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2007年12月29日 Category : 玄翁

福島さんの自由鍛造極上クロム合金鋼玄翁に関して。

使い込むと黒光りします。

54Cのそれより黒ずんでいるとおもいます。

柄の付け替えの時のもの。




大切に使われているようで、ビカビカ。

と、おもいきや釘袋の中に毎日入れておしごとしますと勝手に磨かれこのような感じになります。

材質的にも比較的錆にくいのです。

とても堅牢。末代まで使えます。

袋は皮製です。






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2007年12月28日 Category : 包丁

  本日お電話いただいた件で、取り敢えず手元にある特注の品の影。

Yamawaku_sashimi_damascus_270mm.flv Yamawaku_sashimi_damascus_270mm video by mifuqwai←光動画!!
これは、一月以上気合入れて誂えていただいたもの。光に柳刃260mm(刃渡り)をかざしながらチョコチョコ動かしているところ。
刃の稜線の歪があれば写る景色に何かしら出る物ですが、そこのところご確認ください。

裏隙の中に箔状に叩いて寄せた耐錆性ダマスカス層を配置してあるということ。
裏押ししていけば押した糸状の面だけ鋼が露呈するというトンでもない神技。
簡単に言うと片刃刃物で三層割り込み両刃包丁と全く同じ錆に対するメンテナンス性があるという信じがたい仕掛け。
単に裏隙がダマスカスできれぃ~といったことでは収まらない素晴らしいことなのです。

砥石を丁寧にあて、上からパフ当てしているので光線の当たり方で砥石の僅かな引けが一気に現れたり消えたりします。
この仕掛けは謎。これも注意してご確認ください。

糸状の裏押し面これが同一平面状にあるのか?これも光線の反射具合で概ね感じていただけます。
トンでもない正確さです。ビビッて下さい。

ここまで完全な火造り・整形・研磨に魅せられてしまえば、鋼種等はもはやそんなの関係ねぇ~と思えてくるかと。

山湧さんは、かつてはその村々に一軒ずつ軒を構えていたような今では絶滅してしまった野鍛治仕事も出来る加治屋さんを目指していらっしゃいます。それで、色々な鍛治に係る仕事を修練してきたということです。
昨今の九分九厘の包丁は、銘は知られどその実態は完全分業制のもと生産性と採算性を重んじ誂えられてきているのではないでしょうか?
単に包丁を作るという仕事の中でも実に内容は多岐に渡り多くの技能を修得しなければならないと思います。
大雑把に挙げるだけでも
やわらな鉄と鋼を鍛えて接合する鍛接・火造り鍛造・焼鈍・水焼入れ・焼き戻し・歪取り・整形研磨・刃研ぎ・柄付け・銘きり
などなど、山湧さんは全ての仕事を一貫してこなす事にこだわり、全ての工程において目が行き届き責任もって執り行うことができます。
分かりやすく言うと、鍛治に係る仕事の全てをこなす事が出来て、各々の仕事に対する統制とその完遂度は誂えられた作品で、手に取る万人にとって明らかに他と違いが分かるということでしょうか?

 我々、特に社寺建築等大きな建築で仕事と身に着けるべき技術量も多くなってきますと、当然ながら大規模な工務店ほど分業化・専業化・機械化が押し迫っているのは確かです。
彫刻もNCマシンだとか、曲線や捻りある部材も自走式のプレーナとか、見たこともない何とも説明しがたい機械で、大きな石数の(体積数)材を機械合番一名のみであっという間にこさえてしまいます。
あまりもの文明の違いにメンタマ飛び出たまんまでいると「昭和の人」と言われちゃった思い出があります。

色々な業界の職人さんが、どんどん分業化され専業化してゆくのは時代の流れですし仕方のないことだと思います。
それは、同じものを手早く多く誂えて一個当たりの単価を下げるという市場理念上で原則・理想像を達成できるということ。
しかしそれは、職人さんの「個」を殺し万人受けはすれども、手に取る方々にとって、職人さんの息使いや想いと言う物を汲み取り感じることさえ許されません。
平成の世になり20年が経とうとしております。ついこないだまでは考えもしなかったことを機械がこなしてしまうのです。
「個」の乏しい職人仕事は色々な、私がメンタマ飛び出すおもいでみてきたような機械に取って代わられてしまうという危惧の足音が迫りくるものがあるというのもまた否めません。
それでは、当然わが国の職人さんの地位も風当たりも以前のように芳しくなかろうと思うのです。
やはり時代の流れです。とりわけ、欧州圏の国家の職人さんの在り方が少し羨ましくも思います。

