのこうのとあります>>
 When I sharpened this blade, it left black spots on the stone and would not take a good polish from my natural finish stone.  This tells me that the properties of this steel are not right and that there is too much carbon in this blade making it cut poorly. 
「わての天然砥石で研いだら石に黒い点々が残ってるわな?。ちゅうことは、この鋼の組成は良くなくて、あまりにもの多くの炭素を含む為に、ショボイきれあじなんよ!ということをわしに天然砥石が指し示してくれよる訳やがな!!」
<<以後、常三郎さんに取替え要請もしくはRefundせよとおっしゃいます。>>


燕鋼は、組成に関して言うなら、炭素量は青一Bクラスで、普通。
はるかに炭素量の高い青スーパーや東郷レイ号さんはどうなるのでしょうか?
天然砥石がキリンさん模様になるのでしょう。。
タングステンを多く含む合金鋼で、どちらかといえば、ハイス鋼の開祖である犬寄りかと思われます。現在ではタングステンの変わりにモリブデンを1/2当量代用することで同等の働きといわれ、タングステンはもはや主流でなく影を潜め、電球のフィラメントを見てしまうと情熱がたぎってくるかたには、それだけでタマラン鋼です。
最近脚光を浴びたことといえば、金と比重が同じであるので偽造金塊作成に弄られた位でしょうか。不本意です。


私も電球が割れたら、フィラメントを思わず集めてしまうタイプの子供でしたので、タングステン系鋼に失望させてしまうことは辛いです。




私は分析表を添付して、切り返しました。
「炭素量は普通で、あなたの崇拝するスーパーとレイ号よりはるかに低い。
かつ、製造工程中の浸炭環境(炭素が鋼に溶け込むこと)は考えられない。
推測で物言いするのはあまり感心しません。
交換を希望するなら、私がこれを研ぎなおして、あなたのミクロンをこれで更新した場合。あなたは、どうしますか?」



言ってしまいました。私もヤングボーイです。ただ、道具は口が聞けないので、いつもまづ自分を疑うことから初め、ここに帰結することを忘れずにいたいです。
ホントに送り返してこられると困るので、マイクロ秤を本気で買おうと思います。
お勧めの秤が買えるところがございましたら教えてください。
よろしくお願いします。
 



 


 


 

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2007年06月25日 Category :


常三郎自慢の焼鈍装置、今日は朝6時に火を付け、午後6時まで自動温度制御。その後火を止めて朝までゆっくりさまします。この装置があるので鋼の完全球状化が実現できます。20年以上使っており、現役バリバリです。多品種微量生産の現在、1回に150枚入るこの炉、数種類の鋼の鉋、色んなサイズを混ぜて入れないと数にならないので鍛造が大変です。 ... 焼鈍装置


真空焼鈍


2007年06月24日 Category :

鑿の価格について開きがあるとよく聞かれますので、お答えします。
鋼付きで、安価な物は、鋼と軟鉄を赤めて重ねてでっかいプレスで一撃必殺の下で型抜きしてしまいます。
地金と鋼の境界線である鍛接線は、一様でまっすぐで美しいです。
美しい丸鑿などこの作成法が多いようです。 最近の大工さんは、裏をモリモリ押して刃を付ける傾向がありますので、鋼が切れて理不尽なクレームとならないように、少し厚めになっていることが良くあります。
鋼を少し大きくすることで、カスガイ型に巻き込むことも出来ますので、抜群の見栄えになります。
出来上がりは、カタヌキ品が見栄えして安価なので、良く売れます。

