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2008年09月29日 Category : 野鍛冶様

昨日28日は、薬師寺の慈恩殿にて、西岡棟梁生誕100周年をかねた木魂忌でしたので、久しぶりに奈良に赴きました。
また、元気なときに当日の事は書きます。
そのときに白鷹先生にこっそり、下げて来ていただいた包丁槍鉋です。
先日の槍鉋5本はもうありませんが、仕様は同じです。

皆さん存じる、唯一のお弟子様と多くの外弟子様がいらっしゃいました。
実は、ぼく孫代にあたるところでキバッテイタノデ、よく亡き棟梁の思い出話は聞かされて「わしが坊主のころは、そんなにあまかぁねかったゾ。」とよく怒られていたものです。
怒られにいくような気分であるのも確かです。
奈良は薬師寺系の大工さんがおおいので、当然と言えばそうなのですが。

価格改定にて、こんな感じでいかがなものでしょう?
お手入れ用の伊豫のひとツラコメドど椿油50mlと晒しもセットでつけます。
ないものを、「誂えてね」とおしゃられてもいつになることやら分かりません。
三顧の礼ナンゾでは至らず、何度も酒盛りしたり伊豫の石をコロコロ並べて遊んでいただいて漸くあがったものですので、このあたりで宜しく願いします
刃丈 材種 てもち
伊豫型 5寸 青紙5500 1→0
 5.5寸 60001→0
黒打片刃出刃 5寸 スウェーデン鋼6500 1→0
  5.5寸  7100 2→0
黒打両刃出刃 5寸  6500 1→0
  6寸  7700 1→0
Austria ボーラー
槍鉋
穂丈4寸
総丈尺四
オーストリア 
ボーラー鋼
298002
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2008年09月28日 Category : 大工仕事

西岡棟梁は9/4で生誕100年になります。
毎年、薬師寺系の大工さんや縁のある方が薬師寺に集まるのです。
年の会費は入用ですが、棟梁に関する書籍やビデオを貸し出してくれたり下記のような展示の品物を拝めたりとお勉強になります。

私も孫代の見習い君にあたるので、寄せていただくのですが、親方もそのまた親方も自ら異なる世界に旅立ってしまったり、どちらにおわすか分からなくなってしまいました。非常にキビシ~世界のようです・・・

もちろん白鷹先生も伊予からはるばるこの日のためにいらっしゃいました。
朝の空いた時間に奈良の南方の畝傍山というところの「変性流紋岩が中砥石になるんじゃぁ~。」と原石集めをなさってから、約40Km離れた薬師寺まで電車で10時前には到着。
お元気で何よりと言うか、どうしようもなく伊予砥をはじめとする中砥石がお好きなようです。

 西岡棟梁の1000年持つ建物は1000年育った木を用いねばならぬと言う考え方は有名です。
当然ながら釘もまた、1000年持つ釘でなければならず、高炉による現代量産製鉄では、燐.硫黄.等の鉄を脆化させ中から腐らせてしまう介在物の完全な除去なくしては実現は難しいのです。
かといえども日本古来の踏鞴製鉄法では採算的に不可と言う大問題を、乗り越えるために白鷹先生ともに多くの人々の尽力によって生まれたSMLC材を以って釘の復元も成し遂げ、同時に槍鉋をはじめ飛鳥や天平の多くの道具も復元なさったのです。
先生の多くの復元道具類は総て、300年以上昔のものと思われる和鉄をおろし金して鋼とし、出来上がった多くの作品は、竹中道具博物館で見ることができます。

木の偉人としての西岡棟梁と、”金属の王たる哉”(きんぞくのおうたるかな)と書く、(旧字体の鉄、くろがね)の偉人である白鷹先生は、真の復元を推進める原動力の両輪であると信じてやまないのです。

 白鷹先生は、お会いするたびにいつもおっしゃるのです。
偶然に百貨店の展示場で出会い、東京の木屋から伊予に一日も早く帰って、家業の鍛冶を継いで親を助けるようにと。棟梁に背を押していただいたこと。
棟梁に、槌を握る決心を与えていただき、一介の田舎鍛冶を今日まで鍛え上げてきてきてくれたこと。

また、先生は外出の際のかばんに、お二人だけで写る写真をいつも大切にしのばせています。
私は、思うのです。
棟梁は、の偉人を誕生させるきっかけを与え、先生は全力で棟梁の下支えをなさってきたのだと。
棟梁は先生に全幅の信頼を寄せ、の復元を先生に託していたのだと。
きっとお互いの人生の中で、お互いが欠かすことのできない出会いであったと。

