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2008年05月05日 Category : 砥石

今日は、丸一日伊予をいじりまわしてました。
実際に面を整えて、刃物で研ぎ倒して、目が〆るもの探していたのです。
と~~~~~っても気が遠くなります。
いまのところこのばかげた方法以外探し当てる方法が思いつきません・・・困ったものです。
また種類が増えたということはどうやら現実なようで頭が痛いです。

伊豫の使いこなれてくると目が〆る砥石。と納豆ねばねばの石
Iyo_Nattoh_
Iyo_meshime_komedoIyo_meshime_tokusoIyo_Meshime_orange

一度ダイヤで面を決めて、暫く研ぎこんでいくとツルツルの肌触りに豹変!
目を〆る印象がもっともらしいです。締めたあとの処遇いろいろを右三個の動画で実施。
山本典男著『伊予砥物語』で述べられていらっしゃるように、研磨力を引き出す第一の働きは、砥石と刃物のの間にある境界面。いわゆる界面が逐次更新されていくこと。
次に、適切な水分量と粘性を維持しながら、抜け落ちた界面を構成していた砥石破細粒や鉄粉自体がより細分化していく中で更なる繊細かつ剛健な研磨力を支えていると思うのです。
界面逐次更新型の伊豫の典型が左一番の白いぶよぶよ伊豫。こりゃもちろん目〆ではありませんよ。

右三個は目が〆る訳ですのでとりわけ良く〆る属性の伊予では〆た界面+水だけでは、初期砥膜生成にとってもヤキモキします。
しかしこの場合、弩級の研磨力を思い出させるには、名倉的なものを使うとか砥膜を温存することで、簡単に解決出来、砥膜層はいつもながら厚く生地自体も粉砕していきますので、わずかな水加減と力加減で車でいうハイドロプレーニング現象ならぬ、砥膜プレーニング現象か?
と感じるほどの未体験クラス滑走感をもたらし、老若男女問わず使いやすさと抜き身出た研ぎの爽快感をもたらします。
にもかかわらず研磨時の効果音は粗砥石のままの大きくザクザクとした痛々しい音です。
界面不活性としておそらく刃物の鉄分や自身の破細粒で収束した感の界面上に先述の第二の研磨の原動力を如何に工夫して誘導するか?その例として右三個の動画挙げて起きます。
もちろん、伊豫目〆を清潔に洗ってしまってそのまま研ぎますとサッパリおりません。金盤状の界面な訳ですから。
さて、研ぎ角度と力加減に正確を期し研ぎこんでいきますと、粗い伊予から始めてこの度の伊予で上げたような仕上りになります。所要時間の短さと、ここに至るまで僅か伊予二本で至ったと言うことは、今までの概念からすると仰天です。
Iyoto_transition(画像セット参照ください)
 

金盤で伊予の糞を使い押すと、最終鏡面からたたき出したその直後から出番がある(新品はものはだめよ!)といった広い守備範囲があります。
〆る伊予は研磨中の界面がちょうど金盤のような振る舞いになるのではなかろうかと考えています。ただ、タングステンカーバイトやダイヤモンドと言った加工工具の当たりではどれも似たもので、伊予一般と目〆の伊予の区別がつきません。
よって、〆ると刃物のによる型は崩れにくいですが、ダイヤ等当てると、たちまちクリーム状の糞を出し面直しも気持ち悪いほど容易です。鉄に当たるほどに〆り加工工具では素直であると言った謎に満ちた資質を持ちます。使い手の接し方、技能如何で、如何様にもその振る舞いは変わりそれが、研ぎあがり面に直接出てまいります。
砥石に見透かされたかと思わせるような、研ぎを写す鏡であるのかもしれません。
小憎らしい振る舞いを見せる平成の世の伊予です。
よろしくお願いします。

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