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2007年07月31日 Category : 鋼材


この鉄純度100に可能な限り近くするため、電気流して、陰極に付いた物で、集めて砕いて何年も土嚢に入れて、鍛冶場に転がしてました。

湿気が良く上がってくるところなので、同じ場所にある他の鉄はまっかっかにさびてますが、これは不思議とあまり錆びてません。
かじっても、歯型付くほどやわらか!
純度が上がると、鉄はとても錆びにくくなります。
リン・硫黄は、鉄を脆くしてかつ錆びやすくさせ、何一つ良いことはありません。
炭素も鋼となる為には必須ですが、錆を呼び込む元素です。


表立って知られていませんが播州には、これをおろし金して、浸炭させ鋼としたり、このまま合体させて地金とするとんでもない職人さんもいらっしゃいます。
とんでもなくこだわっていても、「知ろうとしたり、理解できないやろうから別にわざわざ言うてもしかたないわ~」とのこと。
鉄と炭素だけの限りなく純粋な鋼材を求める方用にコッソリ置いてあるものです。
色々な材料があっておもしろいですね。

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2007年07月28日 Category : 砥石

 しゅんしゅんは、愛宕の南東のいわゆる当時正本山と呼ばれた、東物(梅が畑)地区の砥石で、採掘が始まった菖蒲谷を含む名門の山でお仕事する職人さんの用語で、敷き巣板の更に下に稀に現れる硫黄分を含む硬く、生地の詰まった巣板の事を指します。
八枚を超えた層にも、硫黄分に侵攻されたところもあります。
また、丹波の職人さんや、一般では煙硝と呼ばれますが、物自体は同じとお考え下さい。


 各お山に、煙硝(しゅんしゅん)は存在しますが、ないところもあります。
高島や八木以遠の山には少なく、大平山・大突などは多く出ます。
しゅんしゅんは、マンガン鉱脈間近のところに良く現れるとききます。
そもそも砥石とマンガンは、一筋程度挟んでセットで出るとも聞きます。


 先日の表の大平山の黒蓮華・黒紅葉の原石に面を付けました。
原石の状態で皮ケツから3-6mm程度は、金属片が多く混入していることが多く、とっても悪い砥石です。
上手にあけることが出来れば、内部は芸術的黒蓮華を呈することが多く、作ってうっっとり・見てうっとり・使ってうっとりできるかと思います。
石が育ってきた層どうりに巧く開ける事が出来なければ、使えません。
手間を非常に食います。
掘り方の職人さんも、「坑道の床を捲くらせるか?」と困ってました。
バールの入れどころというか、固着して手間で仕方ないとの事です。
今までは、採算を大きく割り込む使えない石として、嫌われておりました。


しか~し!本職の方に、良く使ってみたいといわれますが・・・
作った後の私のお手手ごらんください。

黒蓮華カスか何かこびりついて取れません。
こんなお手手で、木材に触れればバチが当たります。
料理人さんもむづかしいかと思います。食を提供する場で、温泉地の香りはまずかろうかとおもいます。


 硫黄分を除けば、非常に力があり良い石です。

もう一点、硫酸塩か不安定な亜硝酸塩を多く含むものもあり、これは結晶を側面に生成して、これらが成す内圧で、石を割ってしまうという恐ろしい石もあります。
梅が畑の石に多いようですが、一概には言えません。
結晶は、塩味とか苦い味がしたりします。
見た目が全く同じなので、後々中から膨れて割れるものなのか否か?予想付きません。
作った後に、石ちゃん(養生材)で側面を空気にも水にも触れないようにしておけば、安泰です。
手間と工夫を凝らせば、嫌われ者でも良い仕事をしてくれます。
よろしくお願いします。


皮ケツ。硫黄の粉吹いてます。粉を集めて燃やすと良く燃えます。
強烈過ぎる研磨力・生地積み・滑走感。力はとんでもないのです。
四十切れ取れますが、もったいないので切ることが出来ません。
弄り回して作るとこんな感じになってしばらく取れません。においもくっさいです。
研削・洗浄後の水盤は、黒蓮華分の黒に染まります。

