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2008年07月31日 Category : 包丁

Tanaka chef knifesmith [田中一之刃物製作所の包丁]
先月頭の刃物クラブで、お願いしてみた贅沢な組み合わせの包丁。
出刃は青二
他はV10で武生製鋼のクロム15Wt%ステン鋼の最高峰。
たまにハイカーボンコバルトクロモリバナジウム鋼とか言われているスペシャルです。
C-Co-Cr-Mo-Vとにぎやかな鋼


Elements rate Wt%

HRC hardness at least


C

Si

Mn

P

S

Cr

W

Mo

V

NI

Co

Cu

After
water
quenching

After tempering

V10

0.95-1.05

<0.35

0.3-0.5

<0.03

*

14.5-15.5

-

0.8-1.2

0.25-0.35

 

1.3-1.8

 

60<

57<


地はSt-ダマスカスなので、錆びず、柔らか!
カーボンを散らせた一般ダマスカスとは見た目は似れども全く別物です。

柄は水牛柄
これ以上、上はない組み合わせナリ
 田中さんのSt-ダマスカス包丁

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2008年07月24日 Category : 砥石

1181 Yamashiromeito Yellow phantom Karasu
特に本山の仕上げ砥石では横顔が命なのです。
想は、裏にお肌(皮)(付け)があると、ここから層が平行に積み重なっていったものと確認でき、お肌に対して研ぎ面が平行にあるのかも分かります。
良い砥石はほぼ、このように成ってます。
裁断面を、磨きを掛けたようにしてあるのは、研ぎ面に対して、層のなり方がどうであるものなのか?見ていただくためです。
中山のマルカブランドの良いものでは、裁断面に磨きを掛けているものがあります。
良い値段するわけですので、包み隠さず裁断面も見せて魅せるわけです。
私もコレに習うようがんばります。
砥石は研ぎ面だけ見て判断するものではありません。横顔が命です。
横顔で、育ちと品性を拝見できると思います。
もちろん、山城國梅ヶ畑東端ベルト地帯の本山の石ほどに、横顔の層のなり方は、たとえ巣板以外のあわせ砥であれ明瞭で、帳面の横面のような見え方をします。
それで、帳面成りと呼び、良い砥石はおおむねこれをもっていることが条件です。反対語はよろい。
帳面なりの、一番の恩恵は、研ぎ面が水をのまないことに限ります。刃が無駄に張り付いて研ぎにくいこともなく、よろしいです。
無論、質の均一性も明らか。
鍛えの段階で、へき開性に富み、鏨(たがね)を側面から掛けてスッキリ平面に開くことが出来ます。
1136 Yamashiromeito Uchigumori Karasu Cuコレは帳面でも斜交いなのでだめ。
しかしながら、本山の石ほど厚さの向きで割れやすいというのが、この帳面なりの仕業であり、研ぎ面と直交する裁断面からは特に水を飲むのです。
乾湿の繰り返しはあまり芳しくなく、そこに凍てが入ると一発で二枚に上がってしまいます。
それで、なるべく側面は石ちゃんで養生するようにしてあります。
これは、石ちゃんを2-4倍くらいに薄めて塗布してます。
一見、分からないと思いますが、汚れたときにすぐにトクソが流れるのでお手入れ楽です。

