新田巣板
新田巣板は、江戸中期からある尾根東口の大平より更に上がったところにあり、大平にとても近いところにあります。
しかし、鉱脈の成り方は、斜めに傾いており、板なりの層と30度くらいで交差する総があって、鏨であけることは難しいです。
これは、非常に特徴的です。
このため原石から、製品とする際非常に歩留まり場悪く、原石にそのまま面付けたものが多い理由も頷けます。
裏側に槌目をつけて鍛えることも、なるべくしたくありません。
妙な層の交錯が、鉄華繚乱と評されるような他に類を見ない研磨力をもたらす要因ではとも考えております。
やや柔らかから東の巣板並みのカチカチのものまで一通り産しますが、面白いほど蓮華巣板は出ません。
梨地の巣板は少しでます。
筋も結構枯れており無難で、砂など出てくる確率も低いほうです。
生地も予想外に細かくて研磨力はずば抜けているので、高島のあと若しくは東の硬い砥石手前の中継ぎにもってこいです。
職業向きに、もちろんそのまま仕上げとしてもよいものです。
見た目は非常に奥殿に似ているものもあります。皮けつの発色も明るくさっぱりワカリマセン。
私が誂えたものは、新田の原石から一つづつ誂えたので混ざってしまうことはまずありません。
すわりが悪かったり幅が不均一ですといくら大きさや重さが有っても、かえって使いづらいだけとなってしまいます。
「幅を裁って、ソコソコ据わる形にしてほしい。」という多くのご要望をうけ、なるべくご希望に沿う形のものを誂えて行きたいと思います。
よろしくおねがいします。
硬め裏表で研ぎ。
やわらかめ
見た目の華やかさには欠きますが、実力本位の巣板であることは間違いありません。
研磨力はどれも最強ですので、後は使用目的に合わせた硬さで選ぶとよろしいかと思います。
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