それに比べ手鍛造の場合は、注文主に合わせた鋼の厚さなどなど融通効きます。
赤めて短い時間内に何度も打撃するということが強い鋼になると聞きます。
暑いのを辛抱して下の動画のようなことを、昔ながらの手鍛造の方法をとる鍛冶屋さんは、こなしていらっしゃいます。
これに加え、これ等の動画の真ん中に鍛接の工程も加わりますので、比べますと随分と手間が掛かります。
鍛接線に揺らぎが出ることがよくありますが、返して言うなら手鍛造の証でもあります。
手間が掛かり、見栄えしないことがあるので、高かろう悪かろうに思われがちですが、堅牢で切れ味冴える道具としての価値はどちらにあるものなのか?というところは、使ってみると分かります。
道具は、使うものですので、結果がその場で出ます。
今流行のミンチお肉の偽装のように誤魔化しが効かないのです。
ただ、見た目では分かりにくいということは、どちらも共通しております。



↑鋼を炉で赤めて、一枚一枚鋼を叩いて薄くしていただいております。
裏隙は、肩のほうが当然深くなりますので、若干バチ型の斜め断面で鍛えます。
注文主によって鋼の厚さを変えたりしていただけます。



↑地金と鋼がひっついた状態で、軸と中子を打ちます。穂を火箸で挟んでくるくる回しながら叩いています。
中子は柄の中に刺さる所で四角い断面です。これもこの段階で決めてしまいます。
鑿鍛冶の腕の見せ所です。

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2007年06月24日 Category : 大工仕事

 先週は、よくお客様が見えました。
大工仕事は0で、ためしとぎ、卸し業版、頼まれものの、奥殿戸前極大の大判面付けで大半をすごしたのですが、この度更なる省力化とコスト削減の為に、ダイヤモンド工具やさんの大阪支店の古参の方と、今後誂えていただく省力化工具作成に関して、実演と打ち合わせを兼ねて能勢の山奥まで来ていただきました。


米国DMTダイヤモンドのように堅牢で目詰まりなくかつ、廉価であれという私からの無茶な要求に見事答えて頂き、あとは砥石自身の耐錆性の向上に関してどうするか?というところまできましたが、これは解決済みですので、問題ないと思います。
現時点で私がダイヤモンドで目論んでいる、あんなことやこんなことをお伝えして持って帰っていただきました。実現できそうな良いお返事いただきましたのでわくわくです。


 ダイヤモンド砥石は、不思議なくらい広い価格帯がございます。高い物は30000円超えている物もあるようです。やすい物は3000円からあります。
とりあえず、おおちゃくで面倒くさがりやさんのわたしは研ぐのが嫌いなので、手早く刃付けの為に、ダイヤモンド砥石には随分投資しました。
とりあえず、近隣国製のやすい物(菱や亀甲模様)は芳しくありません。目詰まりと、ダイヤ脱落が異常に早いです。常三郎さんの精密二回仕上げ金盤と同じく、後々のことをよくよく考えておかねば、これもまた安物買いの何とかになります。


 この度お願いして出来上がった物は、ダイヤのあるところとないところ・高いところと低いところを明瞭にして、基盤でなくダイヤモンド一点一点に刃が点接触して研削力を集中させることと、目詰まりを防ぐことと、体重を掛けて比較的細いのみを刃付けする場合に、ダイヤが飛ばない強いダイヤの保持力をも実現しました。これと、作成コストの均衡するところで歩み寄ることになりますので、一つだけ気をつけていただけますと、私のプロトタイプでも4年以上何ともなく使うことが出来ました。
得にお仲間がいらっしゃる大工さんにお買い上げいただいた場合は、同僚に没収されたとかで2枚3枚欲しいとお声が掛かるほどです。
とりあえず、混合砥石と大村砥石君とか面直し君はお払い箱となるでしょう。
これ以降のことはお買い上げいただいた方にごらんいただきます。

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2007年06月24日 Category : 砥石

 去年のまだ暑いころ・・砥石屋さんとお話いていた中で、中山の浅黄は返品多く人気がなくて困った物でなんとかならぬか??という話をしていたのです。
確かに地を引いたり、針チクだらけで鋼まで甚大なダメージを及ぼす物が非常に多かったのですが、当時懇意にしていただいておりますダイヤモンド工具メーカ様に誂えていただいた、工具を試し使いにと、この浅黄の大判に面をつけてみたのが、浅黄人気の起爆剤になろうとは夢にも思いませんでした・・・

