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2007年04月27日 Category : 鋼材

 一般に包丁鉄と呼ばれるものは、たたら製鉄で砂鉄から製錬された鉄で炭素度数が極めて低いものを指すようです。この度包丁鉄から地金を作って見ようという事で、五百蔵さんが集めていた和釘を備前長船日本刀傳集所上田先生に託して、今回はおろしがねせず、井桁に組んで弱い火力で赤めて、浸炭しないように気をつけながら、鍛えていただきました。
羽口(ふいごの空気が出てくるところ)の近くですと酸化的雰囲気ですので炭素分が鉄に溶け込まず、表面から抜け出やすくなるようです。
炭素が入っていない鉄はたたらの際、どちらかといえば鋼より多く取れて土蔵の丁番やお寺などの吊り金物など硬さよりも粘りと鉄そのもののかさ高さを要するものや、桑・包丁・生活道具一般の地金として使われ、先のほうに僅かに付け鋼され、無くなればその都度付けると言った具合で、使われていました。
和釘も鋼にならなかったものが使われますが、火造り鍛造の際に手早くたくさんこなすやっつけ鍛造とも言えますので、高温寄りとなり先端の細いところがどうしても煮えて、浸炭(吸炭)して先だけ鋼となり現在では鋼にも地金にも使えない曲者と呼ばれます。
では、土蔵やお寺の山門の丁番を使えばカサ高く手早いのですが、今では殆ど文化財の先生に没収されますので現実的ではありません。そこで瓦釘や地垂木・飛えん垂木を固定している大きめの釘が狙い目となります。
釘の出所は、京都の大手宮大工さんの集めたもの。職人同士懇意にしている鍛冶屋さんの下には、色々面白いものが集まります。
私の集めたものは小ぶりが多いので、先に鋼にしていただき五百蔵さんにお渡ししております。

8.6Kgあった釘が4kgくらいになりました。
これが上田さんの鍛えおわった物。寸八鉋向きのブロックで6・7枚です。



なぜカサが減るのか?



 井桁に組んでいただき、叩いてお互いひっつけて、幅2.5寸くらいの延べ棒にして、これを薄く延ばし、長くしていきます。
これを、なるべく酸化的雰囲気下で赤めていきながら脱炭(炭素分燃やし)させます。
表層近くから脱炭します。折り返し鍛錬で表層に出るところを毎回変えて行きますと、良い感じ。
傷消しより脱炭重視で折り返す事5回、元が井桁組みなので実際刃物にしたときにどんな模様が出るかわくわくです。
費やす事一日半と火力控えめ雑木炭10俵(12Kg/俵)なくなったそうです。
延ばすという事は、表面積が大きくなりますので、その分脱炭させやすくなりますが、酸化鉄が表面に付き、それを水蒸気爆発で飛ばしながら折り返し鍛錬していきますので、酸化鉄で飛んで行った分目減りするのです。


頂く際にお電話いただいたのですが、「とても柔らかで粘りありいい鉄です。おそらくは江戸初期か、もしかしたら室町の鉄かも知れない。」と話されておりました。
これはおどろきです。出所は報告していませんので、いつの物かはわからない筈と考えていましたが、鉄に聞けば判るのですね。建物もそのころのものですから、ばっちり正解です。
400年を超えたころの鉄が一番質が良いと良く聞きますので楽しみです。


 是非、備前長船日本刀傳習所さまのDVDはご覧になってください。3回くらい頑張って見ますと、私にも少し理解できたようなきがします。見学にはよく行くので、更に理解しやすくなりました。
「日本人に生まれてきた事もラッキーかな?」と感じると思います。お仕事場はとにかく暑いです。お弟子さんは根所焼きのような火傷が絶えません。皆さん魂が入ってます。


 連休明けには五百蔵さんや常三郎さんにお返しして思いのままの作品作りに役立てていただこうかと思います。よろしくお願いします。 



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