画像を押すと大きくなって説明つけてます。
来年の木魂忌は春だと思います。参席御希望の方はお知らせ下さい。
よろしくおねがいします。

kodamaki2 kodamaki1 Yakushiji craftsman2 Yakushiji craftsman1 traditional inkpot
revivified Yarikanna2 revivified Yarikanna1 Master Nishioka Matster Nishioka letter 1200+old Hinoki wood
kodamaki Yakushiji temple JIONDEN rail meiji era
2008年09月27日 Category : 未分類

五百蔵様と打ち合わせの後、池内さんにご希望の砥石お届けがてら、三木の展示会で遊んできました。
刃物クラブのあったところがそのまま会場。
田中さんは私と歳はあまり変わらん若手。
片刃はことごとく鍛接後鍛造を行っていると言う、昔ながらの方法で親しみやすい価格です。
特にV10あたりはステンと思えぬ切れ味で錆びると面倒に思う場合有効です。
特におおちゃくものの私は柳に御執心。柳=錆との戦いですのでコリャ革命的です。

あとは、shurikenの関西洋鋸の芦原様や池内様とムフフなものについて打ち合わせ。
新しい三木のおかしな品物ができると良いのですが。
何点か案は温めてあるので、数で勝負!か?

めっちゃ感動した長押の首切りを挽いても、お手手が壁に擦れて痛くない三角鋸で超有名な、ヒシカ鋸の神澤様が非常に面白そうな片刃の尺一の縦引きを誂えていたので、これはわたしが、ナンゾの機会に丸のこが届かんところのほぞとりに使いたいと強烈に思いました!
替え刃の全鋼は、首元から中子にかけてペナペナなので、本仕込に比べ腰砕け感と言うか、仕込みもがたがあって、これを使うなら、なまくらに衝撃焼入れをした廉価品のほうをどうしても選んでいました。
神澤様の替え刃の仕込みは、中子の巾で楔状に効かせているので、本仕込のものと遜色なく、板厚も一人前のものからすき上げてあるものと、硬度を少し落として更に厚板のものがあってなかなかムラムラします。
脱着も本仕込と同じように、ねじで締めるものでなく槌で叩くものでよ~く考えられているものだと思いました。

先週の紙面を賑わせた常三郎さんの女子のお弟子さんの頭を彫金した鉋とか男のお弟子さんの頭くりぬき鉋は、写真取るの忘れるくらいすごい出来栄えでそれはそれはたまげました。
たしか1年かそこらくらいだったと思うのですが、私が思うに2人とも天才の域かとても頑張って精進したものであると思います。
年末くらいにできる新しいカタログの表紙に鉋が二枚載っていると思うので見るべしです。
そりゃたまげます。

Tanaka chefknives-4 Tanaka chefknives-3 Tanaka chefknives-2 Tanaka chefknives-1
ほんまの鍛接鍛造物ですぜ。一番右の分厚い塊から、鍛説して叩き延ばす手間は想像を絶するものがあります。

Tanaka chefknives making rust experiment-2 Tanaka chefknives making rust experiment-3 Tanaka chefknives making rust experiment-1
青でも四半日で良く錆びます。池内さんがコメドで錆取りして遊んでいます。
左のステン+V10が新製品!!!これは私も一本買って田舎で刺身するのに持っておこうと思います。

Tanaka chef knives the 1st prize in UK -1 Tanaka chef knives the 1st prize in UK -5Tanaka chef knives the 1st prize in UK -4
実は、UKではV10積層三得165mm5.5万!!?それだけの価値はあるということです。

Ikeuchi shuzon kiridashi made of 350+ years old aucentic Japanese nail Watetsu池内さんのおやっさんが和釘から鍛え上げた地金の小刀
2008年09月20日 Category : おしらせ

tag : 伊予砥
本日午後10時より教育テレビにて 今日は、テレビのお知らせもかねてお邪魔いたします。 中岡が奈良でお仕事を習っていたころから、応援先工務店としてよくお世話に なっていたところの取材です。 奈良の生駒の本堂の工事です。 私も年末に、例の虹梁(化粧梁)の刻み~まるめや眉付け仕上げ、マス組の墨 付け加工、向拝の軒周りなどで応援させていただいた建物で、あと2.3ヶ月で落 慶かな?です。 お暇でしたら見ておいてください。
2008年09月16日 Category : 砥石

IMG_2760鳴滝正本山

手挽き

100歳?