 梅が畑系の東物と呼ばれる砥石は、へき開性が強く、硬度に関係なく真っ直ぐすぱっと割れます。
ちょうど竹を割る感じをお考えください。
急所を探し、鏨をかけるわけです。
以外にうまく割れて、製品にすることが出来たのですが、今までの浅黄とはまったく違う物ができました。
これは浅黄であって、浅黄ではないのか?とも思うほど。

 今まで味わったことのない滑走感・研磨力・生地の細やかさ全て両立した物でした。
似た浅黄を追い求め、結果浅黄ファンとして賛同していただける方が多くなりました。
最近気づいたのですが、浅黄は銘木や宝石と同じく、切り出し方がむづかしいのではなかろうかと思います。
木材の場合は良く製材からやっていたので、アテを交わしたり、逆にうまく力の溜まる所に持って行ったりと勘と経験をちょろっと積ませていただきましたが、本口成り(本石)の名門の石であるほど、こういった結晶性というか方向性が顕著に現れていて、取り方しだいで屑にも・大極上にもなりうるということに遅れながら薄々気づいてきました。
宝石なども同じことで、カットの方向とか誤ると何千万がお釈迦になると聞きます。
本石の場合、鏨掛けに時間と持てる集中力全てを賭して挑むべきであると考えます。
とりあえず平面に近いところで面をつけるのではなくて、石のへき開方向を叩き台としてとり方を考えていきますと、確かに歩留まりは悪くなりますが、素直で砥石としての力をより引き出せたものが出来上がると信じてやまないのです。
試しに、良い石が取れた同じ原石から、何も考えないで見栄え第一につけやすいように面付けした物は、地金を引きやすかったり、研磨力が乏しかったり、研磨の方向により鋼までパラパラになる物など恐ろしい物が出来上がりました。


ちょっとむづかしい話ですが、宝石と同じく分子間結合の強い方向をまたがって面付けしますと、砥粒が剣山のようにそそり立っておりそれが比較的柔らかな地金に刺さって、嫌な感じになるのではなかろうかと思います。
だからこそ、面倒でも鏨を掛けて、結合の弱いところに沿って割って、面をつければ良かろうと思います。
本石の石で結晶性の強い原石ほど、銘木の製材・宝石のカットと何一つ変わらぬ心持で望むべきであると感じさせられました。これを、見習い君の太ちゃんに伝えたいのですが、「なんのこっちゃいな?」という感じでヤキモキです。
これで、跳ねなくても良い浅黄が出る確率が上がったと思いますがそれでも多くは跳ねており、その多くは雑味多く使い物になりません。


 画像の浅黄は、初めて浅黄のなかにはとんでもない物があるということを教えてくれた思いでもひとしおの浅黄です。良い原石を選定して積んである参の建からでもこれにあたうものは殆ど出ません。下のものは白すぎる浅黄・・・これ以外未だ見たことがありません。
浅黄はお手間を貪り、歩留まりが悪いのでどうか、高いぞと言わず、どうぞお手柔らかにお願いします。


280*185*33くらい


400*120*35-20 /3500gくらい


思いでいっぱいの2枚の浅黄ちゃん。200本以上砥石を持つといわれる、達人様の下へと、とうとう嫁がれてしまいました。無駄に大きくて邪魔だと感じていたのですが、探す為の手本としていた物が二枚もいなくなると寂しい物です。
大突・奥殿・菖蒲の硬い原石で頑張ってこれからも実験と勘を磨くことに力注いでいくつもりです。


 

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2007年06月24日 Category : 玄翁


  色々あって待つこと半年、お待たせしました。
せっかくの自由鍛造で誂えていただいているわけですので、福島さんに鍛造肌をそのまま生かして、製品としてほしいとお伝えしたのが始まりで、色々誂えていただいております。