 そんな、ご時勢であるということは山湧さんも、合点承知です。承知しながら一貫生産を堅守する彼の想いを色々な道具で感じていただければ、それはとても有り難い事。
本日のように、山湧さんの誂えになった道具の深いところがまずお一人に伝わり、興味を抱いて頂ければいいなと思います。
今のご時勢でも、とても価値があり後世に伝えたいよきものだと信じてます。

よろしくお願いします。

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2007年12月26日 Category : 大工仕事


日曜に岡山から削ろう会の大工さんに遠路はるばるお越しいただいて、砥石目当てかと思いきや私のバイクを見に来ていただいたのです。

30年位前のヤマハの2サイクルRZ350にYPVSの29LのE/Gを乗っけたものです。

なかおか自ら公認車検で原動機改造で通しました~。

電装にジャンプかけて、オリジナルは一切断線、加工せず愛をもって改造したもの。

た~またまRZ250を探していると彼のお弟子さんの話を聞いて、私が「350怪アルヨ。一回もこかしてない2オーナー車だけどもういらないや。エンジンとか脚とか部品山盛りあるけんそれもイラナイ。」とお話したその当日のこと。

仕事が終わってその当日ですよ!?なんとも気が早いものです。

がんばって鍛えた砥石もそのくらいでれば文句なしですがなかなかですね。


 当の親方とお越しいただいたお弟子さん、なんと艶々ムチムチプルプルの19のめっちゃかわいい女の子!!!

なかおか的には散々乗り回したバイクに可愛い女の子がまたがってくれると思うだけで、うはうはで若干バイクがムカつきます。

変態と言われてもどうでもいいことです。バイクになりたいですね~。一緒に天井張ったり床下でお直しとかしたいですね~。

かわいい!というのもお気に入りですが、このなんどお弟子さん(べこちゃん)が紫檀で打ったもの。

名前は可愛くないべこちゃん、大工さん習い始めて1年たってません。。

とても、お上手です。負けました。相当努力なさってらっしゃるとお見受けいたします。

がんばる職人さんが報われる世がどうかきてほしいものですね。



 親方とあくまで軽めにセクハラをたのしみつつ、砥石も色々あたってもらって、この夏に尾根の東の大平を採掘されている石原さんに掘っていただいた煙硝の通称青蓮華を大変気に入っていただけました。

金属層を鏨で飛ばしたりと色々手間かかりますがとってもよろしい砥石が出来る確率が高いです。

秋にご覧になった方も多いかと思います。飛ぶように売れているあれです!

あとはやっぱりリストラ鑿を持っていかれました。

あつかれさまでした~。

ただべこちゃんの作業服姿は頂けません。いろけがありません。






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bekochan_plane3.jpg image by mifuqwaibekochan_plane2.jpg image by mifuqwai

もさくスウェーデン鋼




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どなどなどーな~どーな~


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よくぱくられる人気のアンダーカール(純正)

YPVS露出でI/G ONでうい~んとうごきます。

アルミスイングアーム。超高かった!

以前排気はセレクトチャンバはいてました。

写真はヤフオクにでも乗せようかと思い撮影していたもの。

偶然立ち上ったこの話、何日か遅かったらアウトでした。

らっき~です 


2007年12月22日 Category : 大工仕事


向拝の木負とナント今ごろ隅木の木造りです。

工期間に合うのかな?

で割るとこから始めます。時代遅れです


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木負足駄欠き。形は茅負ですがヒエン垂木が貫通して通るための欠きこみ。

近世のものの多くは、ここを追い入れとしてヒエン垂木の材も短くて住み経済的ですが、勿論力は無くなり完全はねぎ頼りとなります。
しかし何故今回は中世式?とりあえず豪勢です。。
見え係りは、墨残し奥はバッサリ墨をまたぎます。上ばも総反りですから手で挽く事が現実的。

墨幅が80mm。残して入れて79mmくらい?垂木の木造りが81.5mmくらい?
削って81mm強?乾燥でやせて80-80.5mmくらい?現場で木負との突きつけ面を槌で軽めに叩いて入れて歯ブラシで水つけて膨らましてばっちりムチムチという大方の算段を実現させてくれるがなんと、闘魂大造尺一295mmで一撃。尺一でこの肌と切れ味はにわかに信じがたいかと。お試しください。
大造様がない場合、倍は手間が変わってくる自信あります。大造様々です




