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2007年08月31日 Category :

常三郎さん独自規格 造作用鉋!


大鉋では2寸が80mm、寸八が70mm、寸六が65mm という寸法規格です。

小鉋は48mmというところが一番大きいですが、大と小の中間的サイズの55mmと言う独自規格が造作用鉋です。

以前も何丁かお世話させていただきましたが、大鉋を扱う自信がない方とか女性の方や、現場うろうろする方に人気です。

造作材の仕上げでチョコチョコとやるときに便利そうです。


 





何と、五寿年の55ミリ!!明治UK製の橋梁錬鉄と初代のとても古い青紙一号鍛造古鋼

頭の槌目も五寿年。





左も特別刃物鋼の綿帽子55mmこの鋼も人気







寸六用の鉋刃用の箱に入れると若干小さいです。


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2007年08月31日 Category : 砥石


つい先日、17代山長である私の砥石の師より「雨漏りが・・」
ということで、梅が畑に行き、床下から出てきた束石は大突の巨大原石でした。。。
ほうきの先が載ってるほうが大突。目の保養になりました。
この辺りでは、石垣の中に斜めに直っているという今ではわがままな理由でポイした原石が沢山刺さってます。時代変わればムチャクチャなものです。


Mastersohzuku.jpg image by mifuqwai


一緒に市内へお出かけした際に、中山より南の鳴滝は、露頭したツルが多くそのため風が入り柔らかいのが多いと聞き、少し回り道したらアリマシタ!!
巾6-8mくらいのツルの帯です。


narutakimine.jpg image by mifuqwai


小高いお山の鳴滝は、今では墓と高級住宅がひしめき合っておりますが、ふとしたところに露頭してます。
勝手に掘ったり立ち入ると即お縄です。スケベ心は禁物です。
師曰く、ここと菖蒲・大突が一番京都の砥石で歴史が深いものとして知られ、鳴滝と大突の中に挟まれた位置に間府を設けたということで”中山”といわれるようになり、後輩の間府であるということが分かります。


中山とは地名でなく、職人さんたちの間の呼称から端を発したということになります。奥殿は江戸に入ってからの間府で師の家系の方が採掘されておりました。中山の北で大突のすぐ南にあるので、広義には中山といえるかもしれませんね!


中山は、山の尾根がせり出して延びてきたその斜面に沿って三種の高さで間府が開いており、尾根とほぼ平行に掘り進み、一発当たり300m以上掘ったと聞きます。地形状の立地のよさも重なり大どれし、間府により色々でますので、種もいろいろあって飽きない不動の人気を勝ち取ったものだと思います。


昭和までの人は、マツタケ狩りに出かける際にセットウと矢も提げて出かけたと聞きます。
露頭したツルがあれば、叩いて感触を確かめるために。
秋の梅が畑の宝探しは、とってもわくわくできたのでしょうね。
秋が待ち遠しいです。


<無断転載かんべんしてね>
 


 


 

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2007年08月31日 Category : 包丁

 

shratakaajikiri80mm2.jpg image by mifuqwaishratakaajikiri80mm1.jpg image by mifuqwai
東大寺の下り棟の古鉄から誂えました鯵きり包丁!


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土佐派の黒打ち!五寸五分三徳包丁。
ここで注目していただきたいことは、伊予砥で仕上げたなりの地と刃です。
条痕が良く目立ち、キング1000番より荒っぽい肌に見えます。
勿論、仕上げ砥石による刃引きも行っておらず、伊予砥で終了!!!
刃先の歪み取りサボって偏りが出たので没。「あんたにやるわ~」といただいてきましたが研磨で修正出来そうです。厳しいです。


包丁の仕上げ砥石に関して、最近では硬いものや生地の細かいものを探そうと躍起のようですが、真髄は白鷹先生が知っていると思いました。
道具は使うことにより結果として分け隔て、偽りなく明確に現れます。私は、その結果を五感を持って感じ、思いにふけるものです。


荒と中砥に属するガサガサ伊予砥仕上げで切れるものか?とお考えがちですが、結果が証明してくれます。
月曜朝刊20枚の物を二つ折りにして実際40枚物を丸め切り込みます。
ご覧下さい。トリックではありません。
これが村の一野鍛冶に端を発し、西岡棟梁が背中を突いたことで鉄へ生涯を賭して行く決心を得た先生が、月並みの生活の中で村の人の為にと誂えていた作品。多くの代価を支払い続けた職人様の手から生まれ出でるものは、やはりただものではございません。


お話しする中、熱処理や鍛造に関して、昔ながらではあるけどしかし、手抜き妥協は一切なくすごい物だと思っていましたがそれだけではなく、遥か北の方にいらっしゃる刃物と鉄に魅せられた白鷹ファンである先生が、「切れる形を知り尽くした鍛冶で、日本ではおそらく最後でしょう。だから包丁は一番切れる!」とのこと。
初めは何をおっしゃっているのやら全く分かりませんでしたが、おそらくは姿をはじめ、重心配分や断面のウエッジ形状の妙技というか均衡性といった感じのものを知り尽くし、それを我が槌を振るう鍛造という表現方法一本で成し遂げてしまうということなのでしょうか??