福島さんも鍛造肌の作品を手がけてみたいという想いが以前からお持ちで、まさに渡りに船といったところでしょうか?快諾していただきました。
右の物は、にきび面といいましょうか、これは、常三郎さんの鉋頭の仕上げ技法を再現していただいた物で、おなじみ常三郎さんの鉋でご覧になったことがあるかと思います。
播州の職人さんの知恵を掛け合わせることで、どこにもないであろう面白い意匠の作品が出来上がります。


ただし、問題がありまして、一個ずつ異なる意匠異なる重さで本当によく福島さんの火造りしっぱなしの鍛造肌で!とリクエストがありますが、これにはまずあらかたの鋼材の径や形状に準ずる種類を持っておかねばならず、材のストックの問題がること。
次に、鋼材の価格が播州向けの多品種形状の物の価格が去年の今頃に比べますと約1.8倍となっており、在庫する体力が持たぬこと。
型抜き玄翁が需要の殆どを席巻する今日の状況では、今までトン単位の鋼材発注が100キロ単位となるわけで、更に厳しい状況へと拍車をかけているということになります。


最近の自由鍛造玄翁の価格が思いっきり値上がりしてしまうことに直結します。現に三条の有名どころも高騰です。


 そのような、自由鍛造玄翁を別注していただく場合の大きな障壁あるという背景上、1っこだけほしいという場合、納期未定かつ価格はとんでもなく跳ね上がるということで、現実的ではありません・・
出来るだけまとめて誂えていただくように努力しておりますが、鉄が高いことはどうにもなりません。
どの職種の方にもいえることだろうと思うのですが、どんどん手仕事の職人さんが住みにくい世の中になってしまうことは、非常に嘆かわしいことだと思います。


 

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2007年06月24日 Category :

これ、五百蔵さんのところで、三枚にすいていただいたもので刃付け前状態。


出来上がり。


なんじゃ?これ?といった鉋ですが、寸八の燕鋼と青1B仕様の綿帽子三つ裏明治のチェン地木目仕上げの鉋刃。今年の初めにこっそり誂えていただき、南半球や、オーロラの出るところなどに渡りもう残り二枚になってしまいました・・


意味があるのか?といわれますと新しい間はございません。遊び心です。
ただし、持ち合わせの少ない職人さんには大いに意味があるかもしれません。
ちびた時に、真価を発揮します!


脚がちびてきた短い刃の鉋は、縦に割ってよく小鉋とか際鉋に作り変えます。
水盤に刃を浸しておいてサンダ-でばっさりという原始的な方法です。
その場合、三つ裏でついた脚のところが切り取り線になったら良かろうと思い無理悶着をおふたりにおねがいしました。
実際私が割る場合も、豆鉋と小鉋といった感じで1:3でばっさりしますので、三枚裏が万歳ではなかろうかと思いました。
ちびた鉋刃をばっさりしますと、裏がハチャメチャになります。それで3枚にしておくと、割った後も美しくいくのではないでしょうか?


二枚刃ですと隠れますので研ぎのときしか裏が見えなくて楽しめませんが、一枚で植えますと、お色気と遊び心十分味わえます。
綿帽子頭は、最近得に流行で お受けする別誂え一点ものの多くは綿帽子さんです。
私もはじめは妙に長くてへんちくりんな形じゃぁ?と思っていたのですが、常三郎さんのおっしゃるとおり利点は大いにあります。



  • 頭が握りやすい!
    お手手の握り手の形にぴったりフィットです。握る手の形そのものが綿帽子ではないですか!