罰が当たります。
しこたま、DVDで頂いた画像上げておきますので。ご観覧ください。
世界のいずこかにおわす、日本の砥石のファンに頂いたもので、UPの了解得ております。
お気の毒で、返事に困ります。
日本語の婉曲表現も手に負えない有様であるのに、外来語でとなると万歳おてあげ。
砥石は安い消耗品ではありませんので、ちょっと頑張って勉強していただくことをお勧めします。

鳴滝を冠する砥石は、必ずしも鳴滝産ではありません。
80年以上昔だったと思うのですが、とある論文中で、京都の仕上げ砥石となる粘板岩群を"鳴滝石”と総じてよんだことが、ことの始まりと思われ、どこの粘板岩から出た砥石でも鳴滝正本山産と表記されるおかしな習慣が出来たと聞きます。
鳴滝石の呼称から、鳴滝の石というのであれば、これは、完全に駄目とはいいがたくなんともすっきりしないグレーゾーンです。
しかし、買い手は京都市内の一番王城に近しいところからでる物として解釈しているのでしょうから、気の毒です。

エライ残念がっていましたが、「オジャパメンのおかしな紛らわしい習慣でそう呼ぶのだから完全にパチモンとは言い難いがしかし、100歳手挽きは目に余るのは確かで、それはそれは悪いオジャパメンがおるもんだ。お勉強してね!!とまぁるくお伝えしておきました。」

残念~
2008年09月16日 Category : 砥石誂え

Aoto hatchet-1Aoto hatchet-4

Aoto hatchet-3Aoto hatchet-7

Aoto hatchet-6Aoto hatchet-5

青砥ヨキです。頂きました!
昭和30年代ころまでは、側面の鍛えに使われてました。
この連休、皆さんがお休みの間、伊予の山主様と私は頑張って働いてかわいい伊予砥を何丁か誂えました。
伊予にはちいと硬くきびしいですが、その中に、ヨキではつったものも作っておきましたので、大昔の物っぽく楽しめると思います。

大昔のとか戦前のといった言葉を関する青砥は、ヨキではつった跡が付いているものだと思ってかまわんと思います。
Aoto specimen-7

青砥ではこんな感じ

 

2008年09月14日 Category : 野鍛冶様

私は、仕事で奈良に通いすぎて、運転が嫌いになったので、いつもフェリ-で伊予にいくのですが、なんとドック入りで欠航。
ついてません。
仕方なく高松着に乗り込み、高松を走ると、道の太くなりようにびっくりしました!!
しかも、青の行き先とか書いたよくある看板がLEDかなにかで光ってるではないですか?
あんな変わった血税製の看板は、始めて見ました。こっちでも見たことありません。
うどん巡礼に良く通いましたが、ここ最近立ち寄らずの間にえらい変わりようです。

伊予は、とても良い石がたくさん出ました。
上尾にもやんわり目のあるものが出てきて、誂えるのが楽です。
ピンクで華のあるものが出来ましたゾナ。

この日のために改良を重ねた伊予挽きマシーンの完成度が思うようにいかず手間取り、白鷹先生のお宅にお邪魔虫したのが、19時半。
ビールグビグビ遣りながら、いろいろ頂きました。
飲酒でタイポはご免なので、こさえるところが見たいと言う変わった大阪の包丁やさんに運転していただき、出たのは11時半。もうヘロヘロあんまり覚えてないかも。
いろいろ、お話頂戴いたしましたので忘れぬうちに書き込んでおこうと思います。
包丁は、もうちっと待てということです。価格も改定です。。申し訳ありません。

白鷹先生釘[Nail]これは、双頭レール。詳しくは過去記事を検索。
常三郎様と白鷹先生に感謝です。
かっちょえー額に入れていただいたもの、頂きました。
クリックして見えるのは、東大寺和釘。米軍の弾薬容器の中に入れたまま30年以上忘れてたと言う、先生の作品の中でかなりの骨董物。なんともおちゃめです。