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欠きの底を平らに取るには、際、五徳、底取りなどが流行りで、どないしてとるのか良く聞かれますが、の角で両隅を精魂こめて決めて残った真ん中はで突くなり、平で取るなりすれば、とても捗ります。

勘をつかむまではすこし苦労しますが、金盤でばっちり研いであげて、慣れると刻み仕事でを使う気が全く失せます。

万歳




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木負仕上げます

うばめ樫を着た常三郎さんの燕鋼。タングステン6度以上でハイスか?と思われるほどの鉋ですが、檜でも極使いやすさがあります。

うばめ樫は見た目きついですがガチガチで、割り台とすればよろしい台が取れることがあります。

掘る時は泣けますが、今後の台直しの手間が激減。

この燕鋼鉋、少し切れやんでますがここからが永く粘ってくれます。この程度で永く粘り逆も出難く7.4で植えているので、軽く引け艶きれもします。

ある時から急に切れ味終了となって分かりやすい面白い鉋です。




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三方仕上。

めっちゃ材料もったいないです。折角軒反りで木造りしてもフニャフニャ歯ブラシ状になってしまいます。残念

手前はYXR鉋。台が厚すぎ・・埋没。




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その殆どが小屋の中に入って見えもしない9m隅木は奥まで挿せて小屋と天秤を掛けることが出来る大昔の理想的キドリ。とても切りたいですが我慢です。

この子は両端で八分ずつプロペラ。

ここまでひどいと手押しも押せません。

結局お手手で捻子抜きです。

今週の持てる気力体力は共にここで終了。打ち止め。

昔の職人さんは偉大!


 


 


2007年12月22日 Category : 大工仕事

















































 











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今週も、がんばりました。

リクエストありました、の台の件です。ざっくり適当に書いておきます。

五百蔵さんのスペシャルハイス鋼YXR7を作ります。おそらく世界初の!!

まぁ、お遊びです。これで使えるものでしたら、五百蔵さんや常三郎さんを口説くいい材料になることもあながち無いともいえません。

使った道具はいたってシンプル!

お古の椿台/例の鋸/ちびドリル/八分の適当な/えんぴつ/ダイソークランプ二個/自由がね/差し金 以上

画像順番違ってたらごめんなさい。



1.腐ったの台。ところがこれは椿なのです。椿は粘り最強!!木口に非常に硬く、布では柔らか出面取りなぞにすると、みるみる減ります。乾きはとても遅くて材は細く時間掛けて大きくなります。台の材としては名門で隠れた人気。

それで、このような台でも大事に再利用します。植える刃は五百蔵さんの誂えてくれたYXR7の鉋。

地金は異常にカーボンはいっており、硬く鋼も厚くレース台無しではとげたものではありません~。


2.単純に、鉋刃の裏の角度を罫書きます。これが仕込み角度になります。このたびは7.5寸勾配です。水へ10たつへ7.5

自由がねを使うと、墨廻すのが高速化・正確化。


3.これは誤り。刃の向きの置き方は正解。2の墨線に対し甲をおきます。これは裏を墨線に当てているのでダメ。

刃の向きを反転させているところが、とっても重要。理由はかんたん。考えて見ましょう。


4.刃先が思いっきりだれていたうえ平面もクテクテでしたので、レース台側面に当てて強制下ろし!

しばきにしばき倒してここまで裏は出ましたが・・・きちゃなくなったのでもう一回すいてもらおうかと。

地金が硬すぎるのは困ったチャンです。

これは、台うわばの押さえ溝幅を取ってます。仕込み勾配が決まりましたので、刃のどの辺りが台上ばにくるか分かります。くるところの幅をあてがいぶちでただ取るだけです。

原始的で端的ですが、正確で間違いない方法かと思います。

際鉋以外はあてがいぶちでがんばるのが俺的方法。


5.台下ばの刃口幅取ります。木中からの振り分けでOK同時に刃先の脚幅取ってますよ。

これで、押さえ溝の深さが上ば、下ばともに出たことになります。う~ん簡単。


6.こりゃ上ば。


7.8.  5.に準じます。錆び実験したので錆びてます。鋼はほとんど錆びませんでした。


9.このたつ水ラインと丸いゾーンがムフフです。ここはズバッとぶち抜けるところ。


10.下ばからご覧になりますと、ぶち抜きゾーンはこんな感じ。


11.刃口幅をそのまま引き伸ばしてあげると押さえ溝のくるところが分かりますので、ここは当然ドリルぶち抜き禁止です。


12.ブチヌキました。角度はお手手で適当でかまいません。概ね直角で上等!


