fc2ブログ
2007年10月28日 Category : 砥石


鳴滝向田は、小高いコンモリした山で中山の南にあって、菖蒲と並び室町の世から採掘されておりましたが、50年近く採掘されていないという事。良く知られている、京都最古の砥石山です。

今では、高級住宅と頂には墓地で埋め尽くされ、山というよりも街です。


 代々鳴滝も採掘していたという職人さんにお聞きしたところ、「殆ど軟いもの
しかなく、煙硝(しゅんしゅん)=硫黄分や、硫酸塩・亜硝酸塩を多く孕んだ石はでなかったという事です。



ツル(鉱脈)の成り方は、斜め30~45度くらいで、東上がりでした。帯も狭く断層が多く噛みこみ小取れのツルが至る所にちりばめられていて、結果良く風が入って(風雨による風化・酸化作用で柔らかで、色づいた板になること)柔らかめがどうしても主力になります。

生地は細かな事は間違いなく、刀剣内曇の発祥もここと菖蒲の天井層巣板が始まりであったという事です。



 よって、固まって大どれというツルは、断層により切り裂かれ少なく、煙硝もでないということになります。間府は今でも、至る所に開いており、WWW2の時には防空壕や今ではちびっ子の遊び場になっておりますが、当然一個一個が浅いです。



煙硝は、



  1. 大どれのつるで永きに渡り圧搾された、敷き巣板(一番下側にある最も古くから出来た砥石)にのみあらわれます。

     

  2. 気密性に護られ続けたつる。言わば、風の入らなかったところ=断層で切り裂かれる頻度が低めである事。

     

  3. マンガン鉱脈とセットで砥石も出ますが、これらが近接しすぎていない事。(これの理由は調査中。)

     


これ等の条件が重なると現れてきます。



 私が、本日まで硬い黒い蓮華の散ったもの、黄緑色の硫黄の塊のようなものや、硬い浅黄で煙硝絡みの物など鳴滝向田として多数御紹介させていただきましたが、これは丹波のとある所においてあった原石の産地がここにあたるという事をお聞きして、御紹介させていただきました。

しかし、持ち主様も採掘したわけでなく、入手されたのも遥か昔の事ですし、出所も人づてしか聞いておりません。

 現場の職人さんが煙硝は無い。と言い切るのですから、わたしは、これを信じこの目で見てきた鳴滝の狭く小どれなツルのなり方を見てきましたので、煙硝は鳴滝という代名詞的御案内方法には大いに問題があると、感じました。


今月は、お肉、鳥さんや餡子餅で、原材料等表記に偽りがあったりでお縄になっている方もお見受けします。

私は、故意・悪意があった訳でありませんが、結果これに値う事になんら、変わりありません。

原石表記に偽りがあったということになると言わざるを得ません。

本件に関する過失は全て私にありますから、私が販売した鳴滝で硬い煙硝をお持ちの方は、お買い上げになられた額面と、送料他諸々のお代金で引き取らさせていただきたいと思います。

誠にお手数おかけしますがどうぞ御連絡ください。



今後、原石に関しましては間違いの無いものを扱い、現場の職人さんの言葉ができるだけ伝わるような方法を考えて行きたいと思います。

情報化社会の今だからこそ、やらなければならないことであり、手にしていただく方々には知る権利がるはずです。

 


宜しくお願いします。

十九年十月二八日

中岡 友憲


 


 


 


スポンサーサイト



スレッドテーマ:ダメ人間日記:日記

メイン

|

Copyright c 200x xxxxx. All Rights Reserved.

/for one column -->