白鷹先生[本)今月1日できたてホヤホヤ。
これは読みなさい。
もう生誕100年なんですね!28日には奈良に行こうと思います。



白鷹先生 [Master Shirataka]オーストリアボーラーの鋼!
センでうらすき仕様。いつものハンマーワークで仕上がりのものではなくて非常にお手間頂いております。
甲は槌ではたきっぱなしです。
これは頂きました、数本あるのでいかが?
ボーラは戦時中に砲身をくりぬくためのバイトを大日本帝国に納めていたことで知られてます。
いつの時代のボーラーかわかりませんが、とても古いと言うことは確か。
槍鉋用のものは、もちろんバイト鋼ではなくて炭素鋼。
2008年09月13日 Category : ahonakoto

Iyo planter 08Sep5Iyo planter 08Sep4Iyo planter 08Sep3Iyo planter 08Sep2Iyo planter 08Sep1
伊予鉢




伊予さまで作った鉢9ヶ月目です。もうコケはがっつりついて外れません。大きいものは最近のもの
水盤に魚入れたりして、遊びます。
結構、海外Dealer様の目に留まり引き合いをいを賜ります。
伊予の作り出す水盤のPHとかろいろまだ調べていかねばならんです。
魚は強く溶存酸素量が厳しくとも、よく忍耐する赤ひれです。
悪く言えばモルモット的な、様子見です。
今のところ元気なので、そんなに不味い水盤ではなさそうです。
願うところは、彼らの代謝物が伊予を伝ってコケにとっておいしい肥やしになればいいかなと考えてます。
机上ビオトープとして伊予さまが丘と水溜りとの橋渡的役割を果たすことが可能であれば、素敵なことだと伊豫魂的に思うのです。

水を継ぎ足して、肥やしはなしで、えさだけあげるという管理方法ならいいかな?と。
夏は、ぼうふりゃ~が沸くので、こいつ駆逐用に魚を入れたというのも本音です。
加えて涼を感じさせてくれ、ホントよく水を吸い上げるので、冬は天然加湿器にもなります。

 あとは・・・Factory  vegetable が讃岐に大きな工場ができ台頭したという話を以前聞いたことがあるかもしれません。イメージしていただくことは、日のあたらん閉鎖的なお部屋で液肥と赤いLEDを24時間営業で当てて作るお野菜と考えてもらってかまわぬと思います。
コケにも当ててみたいかも?と思ってしまったのです。

少し思い出していただくと「あ~にゃも~」と思うはずです。
信号機!!すごいスピードで、LEDを連結した物に置き変わってるはず。
もう、信号工事ばっかりでです。
「知らん」と言う方は、ずばり田舎ということです。
間もなくして必ず、蛍光灯が過去の産物として没し、あんな感じの代用品が席巻し、当たり前のものになると思います。
波長[色]、照射拡散角度などなどLEDは自由自在に変えることもでき、もちろんUVをなしにも出来ます。
うん、電気も非常に食わないし残業し放題です。恐怖の時代が訪れるかもしれません。

2008年09月12日 Category : 野鍛冶様

Yamawaku Japanese traditional nail[山湧さんの和釘]山湧さんの和釘。
折釘
240と300mm
めでたく末広がりな八寸という意味合いのものと、お伊勢さんの尺でたくさん誂えていただきました。
棒手裏剣には、五寸僅かに切れ位が良いようです。
20年に一度の例の伊勢神宮の立替工事の際に納入されたものと同じ型で、9.5寸が2000本!
尺が1000本納められたとと聞きます。
手がおばかになって相当辛かったとおっしゃっておりました。
現代鉄である極軟鉄の角ものを赤めて自由鍛造の技でひとつひとつ誂えになります。
大変です!想い出作りに一本いかがですか?
240mmは170g
300mmは300g
白鷹先生のものとはまた違った風合いです。
材はまったく違います・・
2008年09月11日 Category : 砥石

1181 Yamashiromeito Yellow phantom Karasu皮付きの石で、かつ層の積み方もそれに平行で、研ぎ面も同じくこれに倣うものであるのであれば、皮が昨今の品質や産地偽装に対抗する、品位と生まれを示す石の絶対的な履歴書にあたります。
コレに面付けすることは極めて罰当たりなことです。
皮のところで鍛えて開けて特級の鉱床の出であるとわざわざ見ていただくように作ってます。
付けはしては駄目です。
本当の本山の石の皮は、すっきり平面で冴えた色の皮が殆どです。
本山の石で鏨を当てて鍛えて開けるところの多くは、皮のところです。
どちらかの皮をめくって、研ぎ面とします。
端っことかを除いて皮けつが平面状であることが良い砥石の条件です。
それで、皮のある石が好まれます。
四方八方鋸で挽き上げるといったことは、まずいたしません。そもそも裏と表の二面は美しく平行に展開するので必要ないのです。
本山を謳い、全て挽き上げ面のものであるなら、Passが賢明かもしれません。本来する必要がなく、無駄なことをしているということなのですから、鏨がかからないような石とか目が木目状になっているものの疑いが濃厚なのではないでしょうか?
本山の石では、皮は決して偽ることの出来ない履歴書であり、商品価値の一部分になります。