13.上までぶち抜いてOK。掘る時は上から掘りますのでドリル丸ぽこ穴めがけて左右からで攻めます。

ゴールが丸穴なので、掘り損じし様がありませんし、強烈に硬い材でも斜めせん断で繊維の抜け目指して切り込みますので、とっても柔らかに感じます。驚くほど荒堀高速化することに気づくかと思います。

ドリル万歳!

ホントは、ダボチンの付いた盤の上で脚指で押さえながら打つのですがこれでも結構なうちやすさがあるかとおもいます。

盤の仕事台なぞお邪魔でもっていけないようなところでは、この方法で。現場向きです。


14.でも硬い。15.よこよこ



16.17.18.ゴール!木っ端返し側はざっくりで放置でかまいません。クランプで挟むときに板を敷いてあげると仕事台が喜びます。



19.日本各地で見られるこの鋸にある改造致しますと、留めと胴付挽けます。元より硬い木が得意ですから鉋の台打ちにはなくてはならないすっぺしゃる鋸。錆びててスミマセン。改造法を知れば良い鋸への購買意欲ががた落ちしますので、知らなかったことに。


20.刃口から、仕込み勾配カツカツで口切してそこにあてがいながら上ばの押さえ溝の墨めがけて挽きます。

ここのところ、この鋸を改造してやると、実に挽きやすさが生きてきます。

誰でも簡単に一撃必殺で挽くことができるかとおもいます。仕込み勾配に沿った鋸入れが最もたましひが磨り減るところだと思うのですが、これが間単にできるということは、台打ちのハードルが半分以上の高さまで低くなるかと思います。


21.こんなかんじ?


22押さえ溝さらう.一分のみ!まめかんなは、電気鉋の替え刃でのみ作るとさっくり取れます。

金きりのこのの折れたもので作ってもOK.


23.甲なじみ。マジックなんかで色つけて刺せばあたるとこ黒くなります。これとります。はつかわんでもOK。


24.押さえ溝付近をよくきかせると、薄い刃のばやい刃が歪みにくいかとおもいます。





































 












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25.これもナイスアイテム。電気鉋の替え刃屑。この様に使い当たりとっていきます。微調整に最高。しなりあり、刃の剛性もありますので、刃口近くまで突いてもめげて突けなくなることはございません。

更に押さえ溝のところも薄いので突けます。コリャ最高です。

金剛砥石でこすっていた時代がなつかしやです。

刃は潰してご安全に。


26.刃口かつかつ手前まできたら、口きりライン決まります。


27.電気鉋の刃で口きりって....


28.29.刃口の直近にわずかでも丸みがあると面白いほど屑詰まります。意外と知られてませんがコレホント。

ですからここを拾うときも、とても集中してできるだけ真っ直ぐ突けるようガンバリマス。

刃口セマセマでぐず抜け良い鉋作るためには知っておかないと大変な所。


30.31綺麗にしていきます。これはお手手突きで上等。


32.もとの鉋台の口埋め材の釘が抜けずにあります。鋸で挽いてしまいました。くやし~~


34.34.35台厚すぎるか刃がちびすぎるか。


36.早速向拝の枠肘木の仕上げに使ってもらいました。

私は木負をこさえてましたので未だ使ったことありません。

ハチャメチャ持ち主です。

何台か打つと感覚分かりますので、ここまで30分かかると十分楽に出来ると思います。


包みは、勾配起こしてあげないと無理っぽいです。木の楔を用いるとこれもいと簡単。


 






2007年12月21日 Category :




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ioroi_YXR_kotenomi2.jpg image by mifuqwaiioroi_YXR_kotenomi3.jpg image by mifuqwai


五百蔵さんのYXR7逆鏝鑿

床貼りの時の首切りで使います。

めちの上ばの奥の角っこがどうしても根田側によってきますので、床を貼ったときに柱との境に隙間が開き気味にならないようにするためには、このような形状のが最もかとおもいます。

私はぼこぼこの首を無理やり曲げてつかてました。

首や軸を剛健に誂え、叩けるようなってます。

YXRのついている面に軸をつけるのは、ハイスと鉄は仲よろしくなく材の関係上無理っぽいといわれてきましたが、見事に作ってくれました。

いつも「こんなん無理じゃ」といいながらしれ~っと誂えてくれます。ありがたやです。

お手間食う分、結構良い値段しますので、白紙の普通の穂がよろしいのでは??