  • 頭が長いので、ちびた時に台に埋没しにくい。
    よく、台頭側の厚さを割って、叩き易くしていますが、その必要がなくなります。
    これは大きな利点です。
    台頭の厚さ=鉋刃固定力に直結しますので、得に硬い木を削る場合は、仕込みの硬い台を要し、台頭を割ることはご法度となります。厚い台・硬い仕込み・硬木と戦う これ等の何れかを望む方には、とっても合理的かつ美しい意匠の刃となるわけです。


機能性、意匠、遊び心をこれ等のような想いをもって、常三郎さんにお願いしたわけですが、初めは無理っぽいといわれちゃいました。
「あんたのばやい、鋼薄くつけろいうさかい、三枚にするとどうしてもスキが深くなって鋼切ってしまうかもしれん。」とのこと・・・
手狭な刃の裏隙は、R径の小さい物でやりますので、深いスキになって危険だということです。

そこで、もとより薄めの鋼を扱い、剃刀でもなんですいてしまう五百蔵さんにお願いしたわけです。
快く引き受けてくれました、五百蔵さんには感謝でいっぱいです。
青紙一号B(青2より一段階カーボン多い)は普通にすけたようですが、燕鋼は、ネバネバで研磨の目がつまり気味になるし、下りなくて大変だったとのことです。
燕鋼恐るべし。


お二方に頑張っていただいた分、少々割高になってしまいましたが、遊び心の誘惑によって押し通させていただきました。
職人さんが協力し合いますと、今まで無理だろうなと思われていたことも実現できたりします。


 


 

2007年06月20日 Category : 砥石

奥殿戸前は露天掘りの巣板と違い、穴から採ります。
手ごろな原石ありましたので、面付け頑張りました。


こちら側は、畳模様がかった裏。


こっちに面つけました。


55ミリ。厚すぎます。


面をつけてびっくり!素晴らしきダマスカス模様。


研いでびっくり!滑走感抜群のウルトラハイクラス物。


若干しゅんしゅん層噛んでいるかもしれません。



仕事中サボって、一人でこっそり研いで見ました。鉄の華の色がだんだん変色していることを確認ください。研ぎ感が滑走感漲り素晴らしく、とても硬いです。
薪より割り箸。割り箸より鉋屑に火(酸化)をつけやすいのと同じ理由で、鉄の粒子が細やかなほど(酸化)錆びやすくなり、このように変色してきます。これは、生地細やかさを知る良い指針となります。しかし、硫黄雰囲気下では、瞬く間に変色します。この場合、細やかさを知る指針にはなりません。
三枚裏綿帽子チェン地木目仕上げ燕鋼の鉋は、遊び心。三枚の意味は有りません!こじ付けで良いのなら、それらしい意味は説明いたします。常三郎さんが打って、五百蔵さんが裏隙してくれました。半ば呆れられながら、私のお願いを押し通し、お二方に頑張ってもらいました。ありがとうございます。
しかし、チェン地はよくおります。カチカチで下り難いものでは尚更嬉しいです。


実は・・この敷物にしている石も奥殿なんです。ふざけるな~といいたいくらいでかいです。
鉋の刃は寸八であり豆鉋の刃ではありません。
ちゃぶ台にするか、座布団にするか、ついたてとか欄間にしようかな?と馬鹿でリッチな妄想が膨らみます。


 どんな時も遊び心を忘れないでいたいものです。

2007年06月15日 Category : 大工仕事


とある高級住宅街の新築のおうちの、やまと張り塀とか、箕甲つき腕木門の応援に行ってました。
ご主人のお気に入りは、見たことのないお車とか、ぺOOO絨毯とかめん玉飛び出そうな物。



対して私は、帯鋸です・・・
廃盤になりました日立CB65F!!
8寸まで挽けるスーパー製材マシンです。
100Vで動き、体重は私とどっこいどっこいなので、呼んでいただいたところに、これを据えて置くことができます。


なんというか・・・格差社会をひしひしと感じます。トホホ


 

2007年06月15日 Category :