私は、「極軟に青二号を沸かして割り込ませた物と白鷹先生に聞いたのですが、異常に切れますよ??更に伊予砥だけ仕上げで刃引きなしって、不思議でなりません」と思ったままの感想を述べさせていただきました。どうやら、鋼種・鋼材に固執するのではなくて、”形”を知っている鍛冶屋がはたけば切れるということでしょうか?
たとえば鋼材各種の特性に頼る、物に対する知識で刃物を生み出すのではなく、もっと物づくりの根っこにある職人さんの内なるものに住まう、知恵とか手先に残る勘や経験を積み体に染み付いたものが、切れる”形”を生み育むことが出来るのではないでしょうか?


正直、お仕事で鑿鋸鉋色々使わせていただき沢山感動させていただきましたが、この歳になって包丁の切れ味で、一番チビルほど驚かされるとは夢にも思いませんでした。
包丁は有り触れ過ぎた量産の道具だ、と思っていた自分が恥ずかしい想いです。

例の材料は私の手元に置いたままなので、次回伊予に帰った時に先生にお渡してOKなら、面白くなりそうですね。
気長にお待ちください。



あり得ません!でも40枚物丸めたもの切ってます。



チラシ切りもサクサク!
 


shirataka165mm1.jpg image by mifuqwai撮影後です。一瞬でこうなっちゃいます。


ところで・・・


山涌さんのV金2号の土佐風菜切りでも、ムチャクチャ切れますが先生の場合と比較するには気の毒です。
 



地金も美しく曇り、刃引きも特に非常にこまやかな生地のもので仕上げています。
元鋼材を約半分まで延ばしているようなので、かなり気合入ってます。


IMG_1870.jpg image by mifuqwaiIMG_1872.jpg image by mifuqwai


IMG_1874.jpg image by mifuqwaiIMG_1873.jpg image by mifuqwai


たまげてください。 よろしくお願いします。

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2007年08月30日 Category :

実は去年の今頃から関東の刀鍛冶の先生の提供された玉鋼を鑿鍛冶田斎さんが付けを行い、鉋にしましょうというお話が持ち上がり、一丁試しに打って頂きました。待つ事しばらく今年の初めに出来上がり、私のほうも砥石の師匠様に習うこと必死で大工仕事も、あまりせずひたすら石の切り込みとたがねの打ち方を学習していた為今まで放置しており、お二方には何と申し開きすればよいのやら・・・です。


いい加減、あいまいに隠さず公開せよと苦言を受けここに載せておきます。
仕事の時試してみるわといっておきながら放置で、奈良におわす職人仲間との打ち合わせでは、来月あたりから奈良のお寺新築関係の大工仕事で虹梁刻み・彫刻か7m超破風・ウラゴ、斗供攻めのどれかか複数をする事になるかともいます。
やっぱり当分実験で本格的に使う機会がなさそうです。やるとすれば破風・裏ゴウでも削るくらいでしょうか?
ホント適当な奴です。


手で鋤いていると見うけられ美しいです!!研ぎ方を見てもスペシャルなお手間がかけられているな?とおもいます。
綿帽子で矢作模様?というのですか?綺麗です。
裏の字体をどのような道具で刻んだ物なのか気になります。
比較的身が薄いので、硬く据えると歪が出て量端だけ出代が大きいということになりそうです。
ケヤキなどの硬木用にギチギチにして据えるのには不向きかとおもわれます。





お試ししてみたい人は、お伝えください。
今のところ私も使ってないので分かりません。
機会があれば使わせていただきます。
よろしくお願いします

2007年08月25日 Category : 鋼材

昭和40年代半ばに、西岡棟梁と出会い、近世以降に飛鳥の頃の鉋である槍鉋を初めて誂えたのが、白鷹先生です。
竹中道具博物館に玉鋼のケッペンをおろし金してチョウナを誂え、数セット納品もしております。
和釘の復元もお二人で御尽力して、大工は1000年持つ建物を追い、鍛冶は1000年持つ釘を追いました。