 本山のもので厚さまで五方挽き上げているものとか、側面に色をつけたりしているものは、要注意です。
厚さを引き上げるくらいなら、鏨を掛けて新たにお肌を露出させ、お色気UP&整然たる成形が出来るからです。
ということは、鏨が使えない程度のものであるということが明らかです。
Yamashiromeito Hachimai Gatsuita 1コイツダ
八枚等がつい板では、付けの近辺以外は、層が木目状に渦巻いており厚さがあって硬いだけで、力は乏しいものです。
どこで研いで見ても柾目(裁断面)に刃を当てているようなもので、硬くておりが鈍いので一見硬くて細かい石と見えるときもあるかもしれません。
がつくて無傷で大判をこさえよといわれれば、作ることは可能です。挽き上げれば良いのですから。
冴えた抜群の水浅黄でもあることはあります。
しかし、砥石としては?です。
がついものほど、帳面なりが崩れている傾向はあるので、よ~く観察ください。
値は張る、使えんでは惨いお話です。
帳面なりが明瞭になると、どうしても一寸ソコソコで次の肌が入っており、そこを鏨で開ける必要性が出てきます。それで、がつい板が少ないのです。
本山のものでよいものを手早く探すのであれば、巨乳は避けて微乳な美乳が手堅いのです。
よくよくがつ板のリクエストお聞きしますが、私には巨のダレ乳と聞こえてなりません。
巨の美は滅多にありませんので値は法外になると思います。
スケベ心は捨て、横顔から本質を見抜くようがんばってみてください。
どうしても巨にこだわりがある場合、東でも木津山~長四郎・高山系鉱床と愛宕以西にはがついものが出ます。
2008年07月14日 Category : 山城銘砥

1101 Yamasiromeito Honyama Pt

うーん・・なかなか見つからないもので・・・これで勘弁してください。早い者勝ちうらみっこなしということで願います。
2008年07月14日 Category : 山城銘砥

Uchigumori Between 1.0-2.0kg random handUchigumori Less than 1Kg
左1Kg-2Kgの菖蒲宗五郎山系内曇巣板
¥9000/ea
右1Kg以下の菖蒲宗五郎山系内曇巣板
¥4500/ea

こいつを、無作為によって出します。一本は持っておいてください!
すぺしゃるです。
柔らかなものから比較的硬いものまであります。
大工刃物とぎでは、鏡面極まりないところでこれを少し当てるとよい地金のものほどお上品に仕上がり、耐久性も向上すると思いますので、非常にお勧めです。
左サイズは40,60のがつめな板,木っ端のがついたで1-2Kgのものとします。
右サイズは80,60の薄板,レザークラスか木っ端のがついたで1Kg未満のものとします。
裁断すれば一人前のものになると思います。
蓮華、なまずとゆうれいからすを持つものもあります。
天井の白について出てくるものです。
山城國鳴滝から菖蒲谷まで採掘された17代目の親方の眠り続けていた原石にあたり、面付けなどの実労はなかおかがおこない、親方の厳しい目で検品していただき押判していただいたものです。
山城國の内曇は武士文化の誕生と共にし、800年近い歴史を持ちます。
鉄の文化・山城國銘砥の文化の下支えなしては、中世以降の日本の存亡をも危ぶまれることだったであろうと思います。
これらの原石は新しく見積もっても戦後間もなくまでの採集品であると思います。
たまに片側を手挽き鋸で裁断した痕跡のものもあります。
要するに電気がなかった時代です。
多くの裁断面を見る限り、巣なしです。
巣から派生するおとなしい筋までも非常に少ないものでなんとも贅沢な巣板になります。
板なりにすっきりしていて鍛えもよくかかり、よろいも無縁の超特級原石から生まれたものになります。謎の語句に関してはブログで検索ください。

at JPY currency
質問 Contact
または、
fujibato.com/d
にてためしとぎ・発注等便利です。
search window
語句で色々検索できます。
よろしくおねがいします。
2008年07月14日 Category : 知っておいてね

よろいとは、巣板の巣の入り方やあわせ砥の目の積み方が研ぎ面に対して斜めになっていたり交差してペケポンになっていることを言います。
832 shinden small renge Ag 3.JPGiyo_and_shinden_2.JPG845 shinden suita 21031 Shinden white Nashiji Suita Ag 2
よろいの例。伊予砥は凝灰岩なんで関係ないですよ。イカンものが研ぎ面に顕著に現れるのです。

