薄鋼神技 Shinharuのこだわり どこで品位見抜く?
一般
おそらく唯一 ローモル鉄99.99・・・%以上の超高純度の鉄を地金として採用していた鑿鍛冶で、
体調芳しくなくしばらく休業した折、彼の鑿を扱う小売店が代用の鑿としたとたん、売り上げがぴたっと止まってしまったと言われる恐怖の曰く付き鑿の秘密を暴きます。殆どの地金は極軟鉄で0.3%カーボン入ってます。
参考までにインゴットになる前の純度の高い鉄のペレットをご覧下さい。
- まち・中子
左から二番目ご覧下さい。新品ののみを抜いてみてください。
柄側と軸側良く観察してください。
完全に平面と平面で一致できるよう成形に予断ありません。
軸側の中子とまちをやすりでみっちり仕上げて柄からの打撃を完全に伝わるよう、手間をかけております。
口金側も、樫材がツライチ迄競ってますので、面と面で力の受け渡しが出来ます。
鑿鍛冶・柄屋さんともにとても手間が掛かる反面、出来てしまえば、どこで手間をかけたのか?分かるわけがありません。
「良く分からんけどこの鑿は良く効いて楽じゃ!」という鑿の種明かしはまさしくこれ。
まち・中子が完全に巧くできた鑿を持っている大工さんなら、叩いた時に分かってしまうはずです。
はっきり言って、全く違います。音からして違います。刃の切れ味と勘違いしがちですが、力が100%刃先にお届けできるだけのことです。
たったそれだけのことですが、一日中のみを扱う方にとっては、これを知ってしまうと、見えるところの仕上げ方がどうのこうのだとか気にならなくなるくらい重要で、以後の仕事の能率に大きく関わってくる事に気づくはずです。
打撃も半分、疲労感も半分で済むのですから否が応でもそう思うはずです。
下段、左は、軸側はそこそこ美しく面付いてます。右は、まぁこんな物です。
ここを見れば、職人さんがどのような思いでしごとされていらっしゃるのか覗けちゃいます。正直私が鑿鍛冶であればこんなことは書けません。「裸を見てくれ!」といっているような物ですから。
柄側は、詰め物はOKです。口金がせり出し、空洞が大きいのは何故でしょう??
鑿鍛冶さんが、中子と待ちの境界をピッチリ明瞭に仕上げていないから、ここの隙間が逃げのスペースになるのです。樫が競っていたら、柄と軸に隙間開いたままになってしまい、仕事になりません。
がっかりしてはいけません。既製品の鑿の柄は皆こうなってます。
こうするとすごく仕事が早く片付きますから。
これが標準の仕事です。みんなが安く買い叩いて、職人さんを食えなくしているのもこの由の一端。職人さんを責めてはいけません。
これでもまだ良いほうだとお考え下さい。
口金を輸入品の薄い薄いもので誂えている物があります。
この手ですり合わせなどされると、更に薄くなりどうにもなりません。
口金が、軸に食い込んでいるのは大方こういう仕事が原因です。
安いからといって飛びつくと火傷します。このようなリスクがあるということをしって置いてください。
日本の口金は、1mm厚あると思って結構です。
よっぽど形の悪い軸でない限り、ペナペナ口金にはなりません。
+αの使う側にとって見れば当たり前の仕事を、時代遅れながら、見えないところでもみっちりやることで手間がすごく掛かり儲けのことは諦めなければなりません。
しかし、本当に良いのみを誂えるにあたり、これは必ずやっておきたい仕事で、
引退を考えている高齢の職人さんで良い物を遺して行きたいという思いの方しかやっていないと思います。
現にいろいろなブランド品の裸を覗き見しましたが、美しさはよくよく引き出せているものの、力を引き出す努力は二の次だな?といった感想です。
播州でこれを頑張ってらっしゃる方は、とても片手に足りません。
採算性を考えれば仕方がないこと。 - 薄鋼を入れたい思い。
広い巾・広い面積・薄い鋼で白紙炭素鋼を焼きいれ出来る鍛冶屋さんは一握り。
良く雲が入るといった現象や割れたりします。
青紙は熱処理性が向上しており、広い物では白紙採用に驚くべきです。
これは過去ログ参照。 - 病み付きの刃付け速度。
過去ログにありますとおり、行って帰ってあの研ぎ汁です。
+薄鋼で更に下ります。
刃付けが異常に早く仕事に復帰できる時間と休憩時間が増えます。
使えば使うほど儲かるのみです。
時間も要し、沢山は出来ませんがよろしくお願いします
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