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2008年10月07日 Category : 大工仕事

はい、お待たせいたしました。
というよりも、奈良の現場が落ち着くのを待っていたので、半年以上放置の件となって申し訳ないです。
砥石の台の俺式こさえ方とはナンゾ?との質問にお答えいたします。

吉野のひのきは、ある意味世界一の銘木であるともいえるかもしれません。
吉野の山麓にて日本の国は興り、王城の伽藍を築き上げる為に樹齢1200年を越えるひのきが使われてきたというお話は、法隆寺の大修理などで知られることです。
ギリシアの文化を色濃く受けたエンタシスの柱も吉野のひのきです。
多雨湿潤であり四季も巡り、地震・台風国であるわが国は、建築にとっては過酷極まりない環境でありながら、世界最古の木造建築を守り抜いたのは、同じ環境を耐え抜いた吉野のひのきと飛鳥人の英知に他なりません。
単純に考えると、2400年以上昔に生を受けていたということになります。

飛騨の大工さんのところでよくはたらかせて頂いたので、木曽(尾州)ひのきもよく切り刻みましたが、脂身が控えめで木理がすっきり通っており、非常に美しくアテ(木の中で局所的に力のたまったところで、通常は良くないが、使いどころを考えると頼もしい)の散在も少なめと思いました。
材は少しさくかったと思います。
内法財はビシュウで構造材は吉野や四国という意見が専らかと思います。

Nakaoka 楔ちゃん-00.JPG
材漁り。先日白鷹先生が砥石堀に寄ったところの麓にある木出し場。勿論吉野ひのき100%
久しぶりに嗅ぐ匂いです。うはうはします。
Nakaoka 楔ちゃん-01.JPG
適当に原寸。これ記憶して木取り

Nakaoka 楔ちゃん-02.JPGNakaoka 楔ちゃん-03.JPGNakaoka 楔ちゃん-04.JPG
木ごしらえの三手。半日で160丁強拵えました。自分の仕事なのでそりゃ~やる気が違います。
Nakaoka 楔ちゃん-05-.JPGNakaoka 楔ちゃん-08-.JPGNakaoka 楔ちゃん-09-.JPG
ムフフの三手。一人工でほぼ片がつきます。
よってあまり言えません。
自分用の場合、鋸で斜交いに目地を切って飛ばせば出来ます。
超簡単です。
Nakaoka-water stone stand wedge fixing [なかおか楔ちゃん砥石台]-1Nakaoka-water stone stand wedge fixing [なかおか楔ちゃん砥石台]-3Nakaoka-water stone stand wedge fixing [なかおか楔ちゃん砥石台]-4Nakaoka-water stone stand wedge fixing [なかおか楔ちゃん砥石台]-2
ムフフの三手で午後から作ってみた初期型40丁
Naka Gangari [中さんのがんがり尺六420mm]-1なかさんのがんがり、こめ30Kgと交換。正味刃渡り420mm!

Nakaoka 楔ちゃん-07.JPGNakaoka 楔ちゃん-06.JPG今度はスイッチがX

Nakaoka 楔ちゃん-10.JPG

砥石の大きさが変わってくると、楔の大きさを変えるか、反対側にヘギ(木片)を噛ませるとよろしいです。
下端がポコポコの石で4分以上の不陸があったり、不定形の石の場合はムリ。
なので、カマポコ板のようなものをシリコンで貼って、その板に楔を効かせる事で、楽勝ですね。
これは八寸内法なんで、七寸五分板で統一すると、一個の台で八寸丈以内のいかなる砥石でも台に載る事になります。
しかも固定も解除も楔のどちらかをお手手で押すだけで構わないので、非常に手早く研ぎに挑めます。
砥石箱も砥石台で無駄にかさばることももう、ありますまい。
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