なぜハイスなぞで頼むのか?謎でしたが、これを命じたよく応援に行かせて頂いた飛騨の大工さん曰く、穂の剛性を要するためだとか。

地金にもかなりカーボンあって流石無理使いようのです。

しかしこれが、私が鉋を打った際にとっても硬く難儀に思った原因でもあります。


2007年12月17日 Category : 大工仕事


一日だけ、ガンバリマス

先週まるのこで繰った所を、仕上げていくわけです。

常三郎さんのSKH51ハイス鉋は、特に木口を仕上げるにあたり、抜群の刃持ちを発揮してくれます。

如何に、御誂え向きの変わった鋼でもハイスの永切れに並ぶものは御座いません。

概ね60個近く仕上げましたが、一度も研がずに鋸目消し役、いわば露払い役の仕事を難なくこなします。

現代の製鋼技術の賜物であり、こなす仕事のうえでとてもありがたい鋼です。

この子が目の跡を消してくれますので、後の仕上げが軽く撫でるだけで一撃でかかってしまうわけです。

露払い鉋がとても良く働いてくれると、後の鉋の仕事が非常に捗ります。



 ハイス鉋、廉価っぽい見た目や横文字混ざりでもっさりした印象をお持たれがちですが、それはとても鉋にとってお気の毒。

常三郎さんの鉋には、それはそれはとっても良く考えられた裏の鋤技術が詰まっており、他と完全に差別化できて良い仕事をこなすことが出来る秘密があります。

これは後ほど明らかにいたします。




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出丸の研ぎのことで、質問されたことがあります。

私のばやい、キングの薄くなって砕けた物で研ぎます。

普通の平面の砥石に対して、鉋自身のもつRに沿って回転させながら研ぎこんでいきます。

キングの場合、2回目くらいの研ぎでよい当たりがつきますので、後はらくらくです。

今回は、このキング#1,000より僅かに硬いくらいの高島天井巣板で、繋ぎと仕上げをやっていただいております。

天井巣板は、先月ようやく採掘に成功したもので、ワクワクです。



丸の研ぎこみの動画と、天井巣板記事に関しましては、


http://fujibato.blog85.fc2.com/blog-entry-59.html


ここ更新いたしましたので参照ください。


よろしくお願いします。


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2007年12月14日 Category :

tag : 丸鑿

お待たせいたしまして申し訳ありません。

3厘(1mm)から一寸八分(54mm)までの丸鑿の表です。

A4で印刷すると、原寸大になります。
内鋼が丸の内側に鋼付けされているもので、価格は厚・叩きと同等。
外鋼が丸の外側に鋼付けされているもので、価格は中叩きと同等。
この表を鍛治屋さんも持っておりますので、指定どおりの丸ができます。

お役立てください。


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よろしくおねがいします。


2007年12月11日 Category : 砥石


奥殿戸前の良い物です。



高雄小学校運動場下にちょんまげ時代の方たちが掘っていた巣板間府が走っていたのですが、それが陥没して露天で大どれしたのが奥殿巣板。昭和に大どれして平成で大流行。以外に日の目を見たのは最近かもしれません。

南の谷側に伸びていたのが巣板間府で、下から二個目で北に伸びて白砥のある方角に山をぶち抜いていった間府が戸前の間府です。



大突に比べ黒っぽい浅黄多く品位も色々です。

良い物は、とんでもなく抜き身出ているものがあります。

板厚は、厚いです。


 このたび、カナリ黒い浅黄と白っぽい水浅黄の部類に入る浅黄で感動的なものが出来ました。

下りだけ控えめで、後はすばらしいい物が有ると思います。

水浅黄っぽいものは滑走感際立つもの。

黒いものは、マッタリムチムチ感ありますが、硬てより不可思議。




MOV01665.flv okudo_ultimate_class_sharpening video by mifuqwai
試し研ぎ動画気長に御覧下され。

145x230x65/5.5kg

弩級の奥殿戸前水浅黄烈硬烈細滑走万歳

こりゃ上出来のかわいい奥殿戸前!