Yamashiromeito atsugane kiba-2何枚かに一枚張り付いているあつがね。厚い石英質の層だと思ってもらってかまわないと思います。
キバともいいます。これは、さすがに弾いてしまいましょう。
鋸で挽くことは不可能です。
火花が激しく散ってチップが砕けて、一太刀すらいれることがかないません。
現代工具で切ったので明らかな断面を見ることができます。
コンナモン平成の世でない限り見ることができない画像です。

Yamashiromeito atsugane kiba-1
はずした物。
正本山=山城銘砥=梅ヶ畑東部=鳴滝~菖蒲谷東部のよい石は、どう鍛えてもこのように一平面にすっきりがついてきます。
わざわざ裏面に面をつける必要性もなく、かつてはこれ自体が血統書として物語るものでしたので、これがないものの値は、がた落ちになっていたと聞きます。
色や見た目で偽ることができても、は作り出したりできないわけですから、ここをよくご覧になると欺かれることなく済むと思います。

 皮がないものであっても、美しく鍛えがついているものとかを選び、最低でも引き上げた鋸のあとがあるものだけは避けたいところです。
木津山、菖蒲高山、愛宕系も本山と同じ皮ですが原石の質は大きく異なります。
ちょんまげが取れた以降のころの山で、本間一族ゆかりの山でもありません。
これらは、東物とか本山と呼んではホントは駄目と聞きます。
菖蒲谷は、長四郎さん含め東側が、(天砥、裏大突、五千両、宗五郎、巣板口、尾崎、穴の谷)本格的原石になります。
高山とは、わずか谷ひとつ数百メートルなのですが、天地の差。
愛宕山の東に、二本の種類の異なる鉱床があるということになります。

皮けつに多少不陸がある場合、そこを、円盤で落として座りを良くしてます。
拡大して□の枠のところが当たりを取っているところです。
少しの手間ですが、とても使いやすくなるので喜んでいただけます。
真心作なり~。
研ぎ面は、中高で作ります。
石の作り手にとっては当てやすく石の直感的素性見やすく、使い手には、のみをわずかに凹がたの刃先に出来、角切れよく墨線狙いやすいです。
鉋は半身ずつ研げば、背引きの柱を攻める鉋として凸にできます。
また、凸の刃先を修正するのも容易です。
斜めとぎをすれば、片刃になったものの修正に便利です。
中砥石でまっすぐの刃先にしていることが前提ですが。
2008年09月09日 Category : 砥石

Aoto forg-2良い青砥の原石があったので、傷を確認するために、チョイばつり。
白い筋が出てきてだ~め。
これは石英質なのか?
硬くて刃に傷が付いてしかも根が深いものになります。
更にぐるり一周通る性格があるので、原石自体の値打ちががた落ちします。
概ねポイされるか、見切り捨て値価格となります。

Aoto forg-1反対側まで白い筋が抜けててアウトです。
はつりのタンガロイのチップ刃でも、結構痛んできます。
重ね重ね残念!




青砥の中の白い筋は、ぐるり貫通していることが多く、とても硬い筋なので刃に深い傷がついてしまいそのままでは使い物のになりません。

茶色い筋は、おとなしいです。石の肌が入り込んでいるもので、濃いものが明瞭に一周廻っているものであれば、そこでポッキリ折れてしまう可能性がありますが、よい青砥でまわりこんで入っているものは少ないと思います。
槌で叩くとポクポク面白い音がするような石にはこのような筋が廻っている事が多いです。

研ぎ面は、柾目に使います。仕上げ砥石とは反対です。
木目でも使えんことはないです。
993 Aono Aoto Au6(黒いゴマ)
特級品によく見られる、白いゴマのような斑点とか黒いゴマのような斑点が入っているものがあって、これが柾目の目印です。

