ご質問裏甲に関して

裏甲木表木裏どっち?
に関して。
まず、材の背と腹に関して知っておかねばなりません。
以前書いた覚えがあるのでぶろぐ内検索してください。
切り裏は乾燥率の違いで狂う
布裏は丸の型が崩れる製材後、材の中の力関係が崩されるので狂う+わづかな乾燥率
古代や中世瀬戸内のものには裏使いが主
営繕後や近代-現代は、圧倒的に表
裏の理由
材の背と腹をのきぞりに併せて軒線の力の合力とす。
しかし、節が多いし、裏は仕上にくいしきちゃない見栄えは必死。
表の理由
美しい木理を得やすい。
どちらの目線が正しいのかは、施主の思いに従うまでですが、古代人は材の背と腹をよく理解し、狂いの方向を知っているということですから、これを利用して軒線を重力に抗うための力としているということが分かります。
鴨居や無目は断じて木表です。背と腹、美しさ全てが目的に合致してあるのでいつの時代も普遍的に木表。
切り裏の狂いは強く小さな曲率で狂うし、数が多いのでカヤオイに対して辛いということが分かると思います。
表使いのものががっぱり真ん中がすいたり、思いっきり割れているというのを見かけると思いますが、理由はこれ。
布でも高さがないが幅があるのでかなりカヤオイの負担になります。
わざわざ一番玉のアテを裏使いで持ってくるのも、全ては狂わんとす力やアテの持つ強靭な力を軒の力として利用するためです。
材の使い方で、一つ分かることは古代-中世人は、はるか未来の建物にとって最良の使い方。
黒く古色付いてくると節もかわいいし目立たんような気がしますがそれは拝む人の感性次第。
今は、とにかく竣工時綺麗に見えることが大切。
これは、職人さんの想いとは別にあって、施主や例えば応援先の親方によっても好みが違いますから、今回のように二通り以上答えがある仕事では、仕事をする前に必ず先に質問して取り決めておかないと大変なことになります。
びっくりなことは、シラタをたくさん使えとか実際ありました。これだけは勘弁願いたいものですが。。。。
材の持つ本質よりも見た目重視が流行っているようで、シラタがバリバリ入っている建物を古代人が見てどう思うのでしょう?
布でまっすぐきつくりで、針葉樹の場合背に力が溜まってます。
つんばりの力でこれを切るように手押しして整えると狂いにくくなります。
広葉樹は概ね腹に力でこれを加味して鉋台等気作りします。
このへんは、手押しの説明書とはやり方が違います。
背を押すのはなかなか難しいですが、慣れるととてもまっすぐ押しやすくなります。
特に竿やゴウブチ押しにお勧め。
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