2007年12月11日 Category : 砥石

新田巣板は、江戸中期からある尾根東口の大平より更に上がったところにあり、大平にとても近いところにあります。
しかし、鉱脈の成り方は、斜めに傾いており、板なりの層と30度くらいで交差する総があって、鏨であけることは難しいです。
これは、非常に特徴的です。
このため原石から、製品とする際非常に歩留まり場悪く、原石にそのまま面付けたものが多い理由も頷けます。
裏側に槌目をつけて鍛えることも、なるべくしたくありません。
妙な層の交錯が、鉄華繚乱と評されるような他に類を見ない研磨力をもたらす要因ではとも考えております。
やや柔らかから東の巣板並みのカチカチのものまで一通り産しますが、面白いほど蓮華巣板は出ません。
梨地の巣板は少しでます。
筋も結構枯れており無難で、砂など出てくる確率も低いほうです。
生地も予想外に細かくて研磨力はずば抜けているので、高島のあと若しくは東の硬い砥石手前の中継ぎにもってこいです。
職業向きに、もちろんそのまま仕上げとしてもよいものです。
見た目は非常に奥殿に似ているものもあります。皮けつの発色も明るくさっぱりワカリマセン。
私が誂えたものは、新田の原石から一つづつ誂えたので混ざってしまうことはまずありません。

 すわりが悪かったり幅が不均一ですといくら大きさや重さが有っても、かえって使いづらいだけとなってしまいます。
「幅を裁って、ソコソコ据わる形にしてほしい。」という多くのご要望をうけ、なるべくご希望に沿う形のものを誂えて行きたいと思います。
よろしくおねがいします。

MOV01586.flv shinden_harder video by mifuqwaiMOV01587.flv shinden_harder_2 video by mifuqwai
硬め裏表で研ぎ。
MOV01595.flv shinen_soft video by mifuqwai
やわらかめ

見た目の華やかさには欠きますが、実力本位の巣板であることは間違いありません。
研磨力はどれも最強ですので、後は使用目的に合わせた硬さで選ぶとよろしいかと思います。

2007年12月11日 Category : 未分類


今日は、ピーナツが届いており、OPENすると茹でが有るではないですか!ラッキーです

ありがとうございます。


DSC01558.jpg image by mifuqwai


さて
問題です。ピーナツ!どちらが茹でかわかるでしょうか?


 


 


 


 


 


 


 


 




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答え)右です。

左は生で三つ子です。とってもめでたいピーナツ。



イタダキマンモス


 

2007年12月09日 Category : 砥石




MOV01534.flv shiroto_harder_suita_sharpening video by mifuqwai


かた~い白砥の敷き巣板の試しとぎです。奥まったところに謎のからす様の模様があります。変わった砥石です

鉄華の色が見る見る変わっていく様をご確認ください。

生地が細やかで、酸化されやすい雰囲気にあるということが予見され、石を観察する上での良き指針となるでしょう。


白砥は奥殿と大突の中間地点の山。どちらへも歩いてすぐのところにあります。色々な高度で四発間府がかつてありましたが、現在2つ残るのみ。

その恩恵で色々な硬さの石が出ます。

生地は細やかで良くそろい、ヘキカイ性もやはり良好。

巣板は巣無しが主力で、奥殿の脈とつながっているとのこと。

40年以上前に閉山。


2007年12月09日 Category : 砥石



 この度私の頑張って誂えた手持ちの石が、丸市商会様の目にとまり色々なお話をさせていただきました。

丸市商会様の中山砥石はとても特徴的です。

同じ原石でも真心込めて誂えると見違えるような製品になるのです。


ひのきの台の使い方は木裏を天に使ってます。

節が出る確率が多いところを石で隠すという目的と、水に触れますと木表側に凹にそりますので、コロコロしにくくなります。

石の取り方や加工技術にも大変見習うべきところがありますが、木取りの仕方やその扱い方にも大変驚きました。

木工技術にも大変精通されていると思います。



戦前より昭和50年代に閉山となるまで、中山の原石一筋を仕入れて操業されておりました丸市商会様の持つ原石より切り出されたもので、休業期間を含め少なくとも四十年は眠っていたものです。薄くなっておりますが側面等にマルカの判も確認できるものも多いです。

 このたび、直接主様より、わたしの誂えた石と等価トレードという形でお分けいただきました。一つ一つひのきの台にそれぞれの形を掘り込む形で砥石を鎮座させて下りますので厚さは測定できません。あくまで台の上端から砥石の面まで計測したものと解釈ください。更に側には、研磨を掛け鋸跡を消し、層の成り方を明瞭とし、存分にご観覧できるよう、非常に丁寧な切り出し方であり、丸市商会様の中山への想いの深さが偲ばれます。類似品に戸惑い、偽りなき確実な生まれ所にこだわる方や力ある石をお探しの方にとっては千載一遇の機会です。とかく良い石で熟練工に渇望される石であることは確かですが、地を引きがたく人を選びません。人当たり良き広い門戸をも併せ持ちます。