よく、宮大工さんは釘を一本も使わんと言われますが、あれはデマカセ。
特に垂木を桁に止めるのには釘使います。
時代変遷による釘の意匠等多くを研究されており、お二人の出会いがなければ、歴史あるものを維持して伝えたいという試みも潰えてしまっていたのかもしれません。
良い木と鉄は建物にとって両輪であって欠かすことの出来ぬもの。
日本の鉄は踏鞴(たたら)で作られ、量産は難しかったですが、非常に純度の高い鉄が取れました。
現代製鉄では、高炉でコークス使い高温大量生産可能ですが、コークス自身の硫黄分等が鉄に含まれ朽ちやすい鉄になり、現代鉄での釘つくりは現実的ではありませんでした。
しかし、二軒造りの建物で垂木を止める釘は莫大な本数が必要です。
材を失われた技術である踏鞴で用意すれば御破産。
木材は、当時台湾のヒノキが流行っており、鉄だけは失われた方法の素材を追いますのでいきなり頓挫かと思われましたが、各方面のお力添えと採算性を度外視した企業努力により、純度の高い鉄の復元にも成功しました。

 


 後、薬師寺や平城旧跡復元工事 他色々な建物の釘を誂えられ、私も平城京で来る日も来る日も垂木打ちをさせていただいたことがありました。厳重に保護されている建物でお仕事させていただく際には、創建当時の釘の意匠を加味してその都度違った釘が出てきますし、よくよく釘の鍛冶職のことをお聞きしますので、業界では有名な方です。


落としたり亡くしたりしたら、先輩や親方にドエライ怒られ、当時は「こんな黒くて四角いボコボコした釘がどうしてそんな値段するんやろか?ていうか、怒りすぎだ!君たち?」と不思議でしたが、最近少し分かる気もします。
貴金属の価値はいつの世もゆるぎないものです。鉄の中にも貴金属に属するといっても過言ではないものもあるのかな?と考えさせられたりします。少なくとも、NKKHインゴットの中には多くの方のガッツと情熱が詰まっているとお思います。


3.jpg various generation of nails with Jpn history image by mifuqwai2.jpg image by mifuqwai5.jpg image by mifuqwai4.jpg image by mifuqwai6.jpg The composition list form NKKH in Jpn image by mifuqwai
大きくて読みやすいもの欲しい方は、御連絡ください。


IMG_1843.jpg image by mifuqwaiIMG_1837.jpg image by mifuqwaiIMG_1840-1.jpg image by mifuqwai


腐食試験用の釘でした。見事な巻き頭と均等に打ち込まれた槌目。

 先生は仙人のように飄々のほほんとしていて、ごく普通の伊予の村の鍛冶屋に見えます。現に、遊びに行っている際、村のお母さんが、包丁を求めに訪れてこられました。
偉業を成しえた鍛冶屋さんには見えません。”能ある白鷹は・・・・”という諺がしっくりだとおもいます。
よーくみると何本かは玉鋼を下ろして誂えた何とも美しい模様の出た包丁もあるではないですか!恐るべしです!
他に、東大寺の下り棟の補強材の鉄から誂えた鯵引き包丁とか、お土産に頂いてきました。
恐るべし村の鍛冶屋です。


エヒメール


フジサンケイ


中央大

2007年08月25日 Category : 玄翁

 わたしは、当然スケベ心と、遊び心は持余しております。
何故か???何に使うのか??女性の方が、玄翁をよくおもとめになります。
赤樫の良い柄の材料も提供させていただいておりますが、「出来ないから、い・れ・て175」といわれりゃ嫌とは言えません。「では(二人の共同作業ということで)八角と持ちよいようにダイヤモンド断面挽きで挽き肌そのままでお届けしますから、あとはペーパーとか豆反り鉋で仕上げてくださいね。」と私は返して誂えました。
私も、曲者です。まともには聞き入れません。
どうか贔屓だとかは、いわないでください。
クソ暑い中、ぼけ~っとしながら、手持ちの帯鋸日立工機 CB65Fでザックリ誂えている時に閃いてしまいました。
誂える時に柄のケツを少しだけ工夫して、あとは画像ご覧下さい。


前ログ撤回!これでよりよく失敗率をどちら様でも、簡単・確実に下げることが出来ます。
今まで良いと思ってきた方法より、も一つよろしいです。
見たり聞いたりすれば他愛のないことでも、実際思いついて辿り着くのとでは掛かる時間と、費やす代価は全く違うものです。
どうしてこんな簡単で確実な方法が今更になってやっと思いついたのかと思うと、自分の馬鹿さ加減にホトホト愛想尽きます。


スケベ心と付き合ってきて、今回は感謝すべきなんでしょうが、少し複雑な心境です。
下の画像と玄翁の過去ログを一通りお読みになれば「あ~~今更?」とおもうはず、画像の意味が分からない場合は御連絡ください。
特に右の二枚はすばらしい!モザイクかけたいくらいです。
よろしくお願いします。


DVC00008.jpg image by mifuqwaiDVC00007.jpg image by mifuqwaiDVC00005.jpg image by mifuqwaiDVC00006.jpg image by mifuqwai

2007年08月23日 Category : 大工仕事

DVC00004.jpg Hitachi G10ML image by mifuqwaiDVC00003.jpg Hitach G10ML image by mifuqwai
ベアリングの玉がとびだしてます!
シール類は砕け散ってます。ベアリング・ピニオン・リングギア交換で復活です。
音がおかしくなったら即休息させて、お直ししましょう。