青砥自体が、とても硬いものでない限りよく水を飲む石なので研ぎ感と使用感が好みでないと思う方も多いと思います。
干上がってしまうと、どうしても不意な傷がつきやすくなってしまうのです。
これは、青砥の特性としてご理解ください。

硬くなってくると、多くは黒っぽくなります。1085 Aonokotani Aoto black hard 5.5Kg Pt
(こんなかんぢ)
袋状であったり青野山の場合、合わせ砥石のようにつる状であったりする青砥鉱床の芯にあたるところが、硬くなる傾向があって、周辺部は風か入って(空気と雨水による風化作用と思ってね)赤く柔らかで生地も大味になります。
佐伯砥は東隣の猪倉、門前砥は湯の華温泉近辺でマンガンやタングステンとセットで出ました。
青砥も含め、この三種類の砥石の生まれは市内の合わせ砥石と同じく粘板岩で、たまたま花崗岩が下から突き上げてきたときに接触変性を受け、高温高圧状態に晒され焼け焦げて黒っぽくふわふわに仕上がったと想像していただいて問題ないかと思います。
それで小高いモッコリした山の裾野からてっぺんまで多くの断層に断ち切られながら散在して産するという実情となるのです。
育つ過程でよく煮えたものが青砥系統でよろしい火加減のものが合わせ砥石。
青野のお山と谷一つで対峙するお山からは良い合わせ砥石が産します。
このあたりのお山は良く動いたということなのでしょうか?

よく煮えた三兄弟で一番細かい生地のものは青砥で、それぞれ風の入り方によって赤から青~黒とあったわけですから、大体6種類あるということになります。
赤いものが門前砥と思われがちで、実際青砥の赤いものは門前砥として世に出ていたことも事実です。
実際の流通での扱いは、色とか生地で名を割り振られていたことが実情のようです。

994 Aono Aoto crazy yellow Ti  4青砥職人暦50年の方が8本だけ獲ったといわれる黄色い青砥もあります。
こんなもんは例外中の例外。

よろしくお願いします。

大きな地図で見る
2008年09月07日 Category : 大工仕事

450mm circle saws resharpen-1いつもお勉強させていただいている小僧のご奉公で目立てをやります。
青砥とか伊予のころころ芋の型の石は、尺五寸丸以上の大きな刃でないとお話になりません。
デカイと目立て単価はRに比例しますので、とても高くつきます。
これも私で処理しますので、品物単価が下がるわけです。万歳

450mm circle saws resharpen-2頭抑える式と立ち上がりのほう攻める式あると思います。
立ち上がり攻めは、切り込み先端までの距離の変動が少なく済みます。
頭押さえは、押し込んだだけ、小さくなりますので研磨しすぎでは、刃がヒットしなくなるのです。
よって、基本的には、頭押さえは避けたいです。

450mm circle saws resharpen-3この場合、立ち上がり攻めると、チップがなくなるので、頭押さえ。





450mm circle saws resharpen-4これは新品を一度使ったもの。
木工用チップソを流用して使うのですが、石の場合波打つわ、刃持ちは最悪わで、使えたものではありません。
先端が局所磨耗し、飛んでいるのがわかると思います。


450mm circle saws resharpen-5それで、鈍角に変えていきます。
とにかく頭押さえをしないと話にならんわけです。
角度しだいで、刃の振れ、永切れに大きく差が出ます。
被切削材の手ごわさによって、立ち上がりの逃げ角とかも変えねばなりません。
大きく影響するのは、やはり頭押さえ。

 正確な切断を要するものには、勘で目立てはよくないと思いますが、2.5寸(30P) 4寸(35P) 5寸切など木工用の大きな丸の縦ばかり引く用途の丸のこの場合、いつも勘で目立てをしてました。
出張に行かない限り、丸のこ目立て費用も大工個人持ちだったので、大きな丸の目立てはその日の御手間賃の大方を持っていかれるので、死活問題でしたもので、かなり頑張りました。
縦専門にチップ数を飛ばして、研磨もくず抜け、熱抜け重視で研磨すると既製品の倍近くの速度でひきあげることができ、破風や軒先材などの曲線切も思いのほか走ります。
縦で丸のこ本体を燃やしたり、のこ刃が熱で腰砕けになるのも回避できると思います。
手本は、既製品の縦専門がいらっしゃるので、是非やってみてください。
出費が減ります。