偽り無く中山より出でた石として、責任を持ってご案内させていただきます。


 美しい加工の石という評価には時折悩まされます。

裁断法に関しては、



  • チップのまるのこの跡が付いている物が良い。

  • 40年代初頭頃までの全鋼のまるのこの跡が付いているものが良い。

  • 層のなり方が観察できる、つるっと磨きが理想。

  • 手挽きの弦鋸がいい。




 裏の処理は、



  • 皮けつ残しで!

  • 鍛え肌

  • 両面面付け

  • 原石まんまの凸凹ゴロゴロ





    皆様のご意見の程頂ければ、お手間と相談して品質本位、容姿端麗な砥石を誂えていく励みとさせていただきたいところです。

    よろしくおねがいします。
     

































鋸目も磨いて消してます










丸市印の御箱

 










光りつけて台付けまでなさります。

木裏を使うがミソ



 


2007年12月08日 Category : 大工仕事


今週は、色々私用がありましたので、大工さんは一日だけ。

斗繰り大会とします。


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尺二ありますので大造さんの尺1鋸でもいっぱいです




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これは、斗の原寸。敷き面と斗繰り上を一線で結び、できる角度を取ります。これが命




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何を??




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原寸と見比べてください。勘の良い人なら何のための物体かお分かりかと。




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丸鋸ベンチスタンドや昇降盤といった道具は、持っていません。

この据え方も我が秘密としてきたところ。棒二本と定規の向き。

これだけです。

応援先ではやらないやり方です。




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敷き面と斗繰り上を一線で結んだ角度で、そぎ落とします。

これは丸鋸でバッサリ。




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こうなっちゃいます。因みに、120φで概ねの斗繰りに対応できます。

小宮だと80φがいい感じ。右は溝突きカッター120φ

チップの丈だけ一撃での欠き込み寸法が決まりますので、それを踏まえてもう一ひねり治具を作ってあげる必要が有ります。

すべて明かすと面白くないでしょうから、そこの種明かしはしないでおきます。

ぜんぜん弾きませんし、刃のでしろもせいぜい5分が関の山ですので、相当頑張らないと怪我はしません。




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こちらが、215φで斗繰りしたもの。デカイと当然Rもでかくなりますので、日立工機C8UA丸鋸で繰ります。

使った工具はまるのこのみで、一撃必殺です。

あとは皮むき程度に鉋掛けますと艶々!

お手間1/5以上



現在斗繰りは、外注とか、すんごいハイテクな機械かM井鉄鋼か帯鋸ですらせて取るかとてもでっかいミゾツキ盤か二段にまるのこで入れて手鉋で減らすといった方法です。

内二つはとても危険で皆さん良く斗を弾き飛ばしたり、お手手を飛ばしたりと最もやりたくない仕事でした。

良く血まみれになった方や、宙を舞う斗を目にしました。


こわいおもいでばかりです。
2007年12月04日 Category :


先日の新しい炭素鋼鑿を誂えになった職人さん曰く、鉄は純鉄に何かしら工夫してあるとのこと。

純鉄で、ある天然砥石で研ぐと際立って面白い模様がでるのか?お聞きしたところ。「しらん!」というお答え。

結果としては良く下りて研ぎやすいので、わたし的には好みです。

しかし納得いきません。何かしら地金に混ざっているはずです。

でなければ、このような模様は出ないと単純に思ったりもします。

一般的に金属は、純度が下がってくると、硬くなることが知られてます。24金より18金が硬いのです。

でもぷにぷに。訳が分かりません。

仮に地金にも一般的な極軟鉄と同様に僅かながらのカーボンが散っているとすれば・・・鋼と同様良く錆びます。

カーボンは錆を呼ぶとお考えください。白紙より青紙。青紙より燕鋼が錆びにくいのはクロムやタングステンが成す働き。

カーボンの散り方に斑があって、模様をなすのであれば、模様のところが顕著に錆を帯びます。

これは、鉋を研いで使ったときに経験していることだと思います。よくあることです。

今日は雨でしたので、雨水が当たる所に放置してみました!

罰当たりでも、知りたい探究心には勝てません。ゴリオシで実験です。


結果は、鋼だけが良く錆びました。

地金は艶々のまま。

謎です。

考えられることは、模様にはカーボンが一切関与していないということです。

関与している場合は、そこが顕著に錆びますので一目瞭然。

何かの異種金属元素であることが濃厚?