 なかおか、西岡棟梁の孫弟子にあたる奈良の小さい一人親方の個人経営の社寺建築屋さんで、お仕事を習いましたので、何でもトライさせていただきました。瓦屋さんお手元でアイバとか漆喰練・運びとか唐草と唐草の間のスズメ口つめるような左官の手元もさせていただきました。
色々な職種の職人さんの手元で頑張りますので、風当たりがきつく辛かったですが、今ではいい思い出です。

これは、瓦屋さんで瓦の切断とか、アイバ(本葺のマルが競って当たるところをひかって削る)仕事をやってみよということで、嬉しくて当時一番新しかったサンダーの型を買いました。
低速高トルク型アルミボディー二重射出成形で何故か二重絶縁なのです。
PDH100という重い超高耐久のモデル並みによく忍耐してくれました。
瓦屋さんでサンダー捌きを覚えさせていただき、砥石を造るにあたりとても手間が短縮できるということに気づき、人気のカチカチの石でもバンバン加工することが出来ます。
これにどのような武器を嵌めて、どう使うかは企業秘密です。
暑くなってから大工仕事は全くしてませんので、今年最も使った電動工具だといえるでしょう。
とにかくこき使いました。
日立工機のモートルは世界一といわれただけあります。
しかし、新品のベアリングは概ねマレーシア製!!
ここからよく壊れます。
アーマーチュア等は、さすが無敵を感じるだけにベアリングのメゲル早さが気になるところです。
最近のモデルのものはベアリングから飛んでいきます。殆どの方が焼いて壊すまるのこを私は1月でベアリングの玉を飛ばしたことがあります。
それで、純正部品で新しくベアリング頼むと日本製が来ます。ふざけるな日立工機といいたいところです。
まるのこや電気鉋はプーラーという今では廉価な特殊工具があればベアリングがはずれ直ります。
サンダーはミニ四駆より簡単で、ドライバーと10mmのレンチのみで全てが完全制覇出来ます。
日本製に変えれば、以後何年も使えると思います。ベアリングでわざと壊れるようにしているのか?非常に疑わしいです。

 よい電動工具をあっと思うような使い方をすれば、非常に手間を減らせ幸せです。
私は、砥石とか手道具なぞより電動工具には相当凝ってます。
電動工具の質問を受けるほうが好きです。
日立工機の方派の方が砥石好きに多いような気もします。
皆様はどこ派でしょうか?
私は80%日立工機派とおもいます。
よろしくお願いします。
2007年08月23日 Category :


納期大きく遅れましたが、50yrs+スウェーデンアッサブK120古鋼付けのドン亀印の追入れ鑿が出来上がりました。
母材鉄の純度も高く、炭素量も1.2%辺りのかなりのハイカーボン!!
白二は1.0%あたりです・・
このK120は半世紀近く古いものでのロットで、この鋼に関して最も詳しいであろう伊予鍛冶白鷹先生に私が帰った際にお伺いしたところ・・・

焼入れ特性は素晴らしくとても良く入るが、不安定な残留オーステナイト / (wiki)が全体に散らばり硬いマルテンサイトの組織へと時効硬化する傾向が大きく、比較的短期間でより硬くなり、同時に鋼自体の体積も縮みますので、鋼が露出している側へこごんできます。他の鋼材と違い、びっくりするほどよくこごみますので、サブゼロ処理(浸冷処理)などの工程を増やしてあげることで焼戻し前にマルテンサイトをできるだけ稼いでから、安定化させることが出来、手間をかけた以上にすばらしいものができるとの事です。先に焼戻しをすると残留オーステナイトが安定化してしまい、後のサブゼロ処理でもマルテンサイトになりにくくなってしまいます。
脳みそが燃えてしまいそうな難しいげなこと?とおもいましたが、鉄の鋼の組織としてマルテンさんの占める確率が高くかつ、安定させていればナイス!ということとして理解しておけばよいのでしょうか??

 鋼側にこごんできますと、槌で歪みをとることができません。鋼は引張りには滅法弱く割れてしまうのです!地金側の歪みは容易に直せます。
鋼側に歪んでくるのは、鋼の強さをいうなら良い傾向かもしれませんが、刃物として使うにはチョット困ります。多少なら裏押しを加減するなどで解決できますが、限界という物があると思います。
何故だか?どうしてだか??首都圏の今は亡き超有名な鍛冶屋さんが大昔にこの鋼で誂えた小刀がありましたが、
先生にやりと微笑み曰く、「ほれ、これが時効硬化じゃ。まるぅ歪んでしもうていかまいが?試作で送ってきよったけんど、こいつが暴れることをやりはじめのころは知らんかったのよぉ。」とのこと。
飄々のほほんとしていますが先生には、いつも度肝抜かれます。。