大急ぎで頼んだ物ですが、きれいに出来ていると思います。
薄めの鋼で、良く切れて、欠けないもので、美しくかつ14日以内でといった厳しい感ありの注文でしたが、お見事にこなしていただけました。


穂だけという注文もあります。ご自分で据えるガッツをもてあましていらっしゃるのでしたらおやすくなりますのでお勧めです。
常三郎さんのチェン地は、非常に研ぎやすく、薄鋼も後押しして、このような幅広のみでも刃付け楽々です。


尚、柄のすえ方も紹介できます。駆け出し鑿などは、かなり難易度高いように思いがちですが、誰がやっても簡単確実に出来る方法です。リクエストいただけますと頑張ります。



これは、以前少し紹介した、向待ち込み栓鑿。
本丈7寸総丈尺一寸で、深い深いメチを切り込むのに特化してます。
軽く、取り回し楽。
片側から6寸強まで突くことができますので、仕口のメチ仕事で威力発揮することでしょう。
第一線の職人さんのNeed がSeedとして落ち、五百蔵さんが形にしたものです。
便利ですが、熱処理中にひずみが出やすく、鑿職人さん泣かせの逸品。

一つ一つ手鍛造ですので、しばしお時間いただけますと、思いのままの道具が出来ます。
五百蔵さんに感謝です。
これらは東の色々な職人さんが扱います。良く活躍できるよう祈ります。

2007年06月14日 Category :

 やり直すこと2回、ようやく出来上がりました。

リクエストいただきました駆け出し鑿たちです。
西へ東へと色々なところへ嫁ぎます。
柴野さんにはいろいろ無理難題な注文を押し付けたところ、快く引き受けてくださったことに感謝いたします。



  • 鋼薄付け

  • 二手でもてる6寸柄

  • 軽さと強激に耐え小回りが利く5寸本丈

  • 口金でスレスレかつ、下がり輪で大きく材から離れないように、手の込んだ歪取り。


これらを厳しく柴野さんに、お願いしました。


穴屋の重たさを感じさせず、追入・中叩きに近い振り回しやすさを感じていただけますよう本丈削りました。
6寸樫芯持ち柄は、細めで、木彫風に仕上げて口金のところで張らない様に・・・。
二手で握れますので、突きの力が掛け易く、正確に突き易くなります。
木成りの繊細さも追い求めているのです。


4分の駆け出しは幅で口金がつかえますので、メチを掘る場合は行き止まりです。
左の、うめきは、三角の成が三分五厘とし、ドリル穴を四角い込みせん穴にする場合用にと誂えた物。ありの切り込みや、サイドをつぶして行きたい時にも軽く切れる鑿です。
四分角の中に納まるぎりぎりで異常に成が高いのは、強激に耐えるよう剛性を稼ぐ為に甲高です。


右は、面なし。5分のメチを刻む為の物。
光川さんの闘魂印鋸で一撃必殺でメチ幅を切り込み、その幅範囲内でメチを切り込む際とても良いです。傍が定規になるよう働き、よっぽどのことがない限り、横方向には流れにくくなってます。
メチ底はこれで一発で仕上がります。
メチ幅は鋸で一撃で以後触る必要はありません。
小鉋や、木成りのみでもう一度弄り回すのであれば、捗りませんし儲かりません。


同じ4分でも、まったく特性と使いどころが異なります。
目的は一本で刻みが完結できる鑿であること。一連の工程で道具を持ち替えたりすることも面倒だと思わせる鑿であればよいなと思います。


 宜しくお願いします



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2007年06月09日 Category :

 左寛治ではなく左勘次という鉋・・
左寛治の古いやつと聞きますが、良く分かりません。
その一の物と同じ物だとは思えないほどの生まれ変わりようです。


頭のまくれをなおして、裏すき直して木研仕上げ。
押さえも直していただきました。
あとは、裏だしして裏押しして、オイマサの台に包みで据えて頂きました。


今回の場合が一番お手間かかる修理だと思います。
思いっきりお買い得価格で、ここまでお直しできます。
ご自分で刃付けと裏だしされる場合ですと、更におやすくなります。
是非お問い合わせください。