2007年07月28日 Category : 砥石

良い石になればなるほど、層も明瞭になり、へき開性も出てまいります。
同時に、石の方向も出てまいります。
分かりやすくたとえるなら、板状の材木と同じです。


板をとる場合は、繊維にそって長さを取ることが当たり前です。
せんだん方向(直交)に取ると、すぐ折れます。
砥石でも同じこと。
横向きに取ることを横桟と呼び、良い石でこれをやると、真っ二つわれしやすく、研磨力が引き出せません。
良く観察してください。横桟の名門の山の砥石が世にあふれていることに驚くと思います。


奥殿の原石の採り方画像上げておきます。三十切れでどんどんとっていますが、長さをちょうどで切り上げれば、一本横向きにしてとることも可能です。
横桟を原則禁止として、石どりしますと二四長尺とかを取らざるをえません。
私が取った石には、出来型で格外に長かったり広かったりするのは、そのような理由も含まれています。横桟を廃して、取れる丁数はガックリ落ちますが、長尺が比較的手に入りやすくなります。安い横桟よりも少々お高い長尺をお選びください。
巣板は層が乱れている物が多く模様で横桟か否か見分けつきませんが、本山と呼ばれる山の整然たる層で作られた砥石で、長さに直交して模様や目が見られるものは、芳しくない物が多いかと思います。


ちょっとした砥石の生い立ちを知ることで、お財布を護る為のよき糧となれば、お伝えする価値があるというもの。よろしくお願いします。

2007年07月25日 Category : 砥石


幻の石、黒蓮華です。
原石状態ででました。
何と二枚で4.2Kgもあり、異常に重いです。
底にある敷き巣板の更に下を捲くると極稀に出ることがあります。
硫黄分を噛んでおり、東の梅が畑の採掘職人さんはしゅんしゅんとよび、丹波の職人さんは煙硝と呼びます。
更に稀に、黒い蓮華もしくは紅葉が見られることがあり、ここまで珍しい石は、殆どの方が見たことがないと思います。
お力もずば抜けており、カチカチ・生地こまやか・異常に大きな研磨力・滑走感。全て揃います。


 何処のお山か分かりますでしょうか?右の画像原石の皮がヒントです。

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2007年07月25日 Category : 砥石


あ~りえません!!これ全部砥石でこさえた石垣です。
奥殿の原石も庭の敷石や、垣根に使われたりします。
あるところには過剰にある。
それが天然砥石ミステリ~かもしれません。

2007年07月25日 Category : 砥石

 からすは、その昔忌み嫌われ、採掘されて原石として上げられても、山のずりばな(ゴミほかし穴)に放り込まれて埋葬されてました。


一般的には、本石の砥石層は、巣板に始まり巣板に終わります。


下が敷き巣板で、上は天井巣板と呼ばれ、近接するアイサという層のなかで稀にこういうものがでます。
黒い斑点がからすを指し、炭素分が含まれているといわれてます。黒は炭の黒な訳です。
2億年以上前に、プランクトンの甲殻質が積もって日本にプレート移動してくる間に、圧が掛かったり、加熱されたり、空気や水で酸化されたりしながら砥石になるといわれ、水平に積層していたものが、垂直に立ったり斜めの角度で立ったりと様々で、立ってしまうと右手が底の圧が掛かった層で左がそうでないのだとか、ぱっと見た目ではわからなくなってしまいます。
元掘り方の職人さんがおっしゃられるには、立っているほうがよい砥石が取れて、採掘もしよいということらしいです。
斜めになしている山の代表格は新田です。
新田はほぼ全て側面二方向に層がなしており、鏨で開くとばらばらになりますし、とっても手間を食う砥石で作り手泣かせです。そういった理由で、今までは良くずりばな行きでした。
ただし、層が二方向に完全に分かれているせいなのか、研磨力は他の追随を許しません。
謎多き砥石です。


 からすは、良く圧が掛かり締められていることが多く、作るのが大変ということでずりばないきだったようです。
硬いのが一般ですが、例外があって大平の内曇巣板のからすとか新田のあいさのからすは比較的柔らかです。
とにかく天然砥石は、一般論として傾向付けることはある程度できるものの、いろんなところでいろんな例外が出てきますので、作る側・使う側共に面白いところだとおもいます。


高島からす 


表大平山内曇からす(これはとっても柔らか)

2007年07月24日 Category : 砥石

砥石に茶色や濃い色の渦巻状の模様が幾重にも重なった模様を差し、木目にも火の玉にも見えます。あまりにも濃い色の物は触ることがありますが、概ね無害で見て楽しめるものです。
中山・菖蒲などに圧倒的に多く見られます。


これは中山。火の玉ボーイです。
 表大平山の80mm極厚戸前の貫通環巻。びっくり。
 中山環巻
 中山環巻
 レザー

2007年07月23日 Category : 砥石

これなんでしょう?