 実は何本か、あり得ない歪が出て柴野さんにやり直しをお願いしたことがあるのですが、これで謎が解けました。「考えられへん歪みで、柴野さん適当でやっとるのかいな?」とおもったこともありましたが、手元に届いてから大暴れしたということがもっとも考えられる原因であろうかとおもいます。
このことをお伝えして、
全てはサブゼロのためスーパーマーケットに走って頂き、頑張っていただきました!今は手軽に冷材が手にはいるよき時代ですね。

出来上がるのはいつも遅いドン亀です。しかし、とうとうサブゼロまで辿り着き更に良い物へと進化したと思います。白鷹先生のよき助言と柴野さんのガッツに感謝です。
よろしくお願いします。

2007年08月23日 Category : 砥石

盆が過ぎたというのにあっついですね!
私は、伊予に帰って掘って捲くってはつって裁断してと、疲労困憊です。
模様も硬さも生地も実に色々あって面白いですが、どうやって紹介していけば良いのか迷います。参考になれば幸いです。



1Kg+縞伊予砥
良く食いつき若干柔目から普通が多く、条痕目立ちます。
#600-800程度かな?とおもいます。



1Kg+蓮華伊予砥
もっと激しく美しいものもあります。柔めから以外に粗く硬めが多い?
#600-1000くらいでしょうか?生地に巾がありますが、縞とあまり変わりないかもです。



1.5Kg+白星桃色混伊予砥
柔らかめで、地金が良く食いついている感じがして最も好印象な石だったと思います。
たまにカチカチがでますので、つらいです。
研磨力も優れ、モチムチした研ぎ感も独特で私は好きです。
生地も細かで、条痕も浅そうです。
#1000-1200くらいでしょうか?



1.5Kg+縞伊予砥
加水でぱっと発色します。
これは柔らかめで、生地も粗めでザックリ下ろしてくれそうです。



1.5Kg+錆伊予砥
硬くて生地も粗め。名倉として硬い石の砥面を荒らして整えるのには最も向くかと思います。
刃物をじかに当てるには、硬くて不快に思う方とストライク!と思う方とに大きく分かれそうです。


あと桃色蓮華・黒・シダ這い・煙硝しゅんしゅん・環巻・黒星 等々僅かにでます。
伊予の山主さまと白鷹先生にお渡ししたので、今はつぶての名倉サイズしかありません。
後日御報告します。よろしくおねがいします。

2007年08月21日 Category : 砥石

最も良く市場で見かける砥石は、何と言っても高島だと思います。良くこれに正本山と判子突かれているのを見かけます。
正本山=最高級の石として名を馳せているのですが、高島もそれに乗じることが出来るよさがあるということになります。
歴史背景も加味し正本山の相応しい定義は、やはり梅が畑地区である中山・奥殿・大突・菖蒲の石を指すべきだと思うのですが。最近では石なら何でも正本山です。
高島がそれに乗ずることが出来るほどのよさというのは、誰にでも扱いやすいというところだと思います。
人口の半分である女性の方に一番喜ばれる砥石でもあります。
柔らかめで、研磨力もあり、刃当たりの判定範囲がとても広く、点接触や線状接触で砥がねばならない包丁などには特に喜ばれます。
もう一点、層の成り方が非常に明瞭に出ております。
鏨を入れると、綺麗に面が出てきます。ヘキ開性は正本山の石以上に明瞭で、また整然とした板状に成った石は紛れも無い正本山の石の条件の一つです。
ここだけに着目するのであれば、正本山を超える石かもしれません。

勝負が早いので、料理人・大工など各本職の方にやはり一定の高い評価を得ているものだと思います。これで刃をつけて、最後に梅が畑の硬くて生地の詰まったとっておきに乗せるというのが定石であるといっても過言ではありません。
仕上げに取り掛かる上で、いかなる仕上げ方を目指そうとも、高島の柔らかめの物には出番があるといえます。
動画をご覧になれば確認できますとおり、大平の柔らかめと少し異なる曇り方を見せます。
イヤラシイ曇り方という表現が最もあてはまると思います。
そこが退屈さを呼び、この石は絶対一本は欲しいけれども、これだけでは満足できないかと思います。
10年以上共にした奥さんの様な石という表現がぴったりで、浮気の野望がメラメラ燃えてきます。
ないと困るけど、あれば飽きて他をあたりたくなる。そんな石です。天然砥石で初めての一本として選ぶのでしたら、高島はとてもお勧めできます。
中岡が、ヘキ開性と柔らかさをふんだんに活用して、出来高を沢山揚げる事が出来ますので非常に価格を勉強させていただくことが出来ます。よろしくお願いします。