2008年09月06日 Category : 包丁

Ikkanshi knivesかの『包丁と砥石』という本で有名であったり、世界一の包丁として名高い一竿子さん。
真砂鉄ヤスキ白の超レアメタルから生まれた包丁などで耳にしたことはあると思います。
でんぷんのりで固めた砂鉄お団子から生まれる何かのお話に出てくる、真っ黒くろすけにそっくりな海綿鉄から、鋼を作っていた失われたといわれている製鋼法の時代のものですから、存じている方にとってはたまらんと思います。
わかんない方は”海綿鉄”でブログない検索してみてください。
これはその海の向こうと大阪代理店の方の包丁。
INOXという銀紙でハイカーボンな包丁では、青砥が全く掛からぬので、何ぞならぬかとうことで伊豫砥石のあれこれで、果敢に挑みました。
おやつ時から日が変わってしまうまで、研ぎ倒したり、いろいろお話をしたりであっという間でした。
Cr(クロム)含有量が取り合えず突出した高度合金鋼で更に1wt%をゆうに超えるハイカーボン不錆鋼であるヤスキのINOXは銀に属するながら、その熱処理も相まって、異端てきな印象を受けました。
ロックウエルのCスケールHRCで63-64を目指すと聞きます。。
大工刃物の鋼のところのかたさくらいでしょうか?
当然、耐摩耗性もずば抜けているので、大方の砥石では太刀打ちできぬようです。
伊予でも、コメド砥クソはるか、サブマリン式に自身が身を呈し砕けながら新しい研ぎ面を常に提供できるような健気なものでないとしんどいです。

 しかし、どれもこれも切れ過ごします!
包丁というよりはかみそりです。
私は、伊予をこすり付けて下りる?下りん?の分別くらいしかわかりません。
これは、包丁の研ぎを学習するべきかもしれません。
今回は、伊豫のやわ目でおろして、目〆で揃えて、画像の山城銘砥の非常にがついあいさで合わせてみたのですが、新品のときの切味には及びません。無念ナリ。

とにかく、一竿子の包丁を思いのまま握れて研がせていただけるということだけでもとてもハイソサエテーで幸せなことであることは確かです。


2008年09月06日 Category : 砥石誂え

1399-51399-6


 このムラなき光沢皮膜をご覧ください。
石ちゃんで作り出すことができます。もちろんウレタン系でもアクリル系でもありません。
この電話帳を横から眺めたようなすばらしい巣板は、なかおかが鍛え損なって、半分くらい!!口が開いてしまったので、石さんで引っ張りたくったものです。
だめじゃ!とおっしゃらず、これだけ板成りすっきりしている物ですから、ここまで使ったたときに一擦りで、ちゃんとした面が出ます。よって問題無ということで考えてください。
目があばれたくっている巣板が多いものです。目だけでもらっき~です。

 本題です、石ちゃんは白衣着用が生業のお友達に、一般塗料とは相反する要件を達成するように誂えていただいたもので、当初はカナリ難儀しました。
その要件とは、乾燥時に小さくなってほしいこと!
この一言に尽きます。
しかし、当然ながら小さくなるのですから、濃いまま塗ると収縮差異ができるのか?、剥離しやすいのです。
それで、ちょっと面倒ですが思いっきり薄めて何度も塗っていきます。
更に、層上がり(剥離)のようなところには、粘度が下がっているので、深部にいきわたり調子よく引っ張ってくれます。
もちろん同じ理由で刷毛ムラも出ないわけです。
あとは、ちょっと根気が必要ですね。
コノ子には5回チャレンジしました。
明らかにちょっと弾力あってつるつるで、塗幕は剥離しそうにありません。
濃度を薄めてがっつを濃くすると、びっくりするほど出来上がりに差が出てくると思います。
浸透させ引っ張りを重んじるのであれば、4倍くらいに薄めてください。
一般使用でも最低2倍以上薄めます。
通常使用では、一瓶で正味かさ高は0.5Lはゆうに越えてくることになりますので、再び購入するという場面には遭遇しないはずです。
京都で砥石を採掘なされていらっしゃる方にもお使いいただいておりますが、ずいぶん前に1Lお渡しして以後なしのつぶてなのです。