割れやすいいしです。
天然砥石です。
色により銘柄あります。
京都900年の歴史より長く、1200年の歴史を持つ凄まじい石です。
現在絶滅種。


正解の方に、また新田薄くて大きめな盤差し上げます。
検索エンジン使っちゃ反則!
次回お取引の際同コンということで、よろしくお願いします。

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2007年07月15日 Category :

 その壱で試作の鑿はその弐で、いい感じになりました。
これはお勧めできると思いましたがいくら私が、いい感じといっても面白くないので、わたしが使い倒したそのまんまの物を高価で、西のほうの職人さんに販売させていただきました。


「何とまぁ使い倒した鑿を売るなんて守銭奴みたいな野郎じゃ?」
と驚きになられると思います。鑿一本で儲けるということは、現実的で無いということは私も思います。
これには、他に狙いがあります。



  • 無料での試用は、どんな駄作でも気を遣い良かったと評価されるでしょうから却下。

  • 掛かった手間と材によって価格を取り決め、それでも欲しいとおっしゃる方に使っていただくほうが、より正確で率直な御意見をいただけること。
    それなりに支払った代価が発生しなければクレームや改善要望という物は、生まれようが無いということです。


狙いは、率直な感想とクレームを頂きたいという想いで、このような由によってそれなりの価格をつけさせていただきました。


 




 



お待ちすること約半月、頂いた感想は・・・


食いつき・切れ味・永切れ抜群だが、再研磨の時に両刃になっており、裏押しが砥石にかからない。ということでした。
戦った材は地松ですからかなりの強敵です。

  回答としまして・・・
使用中、刃先が白くなっているにもかかわらず、そこそこ切れるかと思います。
刃先に相当おおきな面がついてこないと、切れやんだことを実感しにくい物だと思います。
それで切れやんだと感じたころには、表とぎも比較的時間要し、かつ両刃になっており、掛からないのではないかと思います。
私の鑿も、白くなってから切れるからといって強引に使いますと両刃になる物が多いです。
また、かけにくい物は硬いものをおもいきりしばくと良く裏が変形します。
私は、裏を出し気味にして、裏全体が、刃先5厘以下で僅かに裏方向にこごむようにしたままで使ってます。
このようにしますと、しばきすぎて両刃になってきても、こごみ代の分一押しで裏の返りが取れます。
裏の刃先の五厘が異常に当たりますのでここだけ輝きが変わります。
何度か使ううちに、全体が平面になったらまた叩きます。
わたしも、切れるうちはしばきまわして刃先が過酷な環境になりますので、良く両刃になります。
手間を抑える為には、出し気味の裏出しで留めて置く事が、以後の何回かの刃付けがらくらくです。
僅かに出しておくと、食いつきよろしく慣れると嵌ります。
大袈裟な形が日本剃刀の裏とおかんがえください。定規の機能を損なわない程度に裏を出したまんま気味に。


私も裏が砥石に掛からないという自体を一番嫌いますので、実は人造使います。
シビアな刃あたり判定を逆に利用して、掛かるか否か診ています。
鏡面になりますので、裏の歪や両刃傾向など簡単に見つけることが出来ますので、裏に限り人造です。


ちょっと難癖ありますが、裏だしが柄と軸と穂の関係を維持していきますので、頑張ると結局後の手間を払うのと使いやすさを維持できますのでよろしくお願いします



と返しました。
柴野さんや五百蔵さんの鑿の熱処理は、まず欠けさせないというところが特徴です。
このような扱い方を知っておけば、最研磨に掛かる時間をとても短縮できます。
よろしくお願いします

 


 


 


 