天井巣板



 高島天井巣板は、極軟質でよく下ろします。水持ちもよろしく、その分戸前一般より好感触。

中砥の傷の癒えが早く、砥幕厚く粘りありますので、刃当たりの判定範囲が広くご覧のような役物刃物の繋ぎおよび仕上げとして、非常に重宝できるものとして考えております。


takashima_sharpening2.jpg image by mifuqwai


キング#1,000からチョイチョイ研いだもの。

かんたんにこの程度まで癒えてきます。




takashima_sharpening3.jpg image by mifuqwai


1分くらい力抜いて、砥幕の上で滑走させるように研ぎこむと、生地が砕けより細やかに美しく仕上がってきます。

プロフェッショナルの刀剣研ぎ師様にお試しいただいております。

どの程度の段階でお役に立てるものなのか楽しみですね。




takashima_sharpening1.flv takashima_sharpening_tenjyousuita video by mifuqwai


出丸の研ぎこみでは、平面の砥石に対して刃を回転させながら研ぐだけで、じきに良い当たりが付いてきます。

この研ぎには少々技術を要するところですが、使いごたえと応用範囲の広さをも兼ね、存分にそれを引き出す楽しみもあるというもの。


深層高島巣板


 山の下のほうから出る敷き巣板。

銀灰色からオレンジ色系統等含水で美しく発色するもの多く、皮けつも東の石に似るもの多く、層の積み方も整然たる物が有り、ス無しの巣板が基本。

かためながら、どうがんばても地金を引きませんので、人気の原動力としての多くを担います。


硬めで生地が非常に一手で揃い、研削力・滑走感良好と三位一体で評価高く、高島の花形。

東の取って置きの石の一つ前に挟み込む使い方が最も多いようですが、これ単体でも切れ味は良く引き出せます。

極稀に、烈硬・烈細もでます。

裁断する鋸は火を噴き、全てに於いて鏡面世界となるほどの生地の細やかなものも誂えたことがあります。




takashima_sharpening.flv takashima_sharpening_honsuitashikisuita video by mifuqwai


深層の中でも、中硬クラスかと思います。

蓮華の種のような赤い針も確認できます。これは無害。


 


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2007年08月21日 Category : 砥石

 取敢えず、原石を挽いてみました。
原石が柱状に出ますので、そのままでは鋸が届かず泣けます。
鋸歯がとても早く切れ止むので、逆に砥石としてはいいかんじかもしれません。
四半世紀以上昔に伊予中岡氏が採取した物は、赤星・黒星・藍星・白星という銘柄の物で知られましたが、今回のツルではなかなか出ません。
一番人気の白星といわれる純白物が辛うじて出るくらいです。
その代わり、硫化鉄を孕み淡い青色から黒い物とか、桃色が入ってとても綺麗な物や、シダが這ったあとのような模様の物が出ることがあって、面白いです。
奥の門蓮華巣板そっくりの顔ぶれの物のまで産し、多彩の一言に尽きます。
硬さ・生地等の組み合わせも沢山あります。
一応上から生地の細やかな順に並べてみました。
よろしくお願いします。

純白の伊予砥は、生地がかなり細やかな物が多く、比較的柔らかめで良い研ぎ感です。
今回は1500番以上の生地と思います。なかなか真っ白な原石はありません。

 
白に蓮華のような模様が咲いている物は、少し硬めで生地も荒くなってます。
1000番切ると思います。

 
縞伊予砥は、研ぐ面により良く硬さが変わると思います。加水で、見事に発色します。側面を濡らす所をご確認ください。生地は粗めです。


大きい1.5Kg超えの伊予砥。これも比較的柔らかめです。生地は600~800番だと思います。


 

2007年08月12日 Category : 砥石

伊予砥は愛媛県で産する砥石で、日本最古の砥石として知られています。
京都の仕上砥石が、鎌倉時代より菖蒲谷から始まり約800年で、私の恩師17代山本氏が間府を引き継ぎ700年程で、伊予砥ははるかに古く飛鳥時代の大仏建立にまつわる文献として残された東大寺文書にすでに登場しておりますので1300年近い歴史を持つこととなります。


 しかし、昭和後期には伊予中岡氏を最後に採掘が途絶えてしまいました。
伊予中岡氏の採掘した砥石は、和釘の復元と調査に尽力され、ご自身が鍛冶職として文化財復元の為の和釘製作の第一任者としてあまりにも著名な、松山の白鷹先生が数丁所蔵され、彼自身の作品の刃付けにも愛用しております。
白鷹先生も地元の伊予砥にはことのほか思い入れがあり、私の伊予砥の間府(坑口)や良いツルを見つけもう一度世に復活させたいという思いに賛同していただき、何点か原石を収めさせていただきました。
実は富士鳩中岡は伊予の出なので盆に帰省した際、現当山山主の方にお願いして、採取してきました。


伊予砥の間府辺りには、日本の地質百選に選ばれる中央構造線でもある天然記念物、砥部衝上断層を擁し、原石も柱状節理を成しこれが採掘コストの高騰を招いたのだろうと容易に考えられます。