 油壺の油しみこみ防止用には、触るところではありませんので原液を気の済むまで何度も塗っていきます。
乾燥時間が早く楽です。

 思いっきり捌いておいていまさら、補足させていただき申し訳ありません。。
たくさん消費してもらうように黙っていたということでかんべんしてくださいね。

2008年09月05日 Category : 未分類

Iyo55 155 30
55*155*30mm
手ごろな伊予です。
三木のある所に出るのですが、何とセットになるのかお楽しみに。
2008年09月05日 Category : 未分類

foreign stone-3foreign stone-5foreign stone-7foreign stone-2
foreign stone-1foreign stone-6foreign stone-4

遥か西にお住まいの方にいただいたものです。
世界にもアルカンサス以外にいろいろ砥石があるようです。
一番右が中国産
中と左がベルギーかギリシアの砥石だそうです。
右は、サッパリ・・・下りないような気がします。
あとは、ぎらぎらに光りますがものすごく針気があります。
全鋼むきなんでしょうか?
謎です。
試したい方いらっしゃいましたらお貸しします。
2008年09月02日 Category : 未分類

う~ん2月くらいお待たせさせていただいていた手裏剣ですが、なかなかGetできません。
しかも、8月に遊びにいらした問屋様になぜか?スッキリしていただき残るはこれだけです。
18歳未満への販売はダメということと箱から出して遊ぶのもだめというお約束です。
あくまで忍術道具収集や参考のためのものでWeaponではありません。
厚さは3mmくらいと思います。思いのほかの方がほしいとおっしゃる方がいらっしゃるのでちょっとびっくりです。
ニンニン

shuriken 手裏剣 shuriken 手裏剣shuriken 手裏剣shuriken 手裏剣shuriken 手裏剣

 紐の縛り方がわからんで、困ったしましたが、慣れれば簡単です。
shuriken 手裏剣



7種類各2種仕上

棒手裏剣は一手のみ
Type 対角長 Max length
A 100mm
B 90
C 110
D 110
E 230
F 140
一枚一枚手作りのため、在庫ないあい2-5週間かかります。
2008年09月02日 Category : 鋼材

今日は、多少さびにくくもしてくれる黒染め液で遊んでみます。
いろいろ試して何種類かあるのですが、本職用の濃い~やつで良く染まると思います。
その代わりドギツイ液なんで、手袋とか眼鏡とか着用よろしくです。
塗る回数とかコメド研ぎ出しと併せて、手加減しますといろいろ好みのお色気が出ると思うので楽しんでみてください。

Black stain-1
黒染め液。700円くらいでどないでしょ?
リクエストお待ち申し上げます。
ハワイアンブルーでとてもおいしそうですが、約PH1.5なんで危険です。
飲むのも飲ませるのもダメ。
味はともかく無臭のようです。
容器込み55gでどうぞ。

Black stain-2
管理と作業性の点から綿棒で塗ります。
原液付けおきが良いとされます。
しかし廃液処理とか困りそうなんで、綿棒でいかがなもんでしょう?
こするとよりよく色変わります。
こするうちに液自体が黒く染める作業に費やされて、薄くなるので少しずつ何度もつけるのがいいかもしれません。
油気は染めむらの原因になるので、きれいに脱脂しなくてはなりません。
伊予のコメドで予め擦っておくと、すごく良く染まります。

Black stain-3一回さっと塗るだけでこんな感じ。

Black stain-4真鍮の場合。一回目。塗り立てほやほや。

Black stain-5一回目で怪しい色合いになりました。

Black stain-6一回目。青みを帯びたというかなんともいえん色です~。しのぎの部分には塗ってません。

Black stain-7水洗後もう一回塗ると、渋くなりました。しのぎの部分にも塗ってみました。

Black stain-8真鍮二回目では、黒光りしてすごくいい色になりました。
写真でうまくお伝えできないのが残念!!! 

<--今度は傷んだ鉋刃でやってみましょ~>

black stain-9さびさび鉋刃

black stain-10伊予のコメドで磨いてさびおとし。
漉き取りの方向にだけ動かすようにすること。
こんな感じのコメドの小さなものももご希望の場合お付けします 。
黒染めさんのよき右腕となると思います。

black stain-11適当に一回目直後

black stain-12二回目

black stain-13水気+伊予のトクソを載せてさらしでみがくと、無駄に黒いところとむらも取れてきます。
自然な感じに近づくといえばいいのでしょうか?

black stain-14黒というよりいぶし仕上げっぽい?
回数を重ねてまっくろにしてもOKですが、個人的好みでこういう感じでいかがなもんでしょう?


             

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