もちろん鏨も効きませんし、製品分留まりも悪いです。
生地や硬度もばらつきます。
よろい巣板ではとぎ面に巣がたくさん出てきますし、いつまでたっても巣が消えないのは確実です。
巣板の巣は褐色のおとなしい筋の集まりであったり、空泡であったりします。
これがあまりに集まると、バサバサした触感となり芳しくありませんが、板なりにかたまって出てくれると、簡単に処理できます。サットこすれば退くわけです。
よろしい巣板は、
  1. 巣のピッチは遠くて巣の集まるところと、実のところとの境界も明瞭であること。
  2. よろいは論外で、板なりに平行に走ることが大切。よって巣が出ても処理容易。
  3. 稀にある巣なしは、特級品種。
  4. 明瞭な板なりがもたらす、水を飲まない(吸水しない)性格。
いずれも、よろいがでるとこれらの要件は阻害されますので、まずよろいを避けるということが懸命です。
傾向的に、新田の巣板はよろいが非常に多く、穴の谷や中山は巣がとても近くて、昔はここを発破で砕いて空かして捲ってたわけです。
巣板は横顔が命です。よく観察することをお勧めします。
売り手は、よろいを捌くために、四方を色のついたもので養生したり、台に埋め込んだり、そもそも四方皮付きであったりです。
四方皮付きの場合は、裏面を含めた五面皮付きでかつ板厚が概ね揃うものであって、研ぎ面に目を切った痕跡のような模様が見られなければまぁ無難です。
チョット心に留めて、石をごらんになるとコノヤロと思うはずです。

あわせ砥のよろいも、なかなか鏨が効きません。
非常によく水を飲むものが多くなる傾向です。
板の均質性があわせ砥の醍醐味ですので、このもっともおいしいところが失われてしまいます。
見た目では非常に分かりにくく、原石の状態のものを鍛えるときに発見され排除されることを願うしかないものと思います。
よろいに限ってがついた(厚板)であることが多く、鍛えなおすと斜めに開けるわけですのでペラペラの薄板になってしまいます。
質を省みず、がついたを目指すのであれば、間違いなくよろいから一切鏨を使わず鋸で四面挽き上げて誂えます。
どうしても、ソコソコの価格でがついたを希望するのであれば、がんばりますがお勧めできません。

分かりにくいところがあれば、それについてまた書き加えます。画像はあとから差し込みます
よろしくおねがいします。
2008年07月12日 Category : 未分類

Ioroi 54mm Kakedashi chisel failure 2Ioroi 54mm Kakedashi chisel failure 1Ioroi 54mm Kakedashi chisel failure 5Ioroi 54mm Kakedashi chisel failure 3Ioroi 54mm Kakedashi chisel failure 4
目立つのでリンクの中でつぶやくとします。
8分もありますがこんな感じです。
成功への途中段階ということで、大目に見てください。
しかし、コレを安平さんと共同で一発で誂えになったシンハルさんの有り難味が身にしみます。
ナカナカ鍛冶屋と柄付けやさん泣かせな代物。
ほしい方いらっしゃいましたら、大幅に勉強します。
左の便利籠に投票してみてください。
2008年07月11日 Category : 製品 池内刃物

Ikeuchi Namazori [池内刃物 なまぞり2種 雲流ダマスカスと黒打ち]
池内刃物さんに先日お渡しした図面で誂えてもらいました~
Rは平城京をやっていたときの槍鉋のものと同じでいきました。
薬師寺のものと同じ型です。
小さい槍鉋とお考えいただいていいんじゃないでしょうか?
出る屑は同じくるくるしたものです。
なんと零間鍛造までしてある青二ですから切れ味と粘りは本格的なもの。
鋤は斜め鋤でなく手間のかかる縦鋤で裏押しは横押しとして、裏が際立って見えます。
すべて糸裏で廻っているので、研磨の正確さとむらのなさは画像で一目瞭然かと。
片刃刃物はすっきりした裏でないと、手入れに手間取りますし、初め下ろすのにとても手間がかかります。
地金も比較的硬めで、たわんだりしないようにしていただいてます。
身が薄い刃物ではこれもうれしいところと思います。
彫刻で眉とりとか原寸の墨消しに重宝します。
取りあえず。
雲龍が¥7000
黒打ちが¥3000
位で考えてます。
どんなもんでしょう?

スレッドテーマ:仕事日記:就職・お仕事

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