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2007年05月20日 Category : 大工仕事

 五百蔵さんの木目仕上げ槍鉋は、常三郎さんの明治22年以前製造の地金を使うことで面白い模様が出ますが、鑿鍛冶さんは穂だけしか作りませんので、柄は外注です。


しかし、長いものが無くて、特注扱いで4桁半分近くまでコストが掛かります。
2尺の柄でも4桁寸前かかるといわれ、以前より五百蔵さんに「あんた、作ってみ~」といわれておりましたが、このたびお買い上げのお客様より、柄付けや鞘付けの依頼を頂き、頑張ってみました。実践では、2尺5寸以上ないと使いにくいので個人的に長尺でつけることにしています。
長すぎる場合は切ればいいじゃないですか!短いのはどうにもなりませんから。
私が、奈良にいたころ見習い雑用として親方のものや、兄弟子のものまで沢山作りましたが、5・6年ぶりに作りました。


柄の作り方は二つ方法がありますが、今回は昭和初期の桐ダンスの廃材を地元の桐箱屋さんより拝借して、これを柄とします。厚さが5分くらいなので、二枚張り合わせる方法を今回は選択しました。
鞘は、木曽ヒノキ切れ端です。例の寺の格子天井をした際の、きれはしです。


桐の五分板に芯墨を付け、下半分と上半分をあてがい鉛筆で一周します。単純ですが無難かと思います。


鋸目入れ。おおちゃくして、その辺に転がっていた265横挽き替刃で・・・


埋め木鑿が便利かと思います。


下が四角で上が三角。分けると楽です。糊を付けてクランプで挟んで置きます。このとき一度穂をセットした状態で、締めます。締めると糊が湧き出てきますので、穂を何度か抜き差しして、不要なのりが出ていないか調べましょう。薄めに糊を塗ることと、接着面に少し筋彫りしておくと、非常に接着力上がり、湧きでにくくなります。


乾くまで暇なので、竿の切れ端の上に刃を押し付けます。


穂のRに沿って帯のこで挽くと後が楽。


同じくして、頑張りました。


帯のこで柄を丸めてから、適当に鞘も荒成形。これ、帯のこだけでここまで仕上がります。私の帯のこは日立CB65Fで8寸の高さまで製材できますが、現場用可搬型です。応用しだいで色々出来ます。
ここでの丸めたり、鞘の山形などを取る方法は危険いっぱいなので、秘密とします。
ぼちぼち削るか、鋸目を沢山入れて、折り取るほうが安全です。


あとは、ガサガサしたところを鉋で仕上げて出来上がり。当日鉋無かったので、のみでそりのところ仕上げました。乾燥時間おきながら約2時間仕事。パワーオフマシン!帯のこ万歳ですね。
トウや紐巻いてあげると尚良いかと思います。紐を刀の持ち手のところの巻き方で巻いて、石ちゃんで塗装しますと、切れることはなくなります。しっくり固まっていい感じです。石ちゃんは実に多用途ですね。



太ちゃんです。


下側を5分伸ばすと、安心して扱えます。挿すときは、伸びたところにおいて前に進めてOK。 抜くときは、柄をしっかり握りながら、親指一本で押して抜きます。
片方は柄、もう片方で鞘と言った具合に両手で、抜きますと、ぱっと勢い良く抜けたときに反射的に元に戻そうとしてしまうので、良くお手手に刃が刺さるのです。なんどかこういった具合で怪我をしてしまった先輩方を目撃しているので、スリッパ型の鞘を片手の親指だけで抜くようにする方法をお勧めします。


これは鋸の柄。普通に紐巻きです。石ちゃんで固めて、撥水・防汚・耐久性向上。槍鉋の柄は最終的にこのように、鍛冶屋さんの梃子の巻き方で仕上げました。梃子巻き方も二通りあります。


石ちゃん!石養生・油壺の油染込み防止目止め材などなど実に多用途。手に入れて後悔なき逸品であると思います。

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おはようございます。
あのおやじは太一ちゃんですよ。
モチモチふくよかさんですね。

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