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2008年12月24日 Category : 鋼材

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郵便局の可愛いお姉さんの顔をたまには見に行くのが日課であり、近代製発明150周年切手があったので衝動買い。
ヨコシマな魂もたまにはよい拾い物をするものです。
私は、マニアでも、切手収集家でもありません。ただのヨコシマと申します。
切手にえがかれるものは高炉
道具でもてはやされている地金のは、初めの量産としての製法でパドル法とか呼ばれるもので生まれたものと思います。
高炉は、コークスだけど、これはまだ木炭を還元剤として使い、熱反射炉のつくる閉鎖的な環境下でパドル(オール、かい)でかき回しつつ空気を送り込みながら、不純物と木炭からの炭素分をも燃やしてしまうというもの 。
燃焼するものが残り少なくなってくると半溶解状態となるので、気泡だらけになってしまうのです。
量産に求められる、剛体として、橋梁等の建設資材として、船舶鋼板として考えるのであれば、発展途上なものであるけれども、日本の道具の地金としてかんがえるならば、気泡が入り混じり結合度の不均一さがかえって、優しい砥石当たりと研ぎやすさを引き出し、この上なく上をもらたらすのです。
当時の製鉄に心燃やした方にとって、この大いなる欠点が、ある場では不可欠なものになろうとは夢にも思わなかったことでしょう。

ただ、この製鉄法は多くの樹木を伐採させ、今のご時勢から見ると森林資源を疲弊させる特にけしからん方法であったもので、次いで化石資源であるコークスと石灰石を混ぜて、字の書き方もそのままである凄く高さのある高炉で一気に高温下で燃焼還元させる製鉄法が今日まで続いております。
熱いままの鉄で一気に圧延までいたるので、質は均質で量産鉄にとっての専らの役割は果たすことが出来ますが、同時に一気に製品にしてしまうという作業方法は幾許かのコークス内のリンや硫黄を孕ませ、中から錆びやすく、新しい間での耐過重性能は格段だけれども、時間軸に対しては特に脆い鉄となってしまうようです。

時代は新しく、便利で住みよい世の中になったけれども人と鉄は悪くなった。

という名言は、聞いたことがるとおもいます。150年の歴史のなかで色々な対価が支払われたのであろうということなのでしょう。

切手に絵がかれたタワーは、近代にさしかかる曙の象徴であり、大量生産と大量消費経済の口火を切るものであったといえるかもしれません。
明治の頃は、わが国にはこの切手の示す製鉄技術はなくて、イギリスからレールやチェーンを輸入する他なかったものでしたが、戦後には転じてわが国の製鉄による輸出が、大きな貿易摩擦を引き起こす程まで成長させた先人の努力というものは生半可なものではなかったと思います。
古代から中世を経て近代までわが国固有の踏鞴は命の長い和釘を生み、刀の時代を支え、文化・芸術としての鉄を大成さました。
現代では戦後、製鉄産業国家としても復興を遂げ、鉄と鋼の民族と世界に称されることとなったのでしょう。

鉄にとって、単に鉄と記されたり、白鷹先生のおっしゃるは金の王たる哉と記されりと幅広い表現方法が生まれた理由として思うことは、この150年で製の方法が変わったことでも頷けるように純度や鍛え方において品位や希少性が大きく変わってくる金属はないかと思います。
貴金属を初めとする非鉄金属一般には、目方当量でおいくらという価値のラベルが貼られる訳ですが、鉄にはも、明治以前における和鉄も、先生の情熱で世に生を受けたSMLC鉄も含まれるのですから、一筋縄には行かないわけです。
法隆寺の釘として1200年間その形をとどめてきたもの、錆び錆で乗ると危ないグレンチングとか車のドア下がボソボソに朽ちてしまっているものを形作るものも、ひとくくりにして鉄と呼びます。だから時としてそれは王と称され、不退転と称され、俗なるものと称され、卑なる金属と称されたりと、色々なのでしょう。

 私たちは鉄鉱石のない、おかしな鉄の島国に住んでいるということはどうやら確かなようで、切手の中の女の子が持っている玉はただ単に今から投げようとするボーリング玉?台砲弾?パチンコ玉?それとも玉違いの王?どう考えるかは皆さんの自由です。




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コメント

●世界の鉄の切手
鉄の切手の記事、興味深く読ませてもらいました。
>
>日本にも、鉄についての切手があるのは知りませんでした。
>
>ところで、なかおかさんは切手自体が鋼鉄で出来ている切手があるのをご存じでしょうか・・・・・・・???
>
>ブータンという国のかなりマニアックな色々な切手を出すことでも知られている・・・ところの切手です。
>
>詳しくは・・・http://www.benedict.co.jp/Smalltalk/talk-53.htm  になります。
>
>切手のデザインは、http://kunio.raindrop.jp/stamp-aracart-buhtan.htm の下の方にあります。
>
>デザインのモチーフが、鉄の歴史で非常に面白い切手です。
>

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