でも柔らか!叩けば裏だしの槌がめり込んで楽しいです。

全く解せません。謎々の堂々巡り。眠たくなってきました。

ただ、わたしの想いの中では、もっといじめてみたい欲が沸騰してきたことは明らかなことです。
他どんなプレイでいぢめればよいかリクエストもお待ちしております。

ご存知の方いらっしゃれば、御享受ください。今回はお手上げ!ワカリマセン。

よろしくおねがいします。




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変な模様みえるかな?ちょっと曇る物で合わせると一気に出ます。(謎)




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ここまではっきり分かれて錆びなくても~


2007年12月03日 Category : 砥石

 天然砥石に関して最近特に思うのですが、産地によって石の素性の傾向は確かにございますが、それですべてが決まるわけではありません。

併せて、天然砥石に関して疑わしき産地名を謳うものも多いともよく聞く話です。

砥石が成っている鉱脈と坑道が、天然砥石の山の尾根や谷に対して・・・




  1. 平行




  2. 直交




  3. 上がり・下り




  4. 断層と露頭




等色々な環境が重なってきて天然砥石の素性も変わります。

1は山の土砂の圧力や気密環境が近似していると考えることが出来ますので同じ石が取れやすくなると予想できます。

尾根に対し南北300m以上伸びている中山の上から二本の桜と大幕の間府が良き例です。



2は尾根の真下に向かうというこですので、奥に向かうほど硬く締まった石が出てまいります。

大平が良き例です。奥のほうからは中山の黄板に似たものもあったり敷き巣板の強烈な硬さも楽しめます。



3は奥殿、白砥、中山泉間府(水間府)が良き例です。下って下ってカチカチの浅黄が出てきます。



4はたとえば本来なら浅黄であるところに、色々な色物が現れることがあって、簡単にいうなれば風が入るといわれるもので山にヒビが入って、水と空気に触れ 一般的に黒→浅黄→緑→黄色→赤 へと色づきながら軟質になっていきます。

ヒビがは入っちゃうということは、狩猟の際などのついでに砥石の発見も容易であり、鳴滝と菖蒲がもっとも古くから知られているのも納得できるかと思います。

煙硝は圧力のかかったところでよくよく気密性を保たれたところで現れ、大どれするところにしばしば現れます。コノドントと呼ばれる小さな生き物の化石が折り重なり天然砥石が出来たと聞きますので、蛋白の組成中の元素である窒素・燐・硫黄もそのまま残留しているため、面白い香りがします。裁断して水に触れるとその断面から塩が結晶となって析出したり深海魚を水揚げしたときのように内部から膨れ上がったりすることもあります。しかしこれは、土中に埋めて長年放置すると内圧や塩を開放できるのではないかと聞きますが、これは未確認。


 以上、天然砥石を知る上で、人と同じく生まれにこだわることはあまり懸命でないと私は、考えます。

天然砥石の産地自体への疑念も払拭は難しく、天然砥石も人間と同じくしてお山から砥石としてお迎えするまでに生まれ育った環境も非常に重要であるということは先に述べたとおりです。

2007年12月02日 Category : 砥石


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某兄様に伊予砥瀬戸砥や出来立てほやほやの奥殿と大突の間にある、白砥を試し研ぎに来て頂きました。

モデルはローモル純鉄シンハルさんので、瀬戸砥伊予砥のみでこれだけ生地に差がでてきます。

砥幕が厚くよく粘り力加減水加減でも生地が変わった感じの天然砥石になります。

包丁研ぎ用途から熟練工さんまで色々楽しめる天然砥石かと思います。


 


2007年12月01日 Category : 玄翁


自由鍛造鍛治福島さん玄翁の柄付けをお願いされましたので、ざっくりと柄付けしました。

今回は、おにぎり型で。


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握りやすいと、人気の断面形状。

帯のこがあるととても楽に出来ます。手抜きで直線的にザックザック。

櫃が大きく、赤樫の大きさが間に合わないときは、裏目に挽くか、はりものを使うといいかと思います。

いつも用意してある赤樫の柄は予想外に強くてびっくり。

良い鉋台が出来そうです。
いつも鉋台用の樫を熱くご要望くださる方の為にこの赤樫で段取りしてみます。
ピンク系なので刃口も見やすそう!
 

よろしくおねがいします

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