DVC00013.jpg chuujyousetsuri image by mifuqwai DVC00014.jpg chuujyousetsuri image by mifuqwai
これが現在露天で掘った伊予砥の原石。旧間府の200mくらいお隣のところになります。
柱状節理のお手本です。つる(鉱脈)が柱状で並び、さいころのような感じで積み上がってます。
こんな物重くてもてません!仕上げ砥石のように板でないもので、掘るのも大変。
見る楽しみはあれど、掘るのはやりたくありません。


DVC00011.jpg image by mifuqwai(全景) DVC00012.jpg image by mifuqwai(右下部露頭)
分かりにくいのですが、はるか山頂近くに崩れた間府があります。こちらにもつるがむき出しでありますので、いくつか採取しました。


DVC00016.jpg image by mifuqwai
礫岩(丸い花崗岩のような石)の埋め込まれた層も出て来ます。色々入り乱れ。


DVC00017.jpg mabu2 image by mifuqwai
これも旧間府!!


DVC00018.jpg image by mifuqwai DVC00019.jpg image by mifuqwai
岩をも砕く松の根の力!!露頭した鉱脈の先端に松が陣取っているのです。
花崗岩でもジャンジャン砕きますので、お手の物なのでしょうね。


oo仕上げ砥石は概ね、粘板岩に属し、伊予砥・備水・大村・若狭等、荒~中砥は砂岩に属します。

2007年08月02日 Category : 砥石

右のものはほかします!
上の画像のように三角なウエッジ断面に割れる物は、層が斜めに直っているもの。
層のとうりに割れて、これが本来の砥石面になります。
従わねば、地を挽いたり、硬いだけで下りない石になります。
薄くなるので、やすぽくなるので複雑ですが、背に腹はかえられません。
二寸あった厚さが、一寸になります。ガックリ!
納品物で、厚くといわれますのでつらいです。
まるのこで挽いてしまうと、層の直り方が見えないので買い手は博打打たねばなりません。
妙に厚い物はいい額面ですが、こういう危ない作り方もあるということも知っておいてください。


これは、厚さ一寸八分ある原石。
三ロングがとれました。
原石の状態で綺麗に直っている物は稀。
このまま裁断が出来て幸せです!

2007年08月02日 Category :

Shinharu 鑿


一般

おそらく唯一 ローモル鉄99.99・・・%以上の超高純度の鉄を地金として採用していた鑿鍛冶で、
体調芳しくなくしばらく休業した折、彼の鑿を扱う小売店が代用の鑿としたとたん、売り上げがぴたっと止まってしまったと言われる恐怖の曰く付き鑿の秘密を暴きます。殆どの地金は極軟鉄で0.3%カーボン入ってます。
参考までにインゴットになる前の純度の高い鉄のペレットをご覧下さい。



  1. まち・中子
    左から二番目ご覧下さい。新品ののみを抜いてみてください。
    柄側と軸側良く観察してください。
    完全に平面と平面で一致できるよう成形に予断ありません。
    軸側の中子とまちをやすりでみっちり仕上げて柄からの打撃を完全に伝わるよう、手間をかけております。
    口金側も、樫材がツライチ迄競ってますので、面と面で力の受け渡しが出来ます。
    鑿鍛冶・柄屋さんともにとても手間が掛かる反面、出来てしまえば、どこで手間をかけたのか?分かるわけがありません。
    「良く分からんけどこの鑿は良く効いて楽じゃ!」という鑿の種明かしはまさしくこれ。
    まち・中子が完全に巧くできた鑿を持っている大工さんなら、叩いた時に分かってしまうはずです。
    はっきり言って、全く違います。音からして違います。刃の切れ味と勘違いしがちですが、力が100%刃先にお届けできるだけのことです。
    たったそれだけのことですが、一日中のみを扱う方にとっては、これを知ってしまうと、見えるところの仕上げ方がどうのこうのだとか気にならなくなるくらい重要で、以後の仕事の能率に大きく関わってくる事に気づくはずです。
    打撃も半分、疲労感も半分で済むのですから否が応でもそう思うはずです。

     下段、左は、軸側はそこそこ美しく面付いてます。右は、まぁこんな物です。
    ここを見れば、職人さんがどのような思いでしごとされていらっしゃるのか覗けちゃいます。正直私が鑿鍛冶であればこんなことは書けません。「裸を見てくれ!」といっているような物ですから。
    柄側は、詰め物はOKです。口金がせり出し、空洞が大きいのは何故でしょう??
    鑿鍛冶さんが、中子と待ちの境界をピッチリ明瞭に仕上げていないから、ここの隙間が逃げのスペースになるのです。樫が競っていたら、柄と軸に隙間開いたままになってしまい、仕事になりません。
    がっかりしてはいけません。既製品の鑿の柄は皆こうなってます。
    こうするとすごく仕事が早く片付きますから。
    これが標準の仕事です。みんなが安く買い叩いて、職人さんを食えなくしているのもこの由の一端。職人さんを責めてはいけません。
    これでもまだ良いほうだとお考え下さい。
     口金を輸入品の薄い薄いもので誂えている物があります。
    この手ですり合わせなどされると、更に薄くなりどうにもなりません。
    口金が、軸に食い込んでいるのは大方こういう仕事が原因です。
    安いからといって飛びつくと火傷します。このようなリスクがあるということをしって置いてください。
    日本の口金は、1mm厚あると思って結構です。
    よっぽど形の悪い軸でない限り、ペナペナ口金にはなりません。

