三代目常三郎謹製精密二回研磨金盤活用法とちょろっとしたコツ
三代目が自ら黒皮の付いた生鉄素地から、フライスかけと平面精密研磨を執り行って出来上がった、本職に向けての素敵な金盤にはその正確さを活用して、色々役立てることが出来ます。 クリック!黒皮付き無垢材
鉋の調整用定盤
- 金盤を鉛筆でざっと黒く殴り書きする。
- 鉋台を置いて前後に動かす。
- 濃く黒く痕の付いたところが、高いところ。これを取る
- 繰り返して、均等な濃さで台の定規となるところで当たりが付くとOK。
椿油塗布して鉛筆の代わりとしても良し。このとき当たり判定が甘くなるので、大まかに取りたい時には便利。また油を塗布した金盤は本来の金盤の役割は全く出来なくなるので、留意のこと。そもそも金盤は裏表二面あるので、片方側のみを定盤専属として活用する方法が便利な時が多い。
硬い鉛筆程、当たり判定がシビア。これを活用して薄削りを想う方には楽々な手法。
難しいといわれる事を、創意工夫を以って万人が正確・迅速・簡単にこなせる知恵や方法論を打ち立てることが出来る職方のことを職人と呼び、それ自体が職人の財産に他ならないと私はおもうのです。
物事を簡単に片付けることの出来るある気づきに達するまで苦労しますので、誰も明かしたくないと思う所なのです。
ペーパー台でもガラス板の様に割れを心配しなくて安心です。ただし、木目の隙間に粒が入って、歯にダメージを与える事があるので、テープを貼って剥がしたりしてお掃除すると効果的。
裏押しで脚が大根脚になったり、ちんぽこ型裏にしたくない!!
- かっこうにあたる部分に椿油塗布します。これでいくらかっこうに力入ってしまっても、かっこうが削れませんから、ナイスな脚が維持しやすいです。これは、とっても簡単で実用的。
- ソコソコ勘が付きますと、押さえ棒無しで刃先に力を込めて押すだけで刃先から下ります。
- WA欠片は砕けが早く、荒いGCのように深い傷が付きにくいですが、当たり判定が厚く、びっくりするくらい下りてしまいますので、慣れないうちは、ちんぽこ型の危険を併せ持ちます。WA使う時は新品の相当安物の刃物で裏がぐにゃぐにゃのものとかに限定されてきますが、今日では非常にすばらしいダイヤモンドがありますので実質上、WAやGCは御役ごめんです。
- 金盤が活躍するところは、良いダイヤが出ていますのでシャプトン#1000やキング#800などの砥糞で磨くところからでしょう。ダイヤでのムラがこの程度の番手の研磨剤でよく取れます。また金盤へのダメージもWAやGCの比ではありませんので、非常に永く正確さを維持できるということになります。このときにも慣れないうちはかっこうが行き来するところに、椿油塗布することで熟練工と同じ出来栄えになるかと思います。
- 三代目常三郎さんが、背中を丸めながら容器に注いだ巣板パウダーや赤ピン・高島柔口を金盤で滑らせて出た砥糞を、鏡面仕上げへの足がかりとします。
- 裏出しが出来ると、一撃で裏出せます。
砂噛み材や硬いものと戦うと、どうしても刃先が僅かに両刃になりますので、両刃分研ぎおろすとみるみる刃の丈が減っていきますし、何よりも面倒な話です。
研ぎ下ろすよりも、裏叩き出して出た分だけ、金盤で押し取ります。刃先のところだけなので秒殺で押し取ることができます。
このとき、ごくごく僅かに刃先がまだ出気味のところで止めておきますと、よく食いつきます。逆スキー板状態です。
両刃になるほどダメージを受けたものですと研ぎ下ろし時間に比べ、叩き出して刃先だけ誂なおす方法ですと、遥かに早く・楽に・裏と柄のなす角度(鉋の場合は断面の楔角度)を定常的に維持できます。
使い古したのみは、裏の作る平面上から大きく外れたくの字状に柄の芯の延長が交差しており、強撃すると横方向の力が中子に掛かるので、柄が良く折れます。これは裏出しせずに刃先ばかり押した結果です。裏出しして刃先ばかり押すと、お互いがくの字の位置関係にならず、平行か同一面上を維持できるということです。
よって鑿の裏出しは非常に必要です。
鉋の場合も楔角が前ばかり押してきつく変わるので、刃口近辺の押さえ溝に隙間が出来ます。これでは鉋刃がパタパタ動いて、でこぼこ削り肌になって使えたものではありません。楔角を変化させないためにも裏出しは大いに必要なのです。
なぜ裏をすいてあるのか??
その理由は、裏押しの都度押す面積を小さくしたいという試みが第一の理由。
定規とする面は小さいほうが取り扱いが楽です。また鑿の場合切削抵抗を減ずる事が出来ます。ドリル刃に逃げ角つけてあること。スキー板が細いこと。鉋台は二点か三点接地であることと同じ考えです。
片刃刃物と取り扱う場合は、ぜひとも裏出し裏押しを身に着けたいところです。
天然砥石なんかよりも金盤が無くなった方が泣けると言うのはこういった理由を踏まえてのことです。
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