2007年07月14日 Category : 砥石誂え

 天然砥石山が閉山の危機にさらされてから日は浅くはありません。
使い捨て文化が良くも悪くも、行き渡り刃物を研ぐという煩わしい作業がなくなりつつあることと、
均質で一様な品質である人造砥石が広く知られるようになってしまった為、多くのお手間と技術を要する天然砥石を商品として扱い、世に送り出すとこは、採算性を外れてしまったという一言に尽きると思います。

宝石や天然木と同じく一本一本違うから面白いし、刃あたりや研ぎ感覚などまだまだ人間の業では辿り着けない良いところがあると信じているかたが、天然砥石を使ってみようという原動力になっていると思います。

使う側のたとえば、職人さんの単価は芳しくないのでなかなか買いたいと思う砥石ではないと思うし、近年大きく裾野が広がりつつある業務用・実用ではなく趣味・一般で興味のある方にとっても、少々敷居の高い価格帯であることは、切に思います。

 では、石を作る側・提供する側が、如何に評価される石を廉価で!という命題に答える必要があります。良い石を多くの方が使ってみたいと思う価格帯でいかにして作成するかということです。
そうでなければ、両者共倒れでしょう。

百錬の職人さんの技能を盗み、現在の色々な道具をうまく使い、これらをうまく併せていかにしてお手間を短縮させるか?
これに尽きます。

梅が畑系の東の石には、針だらけとかガリガリ刃物を引っかく石が良く出てきます。
原石なりに、面をつけたり適当にやりますと、グレタ砥石が生まれたりするようです。
その多くは、砥石の弱点を鏨で打って面を開けることによって、原石から良い砥石をお迎えすることができると思います。
ここだけは、百錬の職人さんの技で、目を読めない場合木っ端微塵になります。
特に巣板は恐怖です・・
24ロングをレザーにしてしまっては、飯が食えません。
動画は石職人親方に頂いた三代で100年近く使ったという鏨で、原石から面をお迎えするところです。
私の大工道具なんかより今はずっと価値あるものに感じます。
本石(名門の石)はへき開性が明瞭で、ヒコウを巧く付けば竹を割るようにザックリ割れます。
良い石の多くは、ことわざと同じくして竹を割ったような爽やかな性質を持ちます。
天然砥石も宝石なんだ!と思っていただければ、愛も芽生えることかと思います。

 良い石であるほど、へき開を訪ね歩いて開けてあげると、良い研ぎ感のものが生まれると思いますので、手間が増えカサが減って、チョットつらいですが、ここだけは何百年前と変わらぬやり方が必要だと思います。
あとの工程は、今時のマシ~ンで徹底的に手間数を短縮します。
今時の技術者とお話し合い、電動工具についてもっと稟議改良を重ねなければなりません。
これを、頑張って継続することで、需要も落ち込ませないように出来るかな?と考えます。
結果、お山が生き残ればありがたいですね。

人類の歴史・文化が存在する以上、刃物もそれに必ずぶら下がっていると思います。
衣食住はもちろん、いつ・どこで・どんな?場合でも必ずぶら下がっていると思います。
戦争にも・・・

そう考えると全てを根っこから下支えする物の一つとして、砥石があるわけですから、頑張って作るのもわくわくできるかな?とおもいます。

 

奥殿の戸前お迎えしま~す

追記2008/02/03

勘敷山の原石。標本用に、形の悪いこれは極道際の浅黄のからす混や非常に美しい皮けつとスカッとまっすぐに成った色物の板を頂きました。

急所を突けば左上の浅黄は非常に美しく鏨で開きます。
ごくどう際は、そうの成り方が暴れているものが多いですが、これは気分爽快原石!
原石は、浅黄-からす-浅黄-からす-浅黄と成ってます。
上から二枚目と一枚目の間に金属を多く含む墨板(カーボンだらけの黒い全身からすのような板)の6mmくらいの板が挟まっているのが解かるかと思います。
ここは、どうしようもない板です。
標本にでもしたいと思います。
二枚目の表面に金属を多く含んだ墨板が薄く付いているのが見られます。
これは逆からすもようというべき黒地に白い斑点です。

何はともあれ、ここまで美しく鏨で開く板はなかなかありません。
素直で良い石です。
刃を当てるのがわくわくしますね!

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