     +αの使う側にとって見れば当たり前の仕事を、時代遅れながら、見えないところでもみっちりやることで手間がすごく掛かり儲けのことは諦めなければなりません。
    しかし、本当に良いのみを誂えるにあたり、これは必ずやっておきたい仕事で、
    引退を考えている高齢の職人さんで良い物を遺して行きたいという思いの方しかやっていないと思います。
    現にいろいろなブランド品の裸を覗き見しましたが、美しさはよくよく引き出せているものの、力を引き出す努力は二の次だな?といった感想です。
    播州でこれを頑張ってらっしゃる方は、とても片手に足りません。
    採算性を考えれば仕方がないこと。

  2. 薄鋼を入れたい思い。
    広い巾・広い面積・薄い鋼で白紙炭素鋼を焼きいれ出来る鍛冶屋さんは一握り。
    良く雲が入るといった現象や割れたりします。
    青紙は熱処理性が向上しており、広い物では白紙採用に驚くべきです。
    これは過去ログ参照。

  3. 病み付きの刃付け速度。
    過去ログにありますとおり、行って帰ってあの研ぎ汁です。
    +薄鋼で更に下ります。
    刃付けが異常に早く仕事に復帰できる時間と休憩時間が増えます。
    使えば使うほど儲かるのみです。


時間も要し、沢山は出来ませんがよろしくお願いします


 

2007年08月02日 Category : 鋼材


はい、先生いつもお世話になります。
五百蔵さんのところには色々なものが集まります。
これでよろしいでしょうか?
御確認ください。


これは、京都の古いお寺の修理の際に出てきた現代で言う片引きボルト。
大きな木造建築物の軒先の垂木の下端に、乳みたいな黒い丸っこい金具が付いているのが確認できると思います。

垂木の長さは、本来地垂木がヒエンの裏の弱くらい長いと思いますが、だいたい軒先はこんな感じです。
予算や時代背景でこの吊金物はないときもありますが、なくても茅負に梃子かけますので、ナイスな軒のラインを維持できるということになります。
当時は鉄はたたらで、あちこちで少量生産にてまかなわれ、大鍛冶が頑張って纏めて大きな金具など作ったいたようです。
地金としては、最高な時もありますが、ズクなど固まってはいっていたりしたときはカチカチなようです。

古いにぽ~んが好きな方にはタマラン品だと思うのですが、江戸中・後期のものは之を多用し、茅負にまともにしゃくれたほぞを差していない物が多く、大工さん的に見れば、大工共を堕落させた発明なのかな?と思ったりもします。ホゾなしも結構見ました!
茅負は勾配なりに座っていますので、軒の外側に飛び出したい気持ちでいっぱいなのです。
お絵かきにある何気ない茅負に刺さるしゃくれホゾは生命線であり、シャクレタほぞと重力の力もって、茅負自身に建物の内側への求心力を持たせる、昔の人の賢い知恵です。
お乳の吊金物が多く現れたことによって、ほぞなしで、和釘のみで茅負と垂木などを連結させておおちゃくしてしまったのかなと思います。当時の文明の利器の弊害?
勿論月日を経た建物は、軒先ふにゃふにゃラインとなります。
自重をもって茅負の飛び出したい気持ちをバランスさせるのと、金物の力のみでバランスさせるのとでは大きな違いがあるということを、積年の風雪が証明してくれます。


奈良で元気にしている大工の親方様は、造作の時は飲んだクレタ日々でしたが、ハネギをいれるときだけは一番殺気ムンムンだったのが不思議でなりませんでしたが、最近たぶんその理由を理解したような気がします。
出来てしまえば、ただの皮むき丸太であるハネギなんぞ見ることも出来ませんが軒先の美しさを支えている物はこれ一本に他ならないといっても過言ではなかろうかと思います。


軒先のクソ重たい鬼瓦さん等の荷重を一身に受け、土居ゲタを介し化粧桁・柱へ逃がしているハネギは偉いです。
ちゃんとした建物は、びっくりするくらい軒先に丸太が転がってます。
軒先の美しさに注目しがちですが、軒の内側でどのように重力が処理されているのか考えてみるのも面白いかもしれません。

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