台に関しまして、自分で使う物は、普通口で自分の割台ストックから打ちますが、色が灰色っぽいのもやピンクまだらの樫が多く見た目は芳しくありません。
お手入れされてない生えっぱなしの雑木林の樫で年輪の北側をなるべく使いますので、燃やしたくなるくらい硬く、掘る時には苦労しますが、以後ほとんど狂わず何ともいえない艶が出てくるので、繊維道理に割って木理に逆らわないようにすれば、非常に狂いにくくグレートです。
長く使うのであれば、割台北の年輪を強くお勧めいたします。


2007年06月02日 Category :

 チャーリーブラウンは、生まれたときに掛けられていた毛布を、大きくなっても手放さないでいます。
職人見習いホヤホヤボーイが苦労して手に入れた道具に対しても、同じようなことがいえるかもしれませんね。


かつて無名の鍛冶屋さんが、「せいぜい頑張り給え。」と柄なしの身のみで譲ってくださいました。見た目は安っぽい使い古した毛布と同じように見える道具です。しかしながら、私にとっては柄のつけ方や、突き方・叩き方を身に焼き付け、飯が食えるまで育ててくれた有難い道具です。
鑿は突くのみ・叩く鑿など色々な種類が必要ですので、とても揃える事は出来ません。
そこで、自分でいろいろ思案してなるべく一本の鑿で色々なところで使い回しが効くようにと寝食惜しんで考えるものです。
 


 叩く鑿一本でどこまでも突けますようにと願いをこめて、口金と柄と下がり輪が、材木にあたらないように、ひずみを取り直して、柄も作りました。
この鑿の柄は私がホヤホヤのときに頑張って据えた物です。
画像を見ていただきますと解りやすいのですが、穂を平面上に密着させて置いた場合、口金がスレスレで、下がり輪のところでなるべく隙間小さめにかわせているのが確認できます。
よって、これ一本で叩いて攻めることができ。更に突く時には、手が入る限りどこまでも突く事ができます。
柄は、二手で持って突けます様にと、6寸持たせてあります。
5寸と6寸では、このような理由で使いやすさに雲泥の差があります。
口金と材のなす隙間をご自分で記憶しておけば、真っ直ぐ一平面上に突く事ができているのか簡単に確認できます。
いうなれば、鉋の台が二線接地であることとなんら変わりありません。

軸のラインと、穂のラインと柄の芯が概ね平行になっておりますので、叩いても力が逃げにくく、突き易くなっております。ただし、地金を叩いて裏だしができない場合、刃先ばかり裏押しして、軸・穂・柄お互いの位置関係が大きくずれて来ますので、使い物にならなくなります。画像を見ながら想像して見てください、刃先ばかり下ろしていきますと、柄がしゃちほこの尻尾のように天を仰ぐようになります。(大げさな嘘です)
その点さえ留意いただけますと、勘が非常に伸びると思います。
私の場合、八分・九分・一寸4分を駆け出し鑿にしました。
一寸四分は八角の柄です。これは、例の追っかけ大栓継ぎ用の一寸角X尺の柄です。なんともおおちゃくさが滲み出ております。
全てを平行関係に近くしておけば、手カケヤでしばいてもメゲません。


 そのような経緯で、道具を多く買うことのできない駆け出しの方にお勧めということで、駆け出しのみです。 職人さんもこわばったプライドさえ持ち合わせていなければ、便利だと思います。
身が極上で忍耐する物であれば、叩いて突いての工程がこれ一本で完結できます。
鑿を持ち替える暇さえ与えてくれないという、仕事が捗る嬉しい鑿であることを意味します。
宜しくお願いします。



これは薄鋼神技 神治鑿の鋼入り方。砥ぎ・裏だし